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【NCAA】崎濱秀斗 いよいよアメリカでの挑戦が始まる。どんな想いで渡米したのか現在地を語る/Jbasketスペシャルインタビュー19の質問

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【NCAA】崎濱秀斗 いよいよアメリカでの挑戦が始まる。どんな想いで渡米したのか現在地を語る/Jbasketスペシャルインタビュー19の質問

崎濱秀斗が遂に始動
2023年、昨年末に福岡第一高校をウインターカップの優勝に導いた崎濱秀斗。
崎濱は、左足骨折の手術を乗り越えて臨んだ最後のウインターカップはクォーターファイナルの東山戦で、残り27秒から劇的な逆転3ポイントを沈めるなど、大きなインパクトを残し大会MVPにも選出された。

崎濱秀斗 伝説となった大逆転劇
2023年ウインターカップ東山戦にて

アメリカ挑戦を考え始めたのは新型コロナウイルス禍で練習もなかなかできない中で、ネットなとで米国留学の道を知り、独学で英語の勉強を始めてきた。昨年には現地での練習に実際に参加しここでバスケットを挑戦することを覚悟を決めた。

崎濱は、圧倒的なポテンシャルや勝負強さを兼ね備え、アメリカの大学バスケ、NCAAデビション1(D1) でプレーすることを目標に渡米して半年が過ぎた。スラムダンク奨学生としてプレップスクールの渡邊雄太も在籍したセントトーマスモア・スクールに通いながらNCAA D1への挑戦の道を選んだ。4月にアメリカにきてから同校の練習に参加したり、6月はアディダス主催するユーロキャンプにも参加して、2024年の夏に自身からNCAA D1のメリマック大学へのコミットを発表した。

プレップスクール
レベルの高いバスケットをアメリカの大学でプレーして学ぶには、学力も必要になり、まず英語ができないといけない。そのためには、語学学校で約1年間勉強しバスケットの準備もしなければいけない。そこにプレップスクールという制度を使ってステップアップしていく。プレップスクールとは、高校を卒業してから大学までの間に1年間学ぶ学校になる。英語を勉強しながらバスケットボールの練習をし試合にも出られる。大学でプレーすることを目標にする選手である崎濱は、渡邊雄太と同じセントトーマスモア・スクールというプレップスクールに通うことになる。
崎濱は、「スラムダンク」漫画家の井上雄彦さんの「スラムダンク奨学金」の第17期生に選ばれて、このプレップスクールに通う。
ここを卒業してNBA入りした渡邊雄太は尽誠学園高校→セントトーマス・モア→ジョージ・ワシントン大学→NBAメンフィスグリズリーズという進路を作った。
八村塁はプレップスクールには行かず、明成高校→ゴンザガ大学→NBAワシントンウィザーズという流れでNBAへ進んで行った。八村塁はU17ワールドカップにて得点王になり、多くのオファーがあり名門ゴンザガ大学を選んでいること。アメリカの大学に必要な英語力のテストのスコアを伸ばしてある程度英語力を持って大学に奨学生として進学した。日本からアメリカの大学に挑戦する場合は、プレップスクールや短大・ジュニアカレッジへと進学して挑戦するケースが多い。富永啓生も昨シーズンまでネブラスカ大学でプレーして今シーズンからはGリーグでプレーする。
また、山﨑一渉、ジェイコブス晶、川島悠翔など、日本の世代を代表する選手たちもアメリカでの挑戦に挑んでいる。NCAA D1でプレーをすることは、簡単なことではない。

福岡第一の在学中に海外を意識して培った英語力は優勝会見でも、通訳をかって出る崎濱は、語学もしっかり準備して単身での渡米後どんな生活をしているのか。この秋、アメリカでの生活や今の自身のバスケットに対しての体感は、そしてそこに挑戦する崎濱の心の持ち方、どんな目標や意識をしているのか。崎濱の現在地をJbasketスペシャルインタビュー単独インタビュー。

 

Jbasketスペシャルインタビュー

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J:体が大きくなっているように感じますがどうですか

「少し背も伸びてると思いますね。体重は80キロなのですけど、脂肪が減ったというか、最近ちょっとお腹が割れてきているので(笑顔)。体は筋肉質になってきていますね。体重も減ってないので、今のところ凄くいい感じです」。

J:食事はどうですか

「学校にカフェテリアがあるので、そこでご飯食べたりしています。大体もうご飯はここですね。ファーストフードもあります。日本食やお米は、ルームメイトと一緒にシェアしてライス食べたり、あとはお母さんから日本食を送ってもらったりして食べています」。

J:今はアメリカのどのエリアでどんな生活のスケジュールを送っているかを教えてください

「今はアメリカのコネチカット州という田舎の町にいるんですけど、セントトーマスモアというプレップスクールでバスケをしています。
スケジュールとしては、基本は毎日学校にいって授業は1日大体2回で、バスケに集中できる環境です。また、授業の中にもバスケがあるし、大体午後1時ぐらいに授業が終わって、2時からずっとバスケをするという感じなので、バスケットに打ち込める環境でできていると思います」。

J:その後も含めて1日のスケジュールはどうですか

「基本的に日本と比べると、自分は福岡第一にいたのでそこの練習に比べたら本当に少ないと思いますね(笑顔)。 アメリカはギシってすぐ終わらすタイプといいますか、スタイル、カルチャーといいますか、2時間で全体練習を終わらせて、それ以外は個人練習であったり、ここにきて改めて感じたことで、体をしっかりケアすることの大切さをみんなが気づいているので、バスケ以外の時は睡眠をしっかり取ったり、ゲームをしたり、夜の8時からまたチームでウエイトトレーニングがあって、それが1時間半ぐらいあるので、それ以外はみんなリラックスしながら、やりたいことをやる。バスケをしたかったらバスケしてという感じで、本当にいい環境でできてます」。

J:そうすると自ら率先してメニューをつくってやっていくということも多いということですか

「そうですね。今はシーズン前なので、チーム練習は10月からで、今はたくさんの大学のコーチが見に来て、まだ大学にコミットしていない選手たちを見ています。そういったのがあってもずっと1時間半ぐらい5on5をやっています。クラスの中でもバスケの授業があって、その中ではもう1時間がっちりワークアウト、コーチとワークアウトできるんで、そういったところで個人スキルを上げてこれてるかなと思っています」。

J:セントトーマスモア・スクールでのメンバーや試合などはこれからどんな予定になっていますか

「メンバーは13名が1番上のチームにいて、11月の中旬からシーズンが始まるので、そこまではずっとチーム練習などして、 自分たちは “オープンワン” 呼んでいるんですけど、5mn5だけをする練習、試合形式をずっとやってカレッジからオファーをもらう形で今はずっとやっています」。

J:来年大学へコミットされていますね、大会はどんな大会を

「自分も今年初めてなのであまりよくわからないところもありますが、大会には結構出場すると思われます。ニューイングランドという場所なので、そういった地域にあるプレップスクールと対戦したり、勝ったらナショナルと言って、アメリカ全体のプレップスクールのチームと対戦すると思います。そういった大会に出て、あとはAUというコーチたちの前でプレーできる機会、チームとしてそういった機会がいくつもあるって聞いています。今年は自分が1年目なので、 大学行く前にこうやってプレップスクールで高いレベルでいい経験ができて大学行けるのは本当に大きいと思っています」。

J:チームにはいろんな国の選手がいますか

「自分のチームはアイルランドとトルコの選手がいますね。それ以外はみんなアメリカ人です」。

J:英語の方は実際に今どのくらいまで話せていますか

「生活面とかは、ほとんど困ることはなくて、1年目はほとんどの人が苦労していたので、自分もそういう感じになるだろうって思っていたんですけど、ここに来てもう半年くらい経ちますが、だいぶ慣れたというか、チームメイトともめちゃくちゃ仲良くやれているし、コートの中でもちろん会話もできているし、そこまで勉強っていうよりもバスケが大事なので、そこは会話も全然楽しくできていて、みんなとすぐ仲良くなってやっています」。

J:そのチームメイトにはなんて呼ばれていますか

「shuto!って呼ばれています」。

J;ここアメリカに挑戦を決めた大きなポイントはなんですか

「1番は、中学生の頃にアメリカでプレーをしたいっていう思いがあって、それからずっと英語も勉強して、 高校終わったら絶対にアメリカに進学したいっていう思いがありました。それがアメリカに来た1番の理由です。
もちろん日本のバスケットのレベルも本当に高いと思いますし、素晴らしい競争もできると思いますが、アメリカに来て何か違ったものを学べると思っていて、競争の激しさで言ったら、アメリカが本当に1番激しく激しい国だと思うので、そういったところで、メンタル面であったり、競争の激しさを世界のトップレベルで将来的にやっていくためには、やっぱりアメリカに早めに来て学んで、将来は世界レベルでバスケできるようになる、なれると自分の中で前から思っていました。それがアメリカに来た1番の理由です」。

J:その想いは中学何年生でしたか

「自分が中学3年生の頃で、コロナの時期で外出も禁止で、緊急事態宣言の時にバスケのアメリカの留学の動画をたまたま見ていて、安藤誓哉さんが留学に行かれていて、それを見てすごくアメリカでやりたいなって思って、それから本当ずっとアメリカを意識するようになりました」。

J:メリマック大学に来年コミットしましたが、決まりですか

「まだコミットということですね。サインをまだしていないです。 もしいいオファーがあったら考えたりもしますが、個人的にはメリマック大学、ここは大学バスケでも乗ってるチームらしくて、HCも結構熱い方で有名で、自分的にもプレースタイルも好きです」。

J:ここは渡邊雄太選手も通っていましたが、どんな意識、気づきがありますか

「1番は自信を持つこと。
コートに立ったら友達も関係なしで、もうバチバチにやるところと、ここに来て1日1日を本当に気合い入れないとコート上でやっていけないぐらい、本当に競争が激しい場所なので、そこはもうコートに入ったら自分が1番の選手なんだって思わないと、ここではやっていけないと思っているので、メンタル部分で強く、強い気持ちを持ってやること。あとはアメリカの選手は、やっぱりシュートがすごくうまくて外さないですね。この1年間で改善していきたいところはあるなと思っています」。

J:フィジカル面では負けないと思いますがどうでしょうか

「フィジカル的には全然負けてるっていうのは全く感じていないです。
むしろディフェンスにしろやっぱり福岡第一でやってきたからこそできていることで、 そういったところはディフェンスでアドバンテージを取れています。ミスマッチが起きてもいけると感じています」。

J:河村先輩はパリ五輪含めてどう感じて見ていますか

「河村勇輝選手はヤバいなと思いました。
なんて言うんすかね、なんか言葉が出なかったですね。
ああいった舞台で、身長もあんまり高くないのに、ゲームを支配していて、フランス戦にしろ、もう河村劇場みたいな感じで、試合は負けはしたんですけど、あそこでコンスタントに活躍できていてNBAにも繋がっていると思いました。もう素晴らしいとしか思いませんでした」。

J:日の丸に対しての想いを教えてください

「もちろん将来的には日本代表、河村勇輝選手のように活躍して、日本を背負ってチームを勝たせられるようなガードになりたいと思っていますが、正直今の現状言うと、全然まだまだだと思っています。本当に相当頑張らないとまだまだあのレベルには追いつかないと思うので、そこは先を見すぎず、もちろんロサンゼルスオリンピックに出たいという思いもありますが、自分は間に合う、間に合わないかなと思っているので、その後のオリンピックでプレーできたらいいなとも思っています」。

J:近々の目標を教えてください

「直近の目標としては、まずは今年のプレップスクールでしっかり活躍して、1年目のアメリカでバスケットもしっかり慣れていくこと。とにかく1番は、高校生の時からずっと言ってたNCAA D1の大学で試合に出て活躍するのが自分の目標なので、この1年間しっかりやって来年のために準備して行くことです。
来年からすぐ試合に出て活躍できるような選手になって、Bリーグでも何年後かにドラフトがあると聞いているので、ドラフトされてプレーして活躍して、河村勇輝選手のように海外挑戦ができたらいいなと今考えています。まずはしっかり大学で活躍して、 日本で活躍するのが今自分の目標かなと思っています」。

J:最後にメッセージをお願いします

「本当にたくさんの方々に応援されていて、支えられていると思うので、しっかり自分は結果で返したいと思っています。まずはしっかりこの1年間、プレップスクールで成長して、来年からNCAA D1の大学で活躍できるように頑張るので、日本からも応援よろしくお願いします」。

 

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Jbasketライター

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