最後まで諦めなかった意志が、奇跡を現実に変えた。
この逆転劇はスコアを超えたチームの成長の証。
「前半からしっかりやれるようにならなければいけないですし、今日のような試合ばかりしていたら、体力的にもメンタル的にも疲れてくるので、40分間集中して、後半のようなバスケットができるようにしていきたいです。」
第2節 10/12(SUN) 広島サンプラザホール
広島 97–98 北海道
1Q 38–15
2Q 29–26
3Q 20–29
4Q 10–28
<北海道>
富永啓生24得点(3P6/11)、オカフォー20得点13リバウンド、ラモス14得点、ハーラー12得点、島谷怜11得点
<広島>
コーバーン26得点8リバウンド、スミス18得点、エバンス16得点、メイヨ15得点
レバンガ北海道が信じられない試合をやってのけた。前半で最大32点差をつけられたチームが、最後のブザーで勝利をつかむ。
第1Q、広島の勢いに押され15–38。会場の空気も完全にホーム一色だった。しかし、後半から流れが変わる。第3Q、富永啓生が立て続けに3ポイントを沈めると、ベンチが立ち上がり、チームの目が再び輝き始めた。
「前半は昨日よりも厳しい展開。でもハーフタイムで課題を整理し、後半は一人ひとりが自分の役割を理解して遂行できた。」
富永は3P6/10で24得点。早い展開からリズムを掴み、チームに勢いを注入した。
「4Qの1本目が入ったときに“今日はここから行ける”という感覚があった。大量ビハインドの状況だからこそ、打っていこうと決めていました。」
試合を決めたのは、残り1分を切ってからの逆転スリー。富永ドライブからキックアウトを受けた島谷が美しい弧を描いてネットを揺らした。
「最後に市場(脩斗)選手が締めてくれて、チームとして本当に良い試合ができたと思います。」
試合後の富永の表情には、仲間への信頼と、チームとして掴んだ自信がにじんでいた。
指揮官ロイブルHCは、この劇的勝利を冷静に捉える。
「今シーズン最初の5試合がすべてアウェーの強豪戦と知ったときは正直ショックだったが、結果として3勝できているのは非常にポジティブ。」
そして富永についての評価は明確だった。
「“Good player”はシュートを決める選手。“Competitive player”は大事な場面で決めきる選手。富永はまさに後者。彼の存在がチームに勢いをもたらしている。」
レバンガ北海道はこの勝利で3連勝。
開幕からアウェーで続いたタフなスケジュールを乗り越え、“Never give up”を体現したこの試合は、単なる1勝ではなく、チームの成長を証明する夜となった。
「勝利を信じること」その言葉が形になった試合だった。
北海道は“Never give up”を日本バスケットボール史に刻んだ。