
アルバルク東京、逆転勝利で2大会連続決勝進出
1月10日、代々木第一体育館で「第101回天皇杯ファイナルラウンド・セミファイナルが行われ、アルバルク東京が 三遠ネオフェニックス を 80-75 で下し、2大会連続のファイナル進出を決めた。
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A東京
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80 | 23 | 1st | 15 | 75 |
三遠
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| 21 | 2nd | 20 | ||||
| 17 | 3rd | 21 | ||||
| 19 | 4th | 19 |
前半はロシター、サイズを中心に主導権を握り、44ー35で折り返す。決戦の4Qに逆転を許し、試合は終盤までもつれ込んだ。
4点を追う展開で迎えたクラッチタイム。ここから小酒部泰暉が流れを変える。ドライブからの得点、続くトランジションでのフィニッシュで一気に同点。さらにオフェンスのリズムを取り戻したA東京は、テーブス海とバランスキーがフリースローを確実に沈め、勝負どころを取り切った。終盤の遂行力で突き放したアルバルク東京が、激戦を制した。12日のファイナルではシーホース三河と対戦する。
その中で、怪我から戻ってきた
テーブス海は何を感じていたのか
試合後に聞くことができた。
試合を決定づけたのは、最後の2分48秒間を無失点で抑え切ったディフェンスだった。この時間帯について、司令塔のテーブス海はこう振り返る。
テーブス海
「抑えどころを、コートに出ている5人が理解していました。ヌワバ選手のドライブと大浦選手のピック・アンド・ロール。そこを打たせるにしても、いかにタフにさせるか。終盤は脚も必要ですし、プレッシャーもかかる。その中でタフに打たせることを全員が意識していました」
終盤、相手のポゼッションを一度で終わらせたリバウンドも勝因の一つだった。
「最後はやっぱりリバウンドですね。ライアン(ロシター)だったりサイズが、シュート1本で相手のポゼッションを終わらせてくれる。そこは大きかったです」
一方、オフェンスでは小酒部泰暉にボールを託す判断が流れを変えた。普段とは異なる選択について、テーブスは明確に理由を語る。
「時間を使いつつ、小酒部が乗っていたので、彼がアタックできるように判断しました。普段なら自分やライアンで打開する場面ですが、あそこまで乗っていたら『スペースを作って小酒部にやらせるべきだ』と思った。期待に応えてくれるあたり、さすがです」
その裏には、積み重ねてきた経験に裏打ちされたゲームコントロールの感覚がある。
「試合を通して流れを変えるポイントは6個か7個あると思っています。その見極めと遂行力は年々上がってきている。自分のシュートが入るかどうかより、勝つためにどこをアジャストするか。その手応えはあります」


ファイナルに向けて、テーブスは「リベンジ」という言葉を使わない。
「去年のことはあまり考えていません。違う大会ですし、チーム状況も違う。一発勝負にチャレンジャー精神で挑んで、ここまで積み重ねてきたことをそのまま遂行したいです」
そして、小酒部の得点シーンで体を張ったロシターのプレーについては、こう締めくくった。
「誰かがシュートを決めるために、自分が動く。チームメイトのために動く意志が大事。ライアンはずっとそれを遂行してくれています。それが“優勝できるチーム”の行動だと思います」
終盤2分48秒。
全員が役割を理解し、託し、遂行した
J:三遠に追い越されてから、再び逆転するまでにどんなことを感じてプレーしてましたか
テーブス海
「ハーフタイムにしっかり修正しました。三遠は強いので、抑えたいポイントを明確にして後半に入ったんですけど、それでもやっぱり自分たちのディフェンスを崩してくるヌワバ選手だったり、大浦選手のオフェンス力が本当にすごくて。そこで相手に流れを渡してしまって、正直(相手の強さは)分かっていたところではあるんですけど、そこからしっかり我慢して勝ち切って。最後は小酒部選手だったり、チーム一人ひとりがよりチームのためにプレーして接戦を勝ち切れたことは本当に大きいと思います。」
J:涌川選手と(滋賀で一緒にプレーしていた)お二人のマッチアップはどう感じてましたか。久々の対戦で会話はされましたか
テーブス海
「試合前に挨拶に来てくれました。滋賀で一緒にやった時はもっと細くて、ちょっとバンプしただけで吹っ飛んでたんですけど(笑顔)、今は立派に体も大きくなって。
ディフェンスも粘り強いですし、オフェンスも爆発力があるので、なかなか手強い相手になっています。でも、対戦する時はいつも楽しませてもらっています。」


J:怪我でコートの外から見てきて、どんなことを感じてましたか
テーブス海
「ベンチで試合を見ていると気づくこともあります。怪我をするまでは、今までのキャリアで一番手応えを感じていたシーズン序盤だったので、いい感じに仕上がっているなと思った矢先の怪我でした。でも「ゲームを読む力」には自信がつきました。試合が終わって振り返っても、何が正しい判断だったのかは常に分かっています。それが(実際に動いて)できるかどうかは別として、ゲームを読めるというのは本当に手応えを感じています。」
終盤2分48秒。
抑えるべきポイントを共有し、託すべき相手にボールを預け、役割を遂行し切る。アルバルク東京が示したのは、個の強さではなく、判断と信頼が積み重なったチームとしての完成度だった。
怪我を経て、テーブス海が得た「ゲームを読む力」。
それは、自ら決めるためだけの視野ではなく、誰が、いつ、最も勝利に近い選択をできるのかを見極める感覚だった。シーホース三河とのファイナルの舞台でも求められるのは、同じ問いへの答え。全員で理解し、託し、遂行する。
その先に、アルバルク東京の“今”がある。
