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【ウインターカップ2024】男子優勝は昨年の雪辱を果たし福大大濠が3年ぶり4度目の優勝し王座奪還した/片峯聡太コーチ 渡邉伶音 湧川裕斗 高田将吾

【ウインターカップ2024】男子優勝は昨年の雪辱を果たし福大大濠が3年ぶり4度目の優勝し王座奪還した/片峯聡太コーチ 渡邉伶音 湧川裕斗 高田将吾

12月29日に男子決勝が東京体育館で行われた。前回準優勝の福大大濠(福岡)と鳥取県勢の初優勝を目指す鳥取城北(鳥取)が対戦。今年のインターハイ準々決勝で対戦しており、66-56で福大大濠が勝利している両校の対戦となった。福岡大学附属大濠高校が2年連続ファイナル進出し昨年の雪辱を果たし3年ぶり4度目の優勝を手にした。日本代表に選出されている渡辺伶音が3Qで3本の3ポイントを沈めて、チームで相手のオフェンスを徹底的に抑えた。

12月29日 東京体育館
福大大濠 77-57 鳥取城北
1Q 18-17
2Q 26-17
3Q 19-9
4Q 12-14

<福大大濠>
#13 湧川裕斗 32得点
#8 渡邉伶音 16得点 (3P4/6) 14Reb
#14 高田将吾 16得点 9Reb

<鳥取城北>
#8 新谷勇晴 16得点 8Reb
#11 豊村豪仁 13得点
#28 ハロルド・アズカ 12得点 18Reb

鳥取城北(鳥取)は、福岡第一に勝利してウインターカップで初のメインコートへ立ち決勝へ駒を進めた。これまで80点以上のハイスコアゲーム展開をしていたチーム、この決勝は入りが注目となった。

福大大濠の湧川がコントロールして得点して8-0のランで入り、鳥取城北もアズカがインサイドに押し込んで落ち着いてプレーする。渡邉のアズカへのブロックも出てインサイドでのマッチアップも見応えあり、その後攻守を繰り返す。鳥取城北の蓑原とアズカのピック&ロールがリズムよく展開し、さらに新谷の得点で逆転して鳥取城北の強さを見せてリードする。ここで、大濠がしっかり対応する。大濠の榎木、湧川が連続3ポイントを決めて流れを渡さない。そしてこの1年間アウトサイドのレベルを上げてきた渡邉伶音の3ポイントブザービーターが決まり44-34で大濠リードで折り返す。

後半どんな入りをするか、渡邉伶音が3ポイントを決めて入る。鳥取城北は豊村が決めて、前半1本のスリーポイントで終わっているためどんどん流れを作りたい、ピックからの展開もしたい鳥取城北に、大濠はそこをしっかりと潰していき、オフェンスにいい流れを作り最大25点の差をつけて大濠の実力を見せる。追い上げる鳥取城北に対して大濠は落ち着いて対応して、鳥取城北を最後まで突き放しリードを守って勝利して、昨年の雪辱を果たした。


 

また鳥取城北は、ノーシードから勝ち上がり、準々決勝までの5試合80得点以上を挙げて勝ち進んできた。そして遂に鳥取県史上初のファイナル進出した。結果は準優勝となったが過去最高の結果をもたらした。今回のチームはスターターで留学生を含めた3人が2年生で出場してきたことに、河上コーチは「下級生が大舞台を経験できたことは大きいことで、鳥取を変えられたのはうれしい」とコメントした。鳥取城北はここからナイジェリア留学生のハロルド・アズカを含めて2年生に期待を寄せる。

 

大会ベストファイブには福岡大大濠から渡邉伶音、湧川裕斗、髙田将吾の3人、鳥取城北から新谷勇晴、ハロルド・アズカの2人が選出された。

 

優勝コメント

片峯聡太コーチ(福大大濠)

J:後半に入って、相手のピックからの展開のところをかなり抑えたプレーでいいオフェンスに展開できた点を教えてください

「やはり前半はアラウンドプレーからレイアップに持っていかれるシーンはあったんですけれども、やはり後半は、そこのアラウンドプレーだったりピックのプレーに対して、渡邉がフラットショーで、本当にこの長い足をね、1歩大きく外に出してくれて、そしてアラウンドだったりピックを使うユーザーに対しては、マークマンがしっかりその隙間ができますので、その隙間をしっかり埋めに行くという、個人とチームの頑張り、この協力も相まって、しっかり対応することができたという風に思います。最初からできれば1番いいんですけれども、ゲームの中でしっかりこちらが指摘したことを選手たちがしっかり認識して、理解して、遂行していけたっていうのは評価できる点じゃないかなという風に思っています」。

「今日の試合で最初は少し受け身になる部分が出てしまいましたけれども.でもそれを引きずらずにしっかりチーム全体でそこを乗り越えて自分たちのバスケットに持っていくことができたという風なことが今日の素晴らしい部分だったと思います。
また大会を通して宿舎での生活も含め本当に落ち着いて、目の前の試合に向けて自分のやるべきことを明確にして、本当にチーム一丸となって目の前の試合に向き合い戦い抜くことができたというのが本当に我々トロージャンズの戦い方ですし、うちのチームの強さだったんじゃないかなという風に思ってます」。

 

渡邉伶音(福大大濠)
J:去年の悔しさからこの1年間アウトサイドとインサイドをやってきてその使い方がしっかり出た試合となったことに自身どう感じていますか

「去年から、その中と外の3ポイントを狙うっていうのを意識して、先生にもお話もらってやってたんですけど、少し中途半端と言いますか、中もすごく脅威でもないし、思い切って打てないっていうのが少し自分の印象があって、この1年間、そこには本当に自分的には磨きをかけてきたって思ってます。やっぱりそういうドライブであったり、中のインサイドプレーが相手は止めたいって思うからこそ、自分の3ポイントがもっと打てると思いますし、逆に3ポイントの精度を上げることによってそれを止めてくるので、中が簡単になる。そういうのは、自分で考えてもっともっとそのプレーの質を上げなきゃいけないなっていうのはこの1年間すごく思ってました。
それで色々な経験を経て、その経験の中で 多くのものを自分の引き出しにして、まだまだですけど、少しは今日の試合でそれがプレーで体現できたんじゃないかなと思います」。

今大会通して
「去年はここで本当に悔しい思いをして、 福岡第一さんに何もさせてもらえずに、自分は去年からチームの中心として、 みんなに攻撃を任せてもらえる立場にあったんですけど、それをなかなかコートで体現できなくて、最後コートに戻ることもできずに悔しい思いをしました。そこから始まった1年間。個人としては本当に色々な経験をさせてもらって、Bリーグ、アンダー日本代表、トップチームのシニア日本代表で、すごい経験という言葉で片付けられないぐらい収穫があって、その得たものをどれだけウィンターカップで優勝するために体現できるかっていうのはすごく考えました。自分は色々なチームでやることによって少し自分のプレーを悩む時期もあったんですけど、帰ってきた時に自分を信じて任せてくれましたし、 そういうところで本当にこの1年間、自分の頑張りもあり、仲間に恵まれての高校3年間だったかなって思います」。

湧川裕斗(福大大濠)
J:兄である湧川颯斗(三遠)選手と比べられたりしてきましたが、どういう思いでプレーしていましたか

「やっぱりずっと颯斗の弟っていう風に言われてきて、そこが1番悔しくて、自分の名前で呼ばれたいっていう思いもあって。そこでやっぱり颯斗を越えるために大濠高校に来たので、最後に颯斗よりいいスコアを残して優勝できたのは本当に嬉しいですし(笑顔)、少しは自分の名前が全国の皆さんに知ってもらえたんじゃないかなと思います」。

J:今大会でお兄さんからのメッセージは

「頑張れしかないですね(笑)」。

優勝した瞬間は
「今年は本当に悔しい思いをしてから始まった年で、 本当にうまくいかないことだったり、キャプテンとしてもなかなかうまくいかず、本当に苦労したんですけど、最後こうやって日本一を取れて、本当にここまで頑張ってきてよかったなっていう思いで、ほんとに嬉しい気持ちでした」。

会見でBリーグやNBAの試合を見ていると話していましたが

「NBAのウォリアーズの試合はほぼずっと見てて、色々な戦術があって、 その戦術の中で相手がどう動いたらどうするっていう、いろんな選択肢がウォリアーズ見てたら増えてきて本当に知識もついてきたので、オフェンスはウォリアーズで、ディフェンスはウルブスのプレーを見てました」。

 

高田将吾(福大大濠)
J:大会通してプレーの幅を広げるためにどんな事を意識したりプレーしていましたか

「ウインターカップを通して、ほんとに自分の調子が上がらずに苦しくて、得点も全然取れなくて、日本航空の試合からずっとなんですけど自分の中で本当に悩んだウィンターカップだったんですけど、そういう得点を取れない時に、そのディフェンスのマインドですね。準々決勝は十返選手、準決勝は瀬川選手、今日の試合は8番の新谷選手とエースへのディフェンスを任されたんですけど、得点を取れない時こそディフェンスからっていうマインドを持ってやっていて、その部分では、少しは相手のエースを止めることができたと思うし、そこからチームに流れを持ってこれたと思うので、その得点の部分だけじゃなくても、そういう部分で貢献できたかなと思います」。

J:高田選手は感情を表に全面に出している感じではなく見えますが、自身ではどうですか

「自分のことはそんなわかんないですけど、みんなからしたらそんなに感情を出すようなタイプじゃないって言われているんですけど、自分の中では感情を出しているんです(笑顔)」。

プレー面では
「もっともっと得点取れるバリエーションを増やしていかないとスコアラーにはなれないと思うので、スコアラーになるためにプレーの質やピックの使い方のバリエーションを増やしていきたいと思ってます」。

今後について
「バスケをしていれば、その目指すところはやっぱりA代表です。でも今の実力じゃ本当に絶対無理だと思うので、もっともっと大学4年間で成長して、自分もそういう レベルの選手になっていけたらいいなと思ってます」。

 

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