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【It Roster031】須藤タイレル拓(FE名古屋)アメリカから今シーズン日本で挑戦/古巣・横浜BCとの戦いを通して Jbasketインタビュー🎙️

【It Roster031】須藤タイレル拓(FE名古屋)アメリカから今シーズン日本で挑戦/古巣・横浜BCとの戦いを通して Jbasketインタビュー🎙️

須藤タイレル拓が、新たな道を歩き始めた。ビーコルU15で培った基礎、アメリカでの経験、そしてプロの舞台へ。すべてが彼の中で一本の線となり、今、FE名古屋のユニフォームに袖を通して日本でのプレーが始まった。
2025-26シーズン開幕戦は千葉ジェッツ、第2節は横浜BC戦との対戦でスターターで出場。横浜BC戦は今シーズン初勝利、そしてダブルオーバータイムを制して2連勝を飾った。須藤タイレル拓はGAME1で16得点(3P4/8)、GAME2では11得点と、2試合とも勝利に大きく貢献。横浜BCエース・安藤へのディフェンスのインテンシティも高く、守備面でもチームに貢献した。ここからの活躍に大いに期待がかかる。

その須藤タイレル拓は、スラムダンク奨学金を経て米国のバスケット文化に触れ、身体能力や技術以上に“考える力”を磨いた。
帰国後は国内でのキャリアを選び、今季B1の舞台へとたどり着く。ビーコルU15時代のコーチ陣や仲間たちが見守る中で迎えるこの対戦は、単なるゲームではない。“原点回帰”と“成長証明”が交錯する瞬間だ。

コート上での須藤は、冷静さと情熱を併せ持つ。視野の広さと駆け引きの巧さで試合を支配し、チームのリズムを作る。時に大胆に、時に静かに。彼の一挙手一投足には、アメリカ仕込みの強さと日本的な繊細さが同居する。華やかさよりも泥臭く、仲間を生かし、勝利へ導く。その姿勢こそ、今の彼を象徴する。

再会する古巣・横浜BCのファンの前で、どんなプレーを見せるのか。少年だったあの日の須藤拓は、もういない。そこに立つのは、覚悟を決めた“挑戦者”だ。新章の幕は、ここから始まる。

須藤タイレル拓 キャリア
2004年生まれ、神奈川県出身。横浜ビー・コルセアーズU15で育ち、スラムダンク奨学金を得て渡米。アメリカの高校でプレーし、フィジカルと戦術理解を磨く。2025-26シーズンよりFE名古屋に加入。冷静な判断力とスピードを武器に、次世代の司令塔として注目を集める。
横浜清風高等学校
セント・トーマス・モア校(アメリカ)
ノーザンイリノイ大学(NCAAディビジョン1)
ガードナー=ウェッブ大学(NCAAディビジョン1)
2025年– FE名古屋(B1)

Jbasketインタビュー🎙️

J:横浜で試合、地元ですもんね。どんな気持ちでしたか。

須藤:
「そうなんですよ、地元なんですよね!
少し複雑ですけどね(笑顔)。正直、地元のチームを相手チームとして今回対戦なので。やっぱり自分はユースの時に最前列とかでビーコルをずっと応援してたので、そんな中で今度は相手チームとして、ビーコルファンの皆様の前で自分が試合をするのがすごい不思議な気分でしたけど、でもすごい感動しましたね。
自分の中で、ここまで来たんだなって。」

J:そんな中でアメリカから帰ってきて成長できたところはどこだと感じますか。

須藤:
「今まではシュートがなかったので、その中でコーチ陣、スキルコーチと毎日ワークアウトして、その練習の成果が今日結果として出せてすごい良かったですし、その中で無理せずにナチュラルな状態で、自然な形で自分のシュートまで行けなければボールを他に回して、そういうチームの自然の流れの中で自分がああやって活躍できたのがすごい嬉しかったです。」

J:コーチに伺ったら、オフェンスの力はあるからディフェンスをもっと理解すればすごく良くなるしいい選手になると聞きました。

須藤:
「自分からすると不思議ですね。あんまりディフェンシブプレイヤーとして思われてないのですが、自分は嬉しいです。そこの面で成長できたんだなっていうのが自分で実感できてます。
コーチ陣も信頼して、自分をビーコルの安藤さんにつかせたりとか、先週であれば富樫さんや渡邊雄太さんにつかせたりとか、そういうエースを相手に自分が1年目からできるっていうのがすごい光栄で、嬉しく思ってます。
チームとしても自分に頼ってくれてるので、その中で自分はちゃんとここを止めて、その中でオフェンスはもう流れに任せるっていう中でバスケができています。そうやってコーチに言われてすごい嬉しいです。」

J:腕のスパンも身長より20センチ長いって本当ですか。それはこれから活かせますね。

須藤:
「身長は184センチなんですけど、腕のスパンは210センチなんです。
でもまだこの長さの使い方は下手かなって思っていて、腕が長い分、相手も引っ掛けやすいので、その駆け引きっていうのが、まだディフェンシブプレイヤーじゃなかったので、そこをこれからも勉強しなきゃいけないところかなって思いますけど、でもコーチ陣にも“手を広げてスティールとか行けるんだったら思い切って行けよ”って言われるんで、自分で見つけられるタイミングがあったら活かしていこうかなって思ってます。」

J:熱いプレーをする須藤選手ですけど、3ポイントを含めて冷静にやっているように感じますが、自身はどう感じていますか。

須藤:
「そうなんですよね。自分の中でも思い返してみると結構落ち着いていて、緊張感はあったんですけど、落ち着いて自分のやるべきことに集中できていたかなって思います。
ディフェンスは安藤さんを止めて、オフェンスはもう流れに任せるっていうのをちゃんと頭でも体でも理解してちゃんと遂行できたので、思い返してみるとすごい冷静にできててよかったなって思います。
明日もこの調子でできるといいなって思ってます。」

J:保岡選手と併せて厚いウイング陣になっていきますね。

須藤:
「本当に、そうなれるといいですね。」

J:最後にバスケットファン、須藤ファンにメッセージを。

須藤:
「やっぱ自分は勢いとキャラクターが売りだと思うんで(笑顔)。
うん。みんなも僕だけに限らず、チームメイトもチーム全体として応援していただけるとありがたいかなって。
その中で自分は応援してくださってる皆さんのために全力を尽くして、すべてをあのコートに置いていくので、これからも応援よろしくお願いします。ありがとうございます。」

 

アメリカでの挑戦を経て、再び日本のコートに立った須藤タイレル拓。冷静さと情熱を併せ持ち、仲間を生かし、チームを動かす姿は、これからのBリーグを象徴する新しい司令塔のかたちだ。横浜という原点に立ち、FE名古屋という新たな舞台で、彼は自らのスタイルを築き始めている。勝利の先にあるもの、感情、つながり、成長。そのすべてが、Jbasketが伝え続ける“Beyond Game”の精神だ。試合を超えて、心を動かす。須藤タイレル拓の物語は、ここから続いていく。

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Jbasketライター

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