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【天皇杯|DAY3】宇都宮セミファイナル進出に大きく貢献する小川敦也に聞く/なぜ成長し続けていくのか、比江島慎との会話、ブレックスでのプレー

【天皇杯|DAY3】宇都宮セミファイナル進出に大きく貢献する小川敦也に聞く/なぜ成長し続けていくのか、比江島慎との会話、ブレックスでのプレー

1月8日(THU)|クォーターファイナル
代々木第一体育館 実力と人気を誇る、リーグ屈指のビッグカードは、宇都宮が最大19点差を跳ね返し71-66で千葉Jに逆転勝利した。

宇都宮
71 10 1st 25 66
千葉J
19 2nd 15
20 3rd 12
22 4th 14

スタッツ

試合は千葉Jが主導権を握り、宇都宮は1Qに3ポイントが決まらず最大19点差のビハインドを背負い苦しい立ち上がりとなった。それでも2Q、アイザック・フォトゥや比江島慎の得点で流れをつなぎ、29-40で後半へ。
後半はディフェンス強度を一気に引き上げ、3QにD.J.ニュービルが3本の3ポイントを含む12得点。相手を12得点に抑え、49-52と射程圏に入れる。4Qは遠藤祐亮の3ポイントで逆転すると、小川敦也が要所で連続得点。約7分間無失点の猛攻で突き放した。
ニュービルはゲームハイの22得点、ギャビン・エドワーズは12リバウンドとインサイドを制した。大舞台でも臆さない小川の強心臓と、全員で積み上げた守備が逆転劇を起こした。準決勝は10日、同会場でシーホース三河と対戦する。

⁡宇都宮の勝利に大きく貢献した小川敦也。その小川に試合後に聞くことができた。

ディフェンスに立ち返った先にあった逆転劇
ブレックス・メンタリティが導いた一勝

追い上げられ、流れが千葉に傾きかけた時間帯。その中で宇都宮ブレックスが選んだのは、原点に立ち返ることだった。「まずはディフェンスに立ち返って、『ディフェンスが激しく』というところを意識した」

苦しい展開の中でも、やるべきことを明確にし、徹底する。その積み重ねが、最終的に試合をひっくり返す力となった。この日は3ポイントに苦しむ時間も長かったが、最後の最後までシュートを打ち切る姿勢を失わなかった。そこに小川は
「チームのみんなやスタッフが『とにかく打て』と後押ししてくれた」と語るように、個人ではなくチームとしての信頼が、重要な一本を呼び込んだ。

点差を詰められる厳しい状況でも、ベンチを含めた全員が声を掛け合い、誰一人として下を向かなかった。「ブレックス・メンタリティ」「泥臭くやり切れば、最後に勝てる」と、その言葉を体現するように、ディフェンスから走り、ボールを回し続けた。

一方で、序盤に最大19点差を許した要因については、天皇杯特有のオン・ザ・コート・ルールによる守備の曖昧さを挙げる。(外国籍選手の出場枠制限:オン・ザ・コート1)
しかしハーフタイムで修正を施し、後半はディフェンスの圧力を一段階引き上げることで流れを引き戻した。特に後半は、リバウンドからの速い展開を徹底。トランジションとファストブレイクで相手にプレッシャーを与え、ファウルを誘いながら試合のテンポを掌握していった。コートに立っていないベテラン陣が、逆転の瞬間に誰よりも喜ぶ姿も印象的だった。
誰かが決めたら、自分のことのように喜んでくれる」
その一体感こそが、ブレックスの強さを象徴している。

小川はこう語る、
「自分たちのやるべきことをやれば、こういう点差もひっくり返せる。もう一回、ブレックス・メンタリティに立ち返ってやっていきたい」逆境の中で示した姿勢と結束力。この一勝は、次へ進むための確かな経験となった。

J: 大事な場面でのドライブは、小川選手の得意なプレーだと思うのですが、あそこで出せるというのは

小川
「あのドライブをする前に3ポイントを決めていて、自分がシュートフェイクした時に、結構ハードめにクローズアウトが来たので、そこでギャップをアタックできたっていうのが要因かなと思います。
大舞台でブレックスの代表としてプレーさせてもらっていることもすごく光栄ですし、自分は 大舞台をすごく楽しんでプレーするタイプなので、引き続き頑張っていきたいなと思います。」

J: コートで点差が離れている中でも落ち着いて、かなりフロアが見えているように感じたのですが、あの落ち着きについては。

小川
「本当に毎日毎日、たくさんアドバイスをもらいながらやっています。
勇太さん(田臥)だったり、ナベさん(渡邉裕規)だったり、マコさん(比江島)だったり、皆さんが僕にアドバイスをくれていて。
今日だったら、『どこにアドバンテージがあるか』『何をしないといけないか』ということを自分の中でも明確にしながらプレーしていました。ベンチに下がった時も、自分が思っていた通りのことを先輩たちも言ってくれて、『今これをやらないといけない』というところがより明確になった。それが、落ち着いてプレーしているように見えたのかなと思います。」

J: 比江島選手に対して、審判の判定に納得がいかないシーンで声をかけていましたが

小川
「マコさんは、審判さんに納得がいかない時、その後にファウルを重ねちゃう傾向があると僕は思っているんで(笑顔)。
マコさんがファウルでいなくなるより、2点取られても自分はいいと思うくらい、マコさんにはコートにいてほしい存在なので。
そこは『もうちょっと落ち着いてください。大丈夫です』みたいなことを言った気がします。たぶん、わかってくれていると思います(笑顔)。」

J: いろんな選手にマッチアップすることで、プレー幅が広がっていますか

小川
「本当に僕は、チームで練習する時から、D.J(ニュービル)だったり、マコさんだったり、誠司さんやスピードの速い石川選手だったりと、本当にいろんな選手にマッチアップさせてもらっているので、そこの幅は確実に広がっているかなと思います。」

大舞台で示したのは、派手さではなく「判断」と「遂行」。追い込まれた展開の中でも、自分の役割を見失わず、ディフェンスから流れを引き寄せる。小川敦也のプレーは、宇都宮ブレックスがなぜ簡単に崩れないのか、その理由を体現していた。
個の力ではなく、積み重ねてきた基準と信頼。声を掛け合い、我慢し、最後までやり切る、その姿勢が、セミファイナルへの道を切り拓いた。
次なる舞台でも問われるのは、同じ「ブレックス・メンタリティ」。逆境を越えてきたこの一勝は、チームにとって、そして小川にとっても、確かな自信となって刻まれた。


 

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