
1月7日、国立代々木競技場 第二体育館で第101回天皇杯 全日本バスケットボール選手権大会 ファイナルラウンド2回戦が行われ、千葉ジェッツが 93-70 でJR東日本秋田PECKERSに勝利した。
試合は前半、PECKERSが粘り強く食らいつく展開となったが、千葉Jは要所で得点を重ねて主導権を掌握。第3クォーターに守備から流れを掴むと、後半は地力の差を示してリードを広げた。
ディー・ジェイ・ホグ、渡邊雄太らが躍動した千葉Jは、試合を通して安定した戦いぶりを披露。この勝利により、8日17時TIPOFFの準々決勝で宇都宮ブレックスとの対戦が決定した。
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JR東日本秋田
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70 | 20 | 1st | 28 | 93 |
千葉ジェッツ
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| 19 | 2nd | 25 | ||||
| 10 | 3rd | 22 | ||||
| 21 | 4th | 18 |
試合後にリーダーの富樫勇樹にこの試合、
今大会に向けての想いを聞けた。

「優勝するために、この大会を戦っている」
J:天皇杯勝利おめでとうございます、代々木第二での戦いはどうでしたか。
富樫勇樹
「あまりないんですけど、そうですね、4、5回目くらいは一応はあるので。代々木第二というよりは、このフォーマットとか、この1週間くらいでバッと昔のスタイルに戻った天皇杯となって、ルールも変わった中でしたが、まあ、どちらかというと天皇杯といえばこのスタイルと思って今までずっとやってきてはいるので、戻ったことは嬉しいわけではないですけど、こういうチェンジはいいことではあると思います。
また新たな、こうやって昔のスタイルに戻る楽しさはあるなとお正月のイベントという感じです。」
天皇杯は、プロとアマチュアが同じ舞台で相まみえる、国内バスケットボールにおいて特別な大会だ。その特異性について問われると、率直な本音を口にした。
「正直、好きかどうかで言ったら好きではないです。こちらにとって“得”は一つもない」
過去には高校生と対戦した経験もあり、リスクの大きさは十分に理解している。それでも、この大会が持つ意味は否定しない。
「ここでしかできない公式戦ですし、学生や社会人、クラブチームの選手たちが、この舞台を目標に1年を過ごしている。そういう機会があること自体は、すごく素晴らしいことだと思います」
正月といえば天皇杯。その原風景が戻ってきた今のフォーマットにも、特別な思いを重ねている。

ハーフタイムに突きつけた「基準」
試合内容については、より踏み込んだ言葉が並んだ。アマチュア側が全力で挑んでくる難しさは理解しつつも、コート上で起きていたのは“受け身”のバスケットだったという。
「正直、今日はハーフタイムにブチ切れました」
理由は明確だった。「JR秋田に勝つためにこの大会をやっているわけじゃない。優勝するためにやっている」
他チームが外国籍選手を休ませるケースもある中で、千葉ジェッツは一貫して天皇杯を重視してきたクラブだという自負がある。
「天皇杯を大事にしてきたチーム。タイトルに対する思いは、他より強いと思っています」
だからこそ、前半のプレーは許容できなかった。
「難しさは分かる。でも、明らかに許容範囲を下回るプレーをしている選手がいた。そこは本気で指摘しました」
敬意を忘れない視線
一方で、JR東日本秋田の選手たちに対する評価は高い。「B1で確実にやれる選手は何人もいたと思います」
働きながら競技レベルを維持し、全力で挑む姿勢を「本当にすごい」と称えた。自身がかつて秋田でプレーしていたこと、中学時代から対戦してきた同級生が相手ベンチにいたこともあり、天皇杯ならではの再会を楽しめたと振り返る。
「天皇杯でしか対戦しない相手として、すごく楽しかったし、いい選手が多いなというのが正直な感想です」
#17 大川颯斗 17得点・#11 内藤凌太 12得点
ルール変更を「準備」に変える
オン・ザ・コート制限についても、前向きに捉えている。
「前の節で、ジョン・ムーニーがいない時間帯や、限られた外国籍起用の時間があった。天皇杯に向けて、すごくいい予行演習になりました」
一発勝負のトーナメントでは、インサイドの攻防だけでなく、外のシュート次第で流れが一変する。その不確実性も含め、天皇杯を「楽しみにしている」と語った。
千葉ジェッツにとっての天皇杯
天皇杯は、クラブの歴史を語る上で欠かせない存在だという。
「Bリーグ1年目の天皇杯優勝が、千葉ジェッツをここまでのクラブに押し上げたと思っています」
当時は、アルバルク東京や川崎ブレイブサンダースを格上として見ていた中で、同じ土俵に立てることを示した大会だった。
「この10年で半分くらい天皇杯を取っているので、自信もあります。明日はもう“オールイン”で戦うしかない」
宇都宮ブレックス戦へ
準々決勝で待つのは、現行ルール下で“最強”と評される宇都宮ブレックス。
「ミスをする・しない、シュートを決める・決めない、そういう話じゃない。このルールで最強の相手と戦う準備を、今日からしている」
カップ戦は、レギュラーシーズンのような“中だるみ”が許されない。
「ダラダラやって20点、30点勝って次へ、という大会じゃない。1試合目から最低限のスイッチを入れてこないといけない」
「勝つこと」が重要だが、どう勝つか、どんな姿勢で向き合うか。その基準を、富樫勇樹は明確に示した。
天皇杯は、一発勝負の舞台。緩みも許されない。
千葉ジェッツは、その現実と正面から向き合い、次の一戦へ進む。



