
長崎ヴェルカが今季、開幕から圧倒的な存在感を放っている。開幕7試合で6勝1敗、西地区首位。その中心に立ち、攻守でチームを牽引しているのが馬場雄大だ。
モーディ・マオールHCが掲げる“理想のバスケット”を体現しながら、チームをさらに前進させている。
今季ここまでの馬場は、平均12.7得点・3.6リバウンド・3.3アシスト・2.1スティール。FG成功率52.4%、3P成功44.8%、フリースロー成功率90.9%と高効率を誇り、攻守両面でチームのバランスを支える存在として輝きを放っている。
長崎は、スタンリー・ジョンソン、イ・ヒョンジュンの打開力、ジャレル・ブラントリー、アキル・ミッチェル、山口颯斗らのタフで献身的なプレーが見事に融合。スピードと強度を兼ね備えた理想的なチームバスケットを展開している。その中で、馬場雄大が存在することでテンポと強度はさらに研ぎ澄まされる。マオールHCを中心に「全員でバスケットをする」という哲学が全員に浸透し、それが長崎ヴェルカの最大の強さとなっている。
10月19日、青山学院記念館でのGAME2。サンロッカーズ渋谷を相手に長崎は92-69で快勝した。
馬場は10得点・7スティール・5アシスト・5リバウンド。相手のエースをわずか6得点に抑え、守備から試合の主導権を奪った。
試合後、マオールHCは賛辞を惜しまなかった。
「彼の守備がゲームを変えた。
スティールから速攻を生み、チームを前に動かした。オフェンスでもディフェンスでも彼が必ず関わっている。相手のエースを6得点に抑えたうえで7スティール。どんな状況でも影響を与える存在だ。本当に素晴らしい試合だった。」

「理想のラインナップは、まだ完成していない」
J:今シーズンは怪我人もいる中、ビッグラインナップとスモールラインナップを使い分けていますが、かなり完成度が高い印象です。
マオールHC:今のヴェルカには3つのラインナップがあります。1つ目はアキルとブラントリーの“スタンダード”。2つ目はブラントリーとジョンソン。そして3つ目が、川真田が戻れば実現できる“ビッグラインナップ”。
昨季は理想の形が作れず、オフェンスでクリエイトの方法が限られていた。今季は複数のオプションを組み合わせながら、進化を続けています。まだビッグラインナップは完成していませんが、選手たちは本当に毎日努力しており、成長が楽しみです。

「昨シーズン、モーディがHCに就任した時点では、選手構成がもう決まっていて、彼の理想に合うチームではなかったんです。
今年は初めて、モーディが自ら選手を選んで編成できたシーズン。チームの浸透力も完成度もどんどん上がっていると感じます。
スタンリーもヒョンジュンも代表クラスの選手で、本当にやりやすい環境。僕自身、やるべきことがクリアになってきました。昨季は多くの役割を与えられながら、100%出せていない瞬間もありましたが、いまは“任せる部分は任せる”。そして、自分の役割に集中できている。チームにも自分にも、良いエネルギーを与えられている感覚があります。」
このビッグラインナップでは、馬場が最も小さいポジションを担うこともある。それでも、守備の起点としてチームのバランスを保ち、走り、繋ぎ、声で引き上げる。その姿勢こそが、長崎のプレーを豊かにしている。
「まだモーディの理想のバスケを100%体現できているわけではないです。でも個々のポテンシャルはもっと表現できるはず。僕たちのスタイルは“ポジションレス”。これまでのBリーグにはなかった新しい形だと思います。だからこそ、このバスケットで結果を残せば、日本のリーグに“新しい風”を吹かせられると思う。自分たちのバスケにもっと自信を持って進みたいです。」
“新しい風” その言葉には、長崎の挑戦のすべてが凝縮されている。個の力を超え、チーム全体で創り出す次世代のバスケット。マオールHCの哲学を受け取り、コートで体現するリーダーの言葉だ。
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日本代表での経験から今に至るマインドセット、
そして韓国代表エースでもあるチームメイト、イ・ヒョンジュンとの関係まで。

マオールHCは語る。
「このメンバーでも、まだ15〜16ポゼッションはボールが止まる時間帯がある。そこを改善していきたい。それをチーム全体で共有している。」
勝ちながら学び、成長していくチーム。その中心には、静かに燃えるリーダー・馬場雄大がいる。“未完成”であることを恐れず、それを誇りに変えて挑み続けるチーム。それが、今の長崎ヴェルカだ。
「今このチームでは、目の前にあることにいかに集中・フォーカスできるかが大事。」
この言葉の通り、長崎の強さは“今”を生きる姿勢にある。未来を見据えながら、目の前のプレーに全力を注ぐ。それが、馬場雄大が体現する“勝利の文化”である。
🟢馬場雄大から伝わるワクワク感
理想を追い、仲間を信じ、進化を止めないチーム。マオールHCの哲学と、馬場雄大の魂が交差する場所に、長崎ヴェルカの未来がある。このバスケットは、もはや戦術ではなく“文化”。新しい風は、長崎から確かに吹き始めている。
