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【Bリーグ】安齋竜三HC(越谷)3カ月の処分を経て。初のホームで語った「信頼回復」と「再出発」/試合は接戦の末、琉球が勝利。Jbasketインタビュー🎙️

【Bリーグ】安齋竜三HC(越谷)3カ月の処分を経て。初のホームで語った「信頼回復」と「再出発」/試合は接戦の末、琉球が勝利。Jbasketインタビュー🎙️

第7節 11/1(SAT) GAME1
越谷市立総合体育館 4252人
越谷アルファーズ 65-68 琉球ゴールデンキングス
1Q 20-11
2Q 18-22
3Q 18-24
4Q 9-11

<琉球>
#4ヴィック・ロー 12得点6リバウンド
#7 アンドリュー・ランダル 11得点
#10 荒川颯 9得点
#45 ジャック・クーリー 9得点8リバウンド
#14 岸本隆一 7得点3スティール
#53 アレックス・カーク 7得点7リバウンド4アシスト

<越谷>
#45 セクー・ドゥムブヤ 28得点9リバウンド
#5アンソニー・クレモンズ 12得点5アシスト
#1 ジャレル・マーティン 10得点
#6 小寺ハミルトンゲイリー 16リバウンド4得点
#12 池田祐一 4アシスト 2得点

<前半>
第1クォーター、越谷はセクを起点にオフェンスを組み立て、リバウンドからセカンドチャンスを確実に得点へつなげて主導権を握る。
対する琉球は佐土原や崎浜が果敢にドライブを仕掛けてファウルを誘い、徐々にリズムをつかみ応戦した。
第2クォーターに入ると、琉球は荒川と平良を投入し、ディフェンスの強度を高めてアップテンポな展開に持ち込む。勢いそのままに3点差まで詰め寄ったところで、越谷はたまらずタイムアウトを要求。その後も一進一退の攻防が続く中、越谷がわずかにリードを保ったまま前半を折り返した。

<後半>
後半に入ると、琉球は岸本が流れを引き寄せ、新加入のアンドリューが要所で3ポイントを沈めて逆転に成功。追う展開となった越谷は、ジャレルが果敢にアタックを仕掛けて得点を重ね、会場のボルテージは最高潮に達した。第4クォーターに入っても一進一退の攻防が続き、両チームとも激しいディフェンスで譲らない展開。
残り3分、越谷のクレモンズが3ポイントを沈めて逆転に成功するが、すかさず琉球のローがやり返す。タイムアウト明け、琉球のタイトなディフェンスの中でクレモンズが放ったシュートはリングに嫌われ、わずかに届かず。
最後は琉球が逆転勝利を収め、熱戦に終止符が打たれた。

 

 

越谷アルファーズ 安齋竜三HC
3カ月の処分を経て。初のホームで語った「信頼回復」と「再出発」

11月1日、越谷アルファーズのホームゲーム前。
活動停止処分を終えた安齋竜三ヘッドコーチが、コート中央で観客に向けて直接挨拶を行った。
「昨シーズンの僕の言動・行為で多くの方々にご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ございませんでした。」

この日は、安齋HCが今シーズン初のホームでの試合となってコートに立った。処分明け後初のホームゲームとなった安齋HCがファンの前に立ち、直接言葉を届けた。

観客席からは「おかえり」「待ってたよ」「頑張れ!」といった声が途切れず、会場全体が温かな空気に包まれた。

7月23日から10月22日までの約3カ月間の活動停止処分。理由は、選手への暴言や威圧的な指導などのハラスメント行為。
B.LEAGUEとクラブの調査により事実が認定され、リーグから「けん責および関連活動の全面停止」が科された。

処分後、クラブは再発防止と信頼回復に向けて組織体制を見直した。

クラブ代表の上原和人氏は「信頼を取り戻すには時間がかかる。だからこそ行動で示す」と語った。
安齋HCはスピーチの中で、被害を受けた選手たちへの思いも口にした。
「昨シーズン、被害にあった選手たちには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
それでも彼らが今もバスケットボールを続けてくれていることが、本当にありがたいと感じています。」

そして最後に、指導者としての再出発を誓った。
「復帰して改めて感じたのは、バスケットボールが本当に面白くて楽しいスポーツだということでした。
皆さんに“応援してよかった”と思ってもらえるチームを作れるよう、全力を注いでいきたい。」

謝罪は“終わり”ではなく、“始まり”だ。
これからどれだけ誠実に行動を積み重ね、信頼を形にできるか。
越谷アルファーズと安齋竜三HCの挑戦は、ここから本当の意味で始まる。

 

■試合後Jbasketインタビュー

安齋竜三HC(越谷)
総括
「選手たちは短い準備期間の中で、琉球に対してのバスケットを出だしからしっかり展開してくれました。
ホームだったので勝たせてあげたかったという思いが一番ですが、やはり細かい部分や、琉球の強さというのは、40分間徹底してやれるかどうかというところだと思います。
そこをうちの選手たちにも伝えましたが、やはり一人ひとりの特徴を生かし、準備してきたものに責任を持って追い求めていかないと、こういうチームに勝ち切るところまではいかない。
ただ、琉球とこうして戦えるチームになっているというのはポジティブなことですし、ここから良くなっていくためには、全員のもう一段の頑張りが必要だと思います。明日もう一度試合がありますし、しっかり気持ちを持って臨もうという話をしました。」

J: 最初の挨拶で、ファンの皆さんから「おかえりなさい!」という声が多く聞かれました。その点についてはどう感じましたか?

安齋HC:
「.いろんな意見があると思いますし、僕がしたことは決して許されるものではないと思っています。
ただ、再びヘッドコーチを任せてもらったということは、責任をどう取るかが明確に問われているということ。僕は、それをやり続けることで示していくしかないと思っています。」

J:3Qから喜多川選手と密に話され、4Qも継続して起用されていました。信頼してコートに置いたという感覚でしょうか?

安齋HC:
「そうですね。修平本人も感じていると思いますが、前半はなかなかゲームに入れていないように見えました。
琉球はプレッシャーをどんどん強めてくるチームで、うちの得点が偏ると守りやすくなってしまう。松山がケガで離脱している中で、誰が点を取るかが課題です。
そこは一人ひとりの意識が非常に重要。空いたらシュートを打つ、アタックする、もらいに行くという意識を持たないと、ディフェンスを崩せません。
信頼はもちろんありますし、最後のディフェンスの部分でも彼がやってくれました。一本でもシュートが入っていれば、彼自身のリズムもまた違ったと思います。」

J:池田選手について、安齋HCと似た熱い気持ちを持つプレーヤーだと感じます。彼への評価を教えてください。

安齋HC:
「だいぶB1にも慣れてきて、自分がどういうプレーをすれば良さを出せるかを理解してきています。
今日も本当に良いディフェンスをしていました。池田がやらないとサップに負担がかかってしまう部分もあるので、彼がやってくれたことがこのゲームにつながったと思います。」

 

■桶谷大HC(琉球)
総括
「出だしにアンダー・アンダーで、隆一以外のところをずっとアンダーで守られて、なかなかセパレーションを作れなかった。EASL台湾のパイレーツと戦った時のように、「どうするの?」という感じになってしまって。それで結局みんなにフラストレーションが溜まって、なかなか踏み切りの良いシュートが打てず、オフェンスが機能しなくなって、ディフェンスもずるずるといってしまったのが1Qの入りでした。
そこから前半はしんどい戦いになりましたが、後半はアンドリューが突破口を作ってくれて、インサイドのボールピックのところが効いてきた。そこで一つ解決策が見えてきたかなというところで、周りもリズムよく、颯(岸本)もいい感じでプレーしてくれたと思います。
最後はどちらもなかなかシュートが入らず、お互いにとって苦しいゲームになりましたが、その中で本当に最後のワンストップの場面でジャックがディフェンスしてくれた。ジャックだけでなく、出ていたメンバー全員が気持ちのこもったディフェンスをしてくれたので良かったと思います。」

J:アルマ選手が抜けて、アンドリュー選手を起用して試している部分が多いと思います。日本人選手では、荒川選手、佐土原選手、小野寺選手、崎濱選手などに期待や役割が集まっていると思います。その点を教えてください。

桶谷HC:
「ここ最近、荒川、佐土原、そして今日は崎濱も非常に良かったと思います。そこにアンドリューが入って、より良いボールムーブメントがありながら、みんなのアグレッシブなプレーが見られたのは非常に良かったです。
ただ、本当にチームに来たばかりで、アンドリューをどれくらい出すか、10分くらい出てくれたらありがたいなと思っていたら、結局24分くらい出ていました。それでも彼は本当に頭のいい選手で、どういうコンセプトでバスケットをしているかを理解してやってくれていました。
プレーセットをすべて覚えている状態ではありませんが、ゲームの中でしっかりアジャストしながら、周りに気を配ってプレーしてくれたと思います。
アルマが抜けたことは大きいですが、アルマにも良い人生を送ってほしいと思っています。これからアンドリューが加わったキングスで、もう一度しっかりと良いチームを作っていきたいと思います。」

 

■池田祐一(越谷)
総括
「序盤にリードを奪えましたが後半は失点から琉球さんにリズムを持っていかれてしまいました。最後クロスゲームになって打つべきシュートは打てたものの積極的に40分間続ける事が大事だと思う試合になりました。」

J:安齋HCのバスケをどうくみ取って自分の役割を遂行されていますか

池田:
「移籍してきては、自分とタイプの違うガードの選手がいます。HCからは要所で指示を受けて対応しています。チームが勝つために何をすべきかをやっている段階になります。その他で言うとB2ではボールを持つ時間が多かったんですけど、今はディフェンスで貢献するところですね。」

 

■喜多川修平(越谷)
総括
「強豪の琉球さんにいいところまで戦えましたが勝ち切るためにはそれぞれが攻守にわたって40分間でもっと徹底できるところがあったなと思います。」

J:3Q中盤で流れが変わる局面がありました。安齋HCと話されている時間を見受けられました

喜多川:
「僕の役割はディフェンスをしっかり遂行し、オフェンス面では自分の所で上手く絡められなかったのでそこはHCから前半に指摘がありましたので修正する点ですかね。
あとは空いたら積極的に打とうと思っていました。決め切れなかった所が課題ではあります。明日は更にタフな試合となると思いますので40分走り切っていきたいと思っています。」

 

GAME2は翌日同じく越谷市立総合体育館で開催。安齋HCは「今日の課題をしっかり整理し、全員でもう一段ギアを上げたい」と語り、
選手たちも「40分間の徹底」を合言葉に再挑戦を誓う。
強豪・琉球に真っ向から挑んだGAME1経て、越谷アルファーズがどんな修正を施し、どんなバスケットを見せるのか、その先に本当の意味での“再出発”が待っている。

文:小玉慶二郎
写真:竹内遥

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