日本代表

【男子日本代表】渡邊雄太が新キャプテンに就任「まずこの2試合は絶対に勝たなきゃいけない。そういう緊張感を持ってやれている。」

【男子日本代表】渡邊雄太が新キャプテンに就任「まずこの2試合は絶対に勝たなきゃいけない。そういう緊張感を持ってやれている。」

11月19日、男子日本代表がワールドカップ2027に向けたアジア地区予選 Window1 に向けて合宿に入り、この日はメディアデーが実施された。

台湾戦へ向けての日本代表チームキャプテンは、渡邊雄太(千葉J)が務めることが発表された。トム・ホーバスHCは「ユウタは誰にでもストレートに言う。そういうパッション、スタイルがこのチームには必要だと思った」と、語った。

渡邊は長年、日本代表としてプレーしながらNBAに挑戦し、ワールドカップ上海、東京オリンピック、ワールドカップ沖縄、パリオリンピックなど、常に日本の中心となって活躍してきた。
昨シーズンからは日本に帰国し、Bリーグの千葉ジェッツでプレーしている。今年の夏のアジアカップでは、コンディション調整のため日本代表でのプレーは見送ったが、今月末から始まるワールドカップ2027アジア地区予選 Window1 で再び代表に戻ってくる。今回は、その決意と想いを語ってくれた。

キャプテンとして
「もちろん責任を持ってやらなきゃいけないと思っていますけど、個人的になんて言うんですかね、キャプテンは誰でもいいと正直思ってますし、気づいた人がその時に声を出す。キャプテンが目立っているチームは2流だと言われて育ってきたので、そういうチームにならないように。僕だけが声を出すんじゃなくて、誰が見ても“キャプテンが誰か分からない”というくらいのチームじゃないといけないなと思っています。チームは本当にすごくいい雰囲気でいると思いますし、まずこの2試合は絶対に勝たなきゃいけない。そういう緊張感を持ってやれていると思います。」

 台湾戦について
相手を侮らず、冷静に評価する視線。その表情には、これまで世界で戦ってきた選手ならではの落ち着きがあった。

「台湾はもともとずっと強かったんですけど、ここ最近は世代交代もしてまた力をつけてきている印象があります。自分たちもしっかり準備をしないと、簡単に勝てる相手ではありません。自分たちがやれることを全力でやるだけだと思います。台湾は基本的にガードの2人がメインで点を取ってくるので、そこを自由にさせないことが日本代表としては大事になってくると思います。」

シーズン途中での代表参加について
淡々と語りながらも、その奥には重い責任感が宿っていた。海外でキャリアを積んできた時間、日本の選手たちは代表で戦い続けてきた。その事実を、渡邊は理解している。

「今まで僕がアメリカにいる間、日本にいる選手たちがしんどい思いをしながら代表のために戦ってくれていて、僕はワールドカップやオリンピックといった“おいしいところ”だけ出させてもらっていたと思っています。今回はしっかり日本代表として活躍して、まずワールドカップの切符をしっかり取れるように頑張りたいと思います。」

Window1 の戦い 

絶対に負けられない

その言葉を口にした渡邊の声は揺るぎく力強い。

「本当に、絶対に負けられない。次の試合もそうですが、最初を落とすとかなり苦しくなるので、まずこの1勝というのはすごく大事。もちろん相手も同じ気持ちだと思いますけど、自分たちも強い気持ちを持って2連勝したいと思います。」

3ポイントの不調について
練習中のシュートを見るかぎり、感覚は着実に戻りつつある。肘の状態が整えば、チームにとって大きな武器になるはずだ。

「原因は分かっていて、明確な理由があります。ちょっとスリーが外れていたんですけど、肘が少し痛かっただけで、そこが良くなればスリーは入ると思います。治ればしっかり入ってくると思っているので、しっかり治して、かなり良くなっています。」

アジアカップを欠場し、日本をどう見ていたか語りの奥には悔しさと責任が重く積み重なっていた。

「アジアカップは本当に申し訳ないことをしたというか、みんなが頑張っている中で自分は少し休ませてもらったので、その分今回は自分が中心となってやらないといけないと思っています。絶対に勝たなきゃいけない試合なので、ハングリー精神はみんな持っていると思うし、その気持ちを持ち続けてプレーできればと思っています。夏アジアカップは悔しい結果に終わりましたし、他の国の立場で考えると、今の日本と同じグループに入るのは絶対に嫌だと思われているはず。台湾、中国、韓国からしても、“やばい、日本と同じグループになった”と思われるぐらい、今自分たちは力をつけているのは間違いない。そこは勘違いせず気を抜くことなく、100%のゲームを出し切れば勝てる試合だと思っています。」

日本らしく勝つために必要なこと

「アジアカップを見ていて思ったのは、ちょっとペースが遅かったこと。シュートを決められても外されても、そこからのリスタートは日本がずっと意識してきた部分ですが、日本の良さが消えてしまっていたように感じました。自分たちはまず走り、速い展開からバスケットを始める。それが日本の目指す形だと思うので、そこをしっかりやっていければと思います。」

メディアDAYの会見スケジュールとし、実は渡邊雄太キャプテンが1番目のスケジュール予定だったのだが…富永啓生とのシューティング対決が終わらない!!!

富永啓生とのシューティング対決
世界で磨かれた2人が、笑い合いながら、しかし集中を切らさず競い合う。

その光景は日本バスケを象徴するシーンに集まった記者達も見入った。会見がなければ、まだ続いていたのかもしれないと思わせた。

「去年、彼とここで一緒にやったときも交互に打ち合って、2本連続で外したら次のスポットに移動するというのを5カ所でやったんですけど、去年はすごくいい記録が出て誰にも破られていなかった。それで今日は「もう1回自分たちの記録に挑戦しよう」と始めたら、本当にシュートが外れなくて、倍近い記録になりました。
出した記録は529。つまり、529本連続で2本続けて外すことなく決め続けたということです。多分この記録を破れる人はいないと思います(笑顔)。
集中力が持たないし、僕らもやりながらしんどかった。正直ずっと529を数えながら、「もう外さないかなって」思ってました(笑)。」

遂に、ワールドカップ2027へ続く長い道のりが始まる。その初戦となるWindow1で、日本代表は再び走り出す。新キャプテン・渡邊雄太を中心に、若い力と経験が交わり、チームは確実に新しいステージへ進もうとしている。

戦術面で鍵となるのは、渡邊が強調した速い展開だ。アジアカップで失われかけたテンポ、ディフェンスからの速い展開、外しても入れても止まらないトランジション。日本が世界の舞台で証明してきたスタイルを、このWindow1で取り戻し、さらに磨き上げること。

また、台湾のガード陣を自由にさせない守備、細かなローテーション、3ポイントの修正、チームとしての完成度をここから高めていくこと。そして何より、このチームを前へ進めるのは、選手たちの強い「日本勝利への想い」だ。
アジアカップの悔しさ、そして「誰がキャプテンでもいい。全員が声を出すチームにしたい」という渡邊の言葉が象徴する、チームとして勝つという強い信念がある。新キャプテンを中心に、成熟と進化が重なるチームが、再び世界へ挑む。

「負けられない。」
その強い覚悟を選手やコーチが全員で共有している。日本代表の新しい挑戦を、共に見届けたい。

 

FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選』Window1 直前合宿招集メンバー20名

安藤 誓哉(PG/181cm/33歳/横浜ビー・コルセアーズ)
富樫 勇樹(PG/167cm/32歳/千葉ジェッツ)
原 修太(SG/187cm/31歳/千葉ジェッツ)
渡邊 雄太(SF/206cm/31歳/千葉ジェッツ)
ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/29歳/サンロッカーズ渋谷)
齋藤 拓実(PG/172cm/30歳/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
馬場 雄大(SF/196cm/29歳/長崎ヴェルカ)
ニック・メイヨ(C/PF/206cm/28歳/広島ドラゴンフライズ)
吉井 裕鷹(SF/196cm/27歳/三遠ネオフェニックス)
川真田 紘也(C/204cm/27歳/長崎ヴェルカ)
渡邉 飛勇(PF/207cm/26歳/信州ブレイブウォリアーズ)
西田 優大(SG/190cm/26歳/シーホース三河)
井上 宗一郎(PF/201cm/26歳/仙台89ERS)
高島 紳司(SG/191cm/25歳/宇都宮ブレックス)
富永 啓生(SG/188cm/24歳/レバンガ北海道)
狩野 富成(C/206cm/24歳/サンロッカーズ渋谷)
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/181cm/22歳/サンロッカーズ渋谷)
金近 廉(SF/197cm/22歳/千葉ジェッツ)
湧川 颯斗(PG/197cm/21歳/三遠ネオフェニックス)
瀬川 琉久(PG/185cm/19歳/千葉ジェッツ)

ポジション別構成
(メンバーによってポジションが変動します)

【ポイントガード(PG)】
安藤 誓哉(181cm/33歳/横浜BC)
富樫 勇樹(167cm/32歳/千葉J)
齋藤 拓実(172cm/30歳/名古屋D)
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(181cm/22歳/SR渋谷)
湧川 颯斗(197cm/21歳/三遠)
瀬川 琉久(185cm/19歳/千葉J)

経験豊富な富樫・安藤・齋藤に加え、若手のハーパージュニア、湧川・瀬川らも選出。世代を超えた布陣で、プレーメイクの幅を広げる。

【シューティングガード(SG)】
原 修太(187cm/31歳/千葉J)
西田 優大(190cm/26歳/三河)
高島 紳司(191cm/25歳/宇都宮)
富永 啓生(188cm/24歳/北海道)

富永を中心に、シューター・ディフェンダータイプが揃う。特に3ポイントの成功率が勝敗を左右するポイントとなる。ディフェンスも強度高いメンバー構成となった。

【スモールフォワード(SF)】
渡邊 雄太(206cm/31歳/千葉J)
馬場 雄大(196cm/29歳/長崎V)
吉井 裕鷹(196cm/27歳/三遠)
金近 廉(197cm/22歳/千葉J)

渡邊&馬場の両エースに、オールラウンダーの吉井、金近が続く構成。
ディフェンス強度とトランジションで主導権を握る。

【パワーフォワード(PF)】
ジョシュ・ホーキンソン(208cm/29歳/SR渋谷)
渡邉 飛勇(207cm/26歳/信州)
井上 宗一郎(201cm/26歳/仙台)

帰化選手ホーキンソンがインサイドの中心。
スペーシングとリバウンドでチームを支える。渡邉と井上にも期待。

【センター(C)】
ニック・メイヨ(206cm/28歳/広島)
川真田 紘也(204cm/27歳/長崎)
狩野 富成(206cm/24歳/SR渋谷)

メイヨや川真田、狩野ら、Bリーグで存在感を示すビッグマンが集結。
将来的な帰化やローテーションの候補としても期待される。

🗓 大会概要
FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選 Window 1
・11月28日(金)19:05 TIPOFF/GLION ARENA KOBE
・12月1日(月)20:00(日本時間)/新荘体育館(新北市)
📺 放送:BS日テレ/BS朝日
📡 配信:DAZN・TVer・ABEMA

《ホーム 大会概要》
【対戦】男子日本代表チーム(22位) vs 男子チャイニーズ・タイペイ代表チーム(67位)※カッコ内はFIBAランキング(2025年9月15日現在)

【日程】2025年11月28日(金) TIPOFF 19:05
【会場】GLION ARENA KOBE(〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町2番1号 )
https://www.totteikobe.jp/access/
【大会特設サイト】https://fibaworldcup2027-asianqualifiers.japanbasketball.jp/
【テレビ放送】2025年11月28日(金) 18:58~ BS日テレにて生放送
【配信放送】DAZN・TVerでライブ配信

《アウェー 大会概要》
【対戦】男子日本代表チーム(22位) vs 男子チャイニーズ・タイペイ代表チーム
【日程】2025年12月1日(月) TIPOFF 20:00 (日本時間)
【会場】新荘体育館(新北市)
【テレビ放送】2025年12月1日(月) 19:54~ BS朝日にて生放送
【配信放送】ABEMA・DAZN・TVerでライブ配信

FIBA大会公式サイト
https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-basketball-world-cup-2027-asian-qualifiers

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