
ワールドカップ2027アジア地区予選 Window1 チャイニーズ・タイペイ戦でスターターとして出場。この日の朝にホーバスHCからスターターを告げられたとのこと。
スターターとして迎えた大事な初戦で、齋藤拓実は攻守にわたりチームのリズムを生み出し、日本のバスケットに必要なテンポと判断をもたらした。ペイントアタックからの展開、ディフェンスのトーンセット、そして試合状況に応じたアジャスト。その一つひとつが、日本代表の勝利に確かな価値を与えた。
限られた準備期間の中でも、ホーキンソンをはじめとしたチームメイトとの連携を深めながら、自身の役割を明確に遂行した齋藤。
この初戦でのパフォーマンスは、Window1のアウェー戦へ向けて、日本が積み上げていくべき方向性を示すものとなった。激しいディフェンスからターンオーバーを取り、オフェンスに繋げていき、強い日本を魅せた。
11/28 ワールドカップ2027アジア地区予選Window1試合結果
日本 90-64 チャイニーズ・タイペイ
1Q 23-10/2Q 22-12/3Q 20-20/4Q 25-22
<日本>
#12 渡邊雄太 20得点 5アシスト
#18 馬場雄大 14得点
#24 ジョシュ・ホーキンソン 14得点 12リバウンド 8アシスト
#30 富永啓生 13得点
スターターとしての落ち着き
「ボールをプッシュして速い展開を作っていく中で、ペイントアタックからの流動性ある展開が出せた」
齋藤拓実は、この日スターターとして起用された。ホーバスHCから当日の朝に告げられたその決断に、彼は冷静に応えた。序盤からテンポを上げ、日本らしい速い展開とディフェンスのトーンセットを体現。自ら攻撃を仕掛けながら、周囲の判断を促す役割を担った。
「そこはうまくできたかなと思っていますし、ボールをプッシュして速い展開を作っていく中で、ペイントアタックしてからのキックアウト、そこから流動性のあるバスケットっていうのは展開できたのかなと思ってます。
富樫選手、安藤選手もいる中で、スターターとしてゲームに入り、気持ちが高揚するところと落ち着いてやれたところの両方でプレーできました。」
この言葉の奥には、代表におけるリズムの担い手としての責任感が滲む。名古屋Dでも同様の役割を担う齋藤は、その延長線上に日本代表を位置づけていた。
「代表経験の長い富樫選手と安藤選手も一緒に合宿やってきて、本当に彼らがバックアップにいるということは本当に心強いことだなって思いましたし、逆に自分のチームでもいつもスタートで出させてもらってる中で、ボールをプッシュして速い展開を作っていくことと、ディフェンスのトーンをセットしていくところでは、自分たちのチームでやってることと同じだったので、そこに関してはいつも通りでできました。」
この「いつも通り」という表現は、単なるルーティンではない。
代表のスタイルを自分の中で再現できたという確信の裏返しだ。Bリーグと代表の接続点に、齋藤は明確な共通項を見出している。
3ポイントが落ちた時に見えた「次の層」
「いいシュートが打てている時は、オフェンスリバウンドやセカンドチャンスに繋がっている」
この試合、日本は序盤こそ3ポイントがやや苦戦した。それでも齋藤は内容を前向きに捉える。
「前半は特にトムさんもタイムアウトだったりで言ってたんですけど、本当にいいシュートは打てているので、いいシュートが打てている時はオフェンスリバウンドがしっかり取れたりとか、セカンドチャンスに繋がっているところもあったので、3ポイントは本当に決めきらなきゃいけない部分はもちろんあるとは思うんですけど、本当にいい形で展開できてるっていうところは、ポジティブに考えていいのかなと思います。」
シュートが入らなくても、ペイントアタックでリズムを生み、再び外へ展開する。シュートの質を重視するこの発想こそ、齋藤の成熟の証だ。
さらに、過去のワールドカップ予選を振り返りながら、自身の学びを明確に語った。
「3ポイント一辺倒になってしまうと、僕が過去ワールドカップ予選に出た時とかは、そういうオフェンスが続いてしまって、相手にとっても少し守りやすい部分があったので。トムさんが今回の合宿でずっと言ってきたペイントアタックは、そういうところに繋がるのかなと思います。」
外だけではなく中へ。
そのアタックが次の展開を開くことを、齋藤は誰よりも実感していた。
後半の修正と、アウェー戦への視点
「闇雲にプレッシャーをかけるだけではなく、相手のキープレーヤーにボールを渡さない」
チャイニーズ・タイペイが後半に見せたアジャストへの対応も、齋藤の分析は具体的だ。
「やらなきゃいけないことは変わってはいないと思っていて。ただ、後半タイペイがアジャストしてきたように、ただ闇雲にプレッシャーをかけるだけじゃなくて、どういったところで相手のキープレーヤーにボールを渡さないか。
逆にタイペイもポイントガードにかなりプレッシャーを強めていたので、そこでオフェンスが停滞してしまった部分。あとはプレスからゾーンのところも少し停滞してしまった部分もあったので、そこは日本としてアジャストしなきゃいけないと。」
相手の守り方を見極めながら、攻撃の始め方を変える。Window1を通して、日本がより高いレベルでのアジャスト能力を問われる場面となる。

ホーキンソンとの共鳴
「限られた期間でも、やりやすさをすごく感じています」
日本のインサイドの要であるジョシュ・ホーキンソンとの関係についても、齋藤は率直に語った。
「本当にホーキンソンのBリーグでのプレーはずっと見ていたので、代表の合宿期間でも同じチームでずっと一緒にやってきたわけではなかったので、限られた期間ではあったんですけど、今日の試合も含めてやりやすさっていうのはすごく感じています。」
プレーメイカーとフィニッシャー。
その関係性を短期間で築けた理由は、互いの判断の速さにある。ホーキンソンの高いIQと、齋藤のリズムあるコントロールが交わることで、日本のオフェンスは次のフェーズへ進み始めている。
日本らしさの再現
齋藤が語る「ディフェンスのトーンセット」こそ、Window1の鍵だった。
ボールをプッシュし、走り、攻め、守る。チームの温度を上げるプレーを最初に示したのが齋藤拓実だった。
それはまさに、名古屋Dでも見せてきた。このWindow1で示した一貫性は、今後の日本代表の方向性を明確にするものだった。
課題として浮かび上がったのは、相手のアジャストに対する攻撃の再構築と、プレッシャー下でのボール運びの安定感だ。それでも、齋藤拓実が示した日本らしいスピードと判断。その一貫したプレーが、Window1 の先へ進む日本代表に確かな道筋を描いた。ここからさらに、日本は強くなる。

Window1登録メンバー12名
#1齋藤拓実(PG/172cm/30歳/名古屋D)
#2富樫勇樹(PG/167cm/32歳/千葉J)
#3安藤誓哉(PG/181cm/33歳/横浜)
#12渡邊雄太(SF/206cm/31歳/千葉J)
#18馬場雄大(SF/196cm/29歳/長崎)
#19西田優大(SG/190cm/26歳/三河)
#24ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/29歳/SR渋谷)
#30富永啓生(SG/188cm/24歳/北海道)
#31原修太(SG/187cm/31歳/千葉J)
#34渡邉 飛勇(PF/207cm/26歳/信州)
#91吉井裕鷹(SF/196cm/27歳/三遠)
#99川真田紘也(C/204cm/27歳/長崎)
🗓 大会概要
FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選 Window 1
・12月1日(月)20:00(日本時間)/新荘体育館(新北市)
📺 放送:BS朝日
📡 配信:DAZN・TVer・ABEMA
《アウェー 大会概要》
【対戦】男子日本代表チーム(22位) vs 男子チャイニーズ・タイペイ代表チーム
【日程】2025年12月1日(月) TIPOFF 20:00 (日本時間)
【会場】新荘体育館(新北市)
【テレビ放送】2025年12月1日(月) 19:54~ BS朝日にて生放送
【配信放送】ABEMA・DAZN・TVerでライブ配信
FIBA大会公式サイト
https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-basketball-world-cup-2027-asian-qualifiers
3ポイントが落ちた時に見えた「次の層」