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【Bリーグ】中村太地(島根)新しい場所・島根で怪我からのスタート/エース岡田侑大を支え、チームの核へ Jbasketインタビュー🎙️

【Bリーグ】中村太地(島根)新しい場所・島根で怪我からのスタート/エース岡田侑大を支え、チームの核へ Jbasketインタビュー🎙️

Scene:今
島根スサノオマジックの中村太地が、11月9日(日)千葉ジェッツとのGAME2で20得点(3P 4/6)を記録した。勝利こそ逃したものの、持ち味のハッスルディフェンスと積極的なオフェンスでチームをけん引した。中村は、2025年のFIBAアジアカップで日本代表として出場。新シーズンへの意欲を高めていた中村だったが、練習中の負傷で左小指伸筋腱中央索断裂と診断され、開幕に合わせてチームに合流したものの、ケガからのスタートとなった。

今季は平均4.9点、1.1アシスト、1.5リバウンドを記録。
FG成功率32.5%、3P成功率26.9%とシュート面で課題を残すものの、持ち味のディフェンスとゲームコントロールでチームに安定感をもたらしている。試合の流れを読む判断力とハッスルプレーで島根のリズムを作り、流れを変える存在として存在感を高めている。

Moments:想い
怪我明けからコンディションを上げ続け、確かな成長を見せる中村の姿に、島根ブースターからも大きな拍手が送られた。試合後、Jbasketはその想いを聞いた。

シュートに関して聞かれた中村は、こう語った。

「やっぱり1本目が気持ちよく入ってくれたら、自分的にも今シーズン初めて“乗れた”感覚がありました。でもやっぱりまずはディフェンスから入ることが自分の役割ですし、コーチからもよく言われます。ディフェンスからリズムを作って、その後に攻撃が回ってくる。そういうメンタリティー、マインドセットでやっていきたいと思います。」

試合の中で感じた課題も率直に話してくれた、

「前半は良かったんですけど、後半は相手が対策や修正をしてきた時に打開できず、まだまだ戦術の幅、自分のプレーの幅が少なかったと感じました。相手の裏をかけるようなプレーをもっと意識して、精度を上げていきたいと思います。」

チームについても

「とてもいいチームですし、みんなハードワークできます。岡田選手は本当にスペシャルな選手です。
どうしても連戦が続くと運動量や機動力が落ちて、ペースやリズムがうまく出せない部分があります。コティー選手が抜けて新しい外国籍選手が入ってきましたが、ケミストリーという点ではまだこれから。

昨日は横地が怪我をしてしまい残念ですが、誰かがステップアップしてやらなければいけない。全員が揃えばとてもいいチームですし、揃わなくてもそれぞれが1%でもできることを増やしていくことが大切だと思います。タイトなスケジュールの中でもエネルギーを出して、まずは相手を圧倒できるようにやっていきたいです。」

Jbasketインタビュー🎙️

J:新チームでのプレーについて。ボールキープが短い中で、速くプレーして決め切るタイミングはどうですか。

中村:
「そこはどうしてもプレシーズンの時に怪我をして、左手の甲を手術したので、感覚の部分では言い訳になってしまうんですけど、練習試合をほとんど出られず、試合の中でなかなかチームに貢献できなかった時期がありました。

シュートの面で言えば、今日のように入ってくれれば自分的にもやりやすいですし、チームメイトも見つけてくれます。もっと精度を高めていかなければいけないと思っています。」

また、中村はさらにこう付け加えた。

「僕自身、今まではハンドラーとしてボールを持ち、リズムを作るタイプでしたが、今年の代表合宿で“シュートファースト”の選手として見出してもらい、シュートが自分の武器だと改めて認識しました。数字はまだ伴っていませんが、打ち続ければ入ると信じています。

少ない機会の中で結果を出すことを意識していますし、ヘッドコーチからも“このチームのベースはフリーの発想でプレーすること”と言われています。考えすぎずにアタックしていくというメンタリティーが、みんなに浸透していると思います。全員が積極的にプレーできるのはチームとしてもとてもいいことだと感じています。」

J:中村選手と岡田選手の得点力はチームにとても大事になってきますが、連携についてはどうですか。

中村:
岡田選手がメインでクリエイトしてくれている中で、周りがどれだけ合わせられるかが大事です。岡田選手は体力的にもエナジーを多く使っているので、サポートしながら彼がやりやすい環境を作ることが必要です。周りの選手も活き活きとできれば、抑えづらいチームになると思います。」

ペータル・ボジッチ HC(島根)には、チームをどうさらに上げていくかを聞いた。

J:岡田選手、中村選手を中心に、アウトサイドとインサイドのバランスがここからどんな強みを出していくのか教えてください。

「オフェンスに関しては、インサイド・アウトサイドのバランスを取りながら、ペイントタッチを起点にドライブからのキックアウトや、サイドからサイドへボールを動かしていくことなど、シーズン序盤から取り組んできた部分です。引き続き、その精度を高め、良い判断とリズムでシュートに繋げられるよう改善を進めていきたいと考えています。

今日活躍した中村選手については非常に満足しています。チームとしては、日ごとにスコアラーが入れ替わるように、複数の選手が相手にとって脅威となれるバランスを目指しています。“個”ではなく“チーム”で戦う姿勢を継続していきたいと思います。」

と、チームのここからに強い期待を持っている。

また、中村はこう語る。

「岡田選手がベンチにいる時は、誰かが役割を果たさなければいけないと思っています。それが僕なのか、納見なのか、飯尾なのか、その時に調子の良い選手がやっていければいいと思います。

外国籍のニック(ケイ)とマック(マカドゥ)はチームの大黒柱。彼らのスクリーンやハードワークのおかげで自分たちはプレーできているので、そこへの感謝とリスペクトはとても大きいです。」

次節に向けては
「大事な場面でまずはディフェンスからストップして、自分たちの流れを作っていかなければいけません。打ち合いになると難しい試合になることが多いので、まずはディフェンスから自分たちのペースを作ることを意識して、連敗をしっかり止めるために、みんなでハードワークしていきたいです。」

 

Beyond Game:島根という街、未来へ
「島根は地域柄、プロスポーツがバスケットしかないので、街を歩いていても本当にたくさん声をかけてもらえます。熱気や愛情を感じますし、今日のように真っ赤なジェッツカラーの中でも青い声援がすごく目立っていました。アウェイでも多くのファンが駆けつけてくれて、本当に心強かったです。」

今年、アジアカップで日本代表として経験を積んだことが、間違いなく中村大地のプレーの幅をさらに広げている。限られた時間の中で、自分の役割を瞬時に理解し、守備から流れを作る、代表の舞台で培ったその“読みと決断”が、今の島根でも確実に生きている。

そして、中村自身が語ってくれたように、圧倒的な存在である岡田侑大との連携、さらにインサイド陣との連携の精度が上がれば、島根は間違いなく強くなる。外と内が噛み合ったとき、このチームは誰にも止められない。

アジアで得た視野と自信を胸に、中村大地はさらに進化を続ける。
島根スサノオマジックのバスケットを、そして次のステージへ導くキープレーヤーとして。

 

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Jbasketライター

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