
須田侑太郎「このチャンスを噛み締めて乗り越えたい/三河一丸でここまできたら、僕たちの力だけじゃなくファンの力が絶対に必要」
シーホース三河、宇都宮を53得点に封じ8年ぶりファイナル進出
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宇都宮
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53 | 17 | 1st | 19 | 71 |
三河
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| 8 | 2nd | 17 | ||||
| 23 | 3rd | 17 | ||||
| 5 | 4th | 18 |
5年ぶりの天皇杯準決勝で相まみえたシーホース三河は宇都宮ブレックスと対戦。
三河は終始、強度の高いディフェンスで主導権を握り、71-53で勝利。2018年以来、8年ぶりとなる天皇杯決勝進出を決めた。
序盤は宇都宮に流れを渡しかけたが、タイムアウトを境に三河が本来のリズムを取り戻す。1Q終盤の連続3ポイントが試合の空気を一変させると、続く2Qでは6-0のランを作り、球際と集中力の高いディフェンスで宇都宮を長時間沈黙させた。
36-25、11点リードで折り返した前半は、三河が「何を大切に戦っているか」を明確に示した時間だった。
後半、一時は15点差までリードを広げるも、終盤に宇都宮が反撃。それでも4Q、三河は再びディフェンスの強度を引き上げる。西田優大、須田侑太郎がコート内外でチームを鼓舞し、石井講祐の勝負所の3ポイント、ダバンテ・ガードナー、シェーファーアヴィ幸樹の体を張ったプレーが流れを完全に引き戻す。
このクォーターをわずか5失点に抑え込み、三河は“遂行力”でゲームを締め切った。



「みんなで繋ぐ」ディフェンスが生んだ自信
試合後、須田はニュービルを含めた徹底的なチームディフェンスについて、こう振り返った。
「誰が出ても、ファウルを恐れずに出て、みんなで繋ぐ。1人がダメでも次の人が出てくればいい。それを本当に遂行できたのが大きかった」
リバウンド、ルーズボール、球際。
誰か1人ではなく、全員で守り、全員で終わらせる。宇都宮、そして前戦の琉球戦を通して積み上げてきた“成功体験”が、チームに揺るがない自信をもたらしている。
詰め寄られても、締め直せる強さ
一度詰め寄られながら、再び引き離す展開について須田は「チームのアイデンティティ」と語る。
「追いつかれても、もう一回締め直せる。それはメンタルの部分も含めて、集中力を切らさずにやり切れているから。三河と言えばこういうバスケットが、今はっきりしてきている」
レギュラーシーズンで味わってきた悔しさを共有し、それを乗り越えた一戦。我慢を続け、やるべきことを40分間遂行し切る力が、この勝利につながった。
ファイナルへ「思いきり楽しむだけ」
8年ぶりの天皇杯ファイナル。須田自身にとっても、特別な舞台だ。
「久々のファイナルで、代々木。
ここまで来たら、もう楽しむだけ。
愛知から来てくれるファンの皆さんと、三河一丸で戦いたい」
ディフェンスを軸に築き上げた三河のバスケット。その集大成を示す舞台が、いよいよファイナルで待っている。さらに須田に心の内を聞いた。
J:試合直後の気持ちを
須田
「昨日もそうですけど、今日も本当に厳しい戦いで。ブレックスにはずっとね、もう勝ててなくて、15敗の相手にこの状況で勝てたっていうのもすごい嬉しいですし、ずっとこのチームはポテンシャルがあると思ってましたけど、なんかようやくそのポテンシャルがこう前面に発揮できた試合だったんじゃないかと思います。」
J:より激しく締めるところを締めて、チームに一体感をもたらしていました
須田
「この短い期間の中でもコーチングスタッフがね、ずっとスカウティングして、ミーティングをして、すり合わせてと。しっかりと絞るところとそうじゃないというか、より絞るところを明確にして、40分間誰が出てもしっかりそこは崩さずに集中してやり切れたっていうところが、この勝利だと思います。」
J:球際とウィニングプレー、それが最後まで続いてきました
須田
「結局、集中力に限ると思います。
コーチ陣がスカウティングをしてくれて、そこに対して、みんなが一歩も退くことなく、自分たちが仕掛けて、自分たちのペースを掴んでいくっていうのが40分間できました。なので、フィフティ・フィティのボールとかも反応できるんです。引いてしまうとやっぱり反応できないんですけど、自分たちがディフェンスでも攻めてるんで、反応が相手より早いんですよ。それをしっかり40分間できたっていうのが本当に勝因だと思います。」
さらにこう語った。
「自分がまず先頭に立って体現しようっていう。そこが一番大きいですね。これはもうずっとシーズン中からもそうですけど、一発勝負は流れを持ってきた方が勝ち。
より守備に特化して、自分の得点はどうでもいいし、別に自分のファウルだってどうでもいい、勝てばいい。チームにしっかり示すっていうところを、一番自分の中で大事にしてます。
すぐファウルになりましたけど、でもあれで良かったと思います。あれでちょっと引いて向こうに流れを持っていかれたら、それで終わってた。あれをやり続けてよかったと思います。
それで、自分のリズムもモードが入ってきて良くなって。最後は勝負どころで決めましたけど、ああいうのに繋がってくるっていうのは、この長いキャリアの中で、それこそブレックスで身につけたものというか。よりトーナメントでは大事に、ディフェンスから流れを作るっていうのを意識してやっています。」
J:優勝のために自身とファンとの一体感がさらに大切だということは
須田
「ここまできたら、僕たちの力だけじゃなくて、ファンの方の力って本当に絶対に必要で。僕はこれどこでも言ってますけど、6人目の選手だと思ってるんで。そういう色んな要素がないと、優勝できない。
逆に言えば、本当に三河一丸で、こんなチャンスはないし、キャリアでファイナルに来れるチャンスなんて、どれだけあるか。ほぼないです。僕自身も久々でしたから。
このチャンスを噛み締めてほしいし。それを乗り越えた時の喜びが、これの比じゃないぐらい嬉しいって、僕も経験上わかるので。
このメンバーでね、それを成し遂げたい。
シーホース三河としてのこの新しいカルチャーとアイデンティティを、その結果を持ってしっかりと示して作り上げていきたいと思います。」
須田の溢れ出る想いが伝わってきた。
須田の言葉一つひとつに、このチームが積み上げてきた時間と覚悟が滲む。
ディフェンスを信じ、仲間を信じ、そしてファンの存在を力に変えてきたシーホース三河。8年ぶりに立つ天皇杯ファイナルの舞台で、そのすべてをぶつける準備は整った。


