
横浜ビー・コルセアーズの特別指定選手として加入した佐藤凪が、ホームゲームでトップチーム初出場を果たした。
2月1日、横浜国際プールで行われた名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのGAME2。
佐藤の出番は、43-36で迎えた2Q残り8.8秒にコートインし、前半終了までプレー。後半に出場機会はなかったものの、チームは80-70で勝利を収めた。
試合後、横浜BCのホームゲームで行われる勝利のセレモニー“Yセレブレーション”では、ホームデビューを飾った佐藤がコート中央でYポーズを披露。ファンとともに勝利を分かち合った。スラムダンク奨学生として渡米を控える世代屈指のガードが、Bリーグのホームコートで確かな一歩を刻んだ瞬間だった。
ユース時代から目標に掲げてきた“ビーコルのコート”。
満員の歓声の中で立った18歳は、短い出場時間の中にも確かな実感と、次への意欲をにじませた。



ビーコルを支える、ラッシ・トゥオビHCと安藤誓哉に佐藤凪について聞いた。
ラッシHCが語る起用の理由と将来性
佐藤凪のホーム初出場がGAME2となった理由について、こう明かしている。
「今は13人の選手がいて、常にその試合でベストなラインナップを考えている」と前置きした上で、
「今日の試合に関しては、彼がチームのために頑張ってくれると感じていました」と語った。
冗談交じりに「前日、ブースで凪のグッズを購入しているファンを見て“これは明日出した方がいいのかな”と思った」と笑顔を見せつつも、最も大きな理由として挙げたのは、日々の練習への取り組みだった。
「一番の理由は、練習の取り組み方がものすごく良いからです。」
将来性について
「佐藤選手は、将来が本当に楽しみな選手です。年齢は関係ありません。練習から、自分らしさを出してほしい」
チームには安藤誓哉や森井健太といった実績あるガードが揃う。その中での競争こそが、佐藤を押し上げると見ている。
「彼らとの対決を通じて成長できれば、素晴らしい選手になると確信しています」
「ハングリーでハードワーカー」と評しつつ、
「自分らしさを出し、練習の中でシステムに慣れながら、プレータイムを勝ち取ってほしい」と期待を寄せた。
エース安藤誓哉からみた18歳・佐藤凪
同じコートに立つ先輩も、佐藤を冷静に見ている。
安藤誓哉は、「本当に若いです。でも、僕が思っていた高校生とは全然違う」と第一印象を語った。
「自信に満ち溢れています。ボールを持っている時も、走っている姿だけでも大人っぽくて、プロらしい。ちょこちょこ話もしますし、個人的にすごく楽しみな選手です」
評価は過度ではない。
だが、“プロとしての振る舞い”が、すでにチーム内で共有され始めていることが伝わってくる。
試合後に、佐藤凪本人から聞いた。
加入から日が浅い中で、佐藤は「プロではチームの形がはっきりしている。その中で自分の持ち味をどう出すかは、ここでしかできない経験」と語る。
高校時代はボールを多く持ち、ゲームをコントロールする立場だったが、プロでは外国籍選手を含めたハイレベルな環境の中で、より高い役割理解と判断力が求められる。そのギャップこそが、今の成長材料だという。
フィジカル面についても、昨季に練習生として参加した経験が下地になっている。
「強度そのものに驚きはありません。大事なのは、その中で良い判断をし続けられるか」。
練習からプロのスピードに身を置き、コーチや先輩選手に積極的に質問を重ねながら、順応を図っている。
この日、目標と公言してきた河村勇輝が負傷から復帰し、NBAの舞台に立ち続ける現実も大きな刺激となった。
「ユースの頃からずっと憧れの存在。今も活躍している姿は、自分の目指す場所を再確認させてくれます」。同じ道を追いかける覚悟は揺るがない。
高校バスケとBリーグの違いについては、「判断の速さと質」「ワンプレーの重み」を挙げた。
一つのミスが流れを左右する世界。それでも、高校時代への後悔はないという。
「高校バスケとプロは別のカテゴリー。それぞれに面白さがあります」。
ホームコートで迎えたデビューは、想像を超える体験だった。
「ユースの頃に見ていた景色とは全く違いました。これだけ多くの人が、自分たちのチームだけを応援してくれる一体感は初めてです」。
歓声に背中を押され、「もっと長い時間、自分らしいプレーを見せたい」という欲も自然と芽生えた。
“Yセレブレーション” ホームのファンと喜びを分かち合った。
「ビーコルにいれば一度は通る道。ようやく一員になれた実感があります」と笑顔を見せた。
今回の特別指定選手期間で何を得て、渡米へ向かうのか、その思いを聞いた。
J:今回は6月いっぱいまでの特別指定期間ですが、バスケットや私生活を含めて、何か一つ達成したいことはありますか。
佐藤凪
「一番は、しっかりとプレータイムを勝ち取ることです。プロとしてチームにいる以上、勝利に貢献したい。勝敗がどちらに転ぶかわからない時間帯でもコートに立って、自分らしいプレーで引っ張れる選手になりたいです。
練習での競争に勝って、今日のようなチャンスを確実につかみ、シーズン終盤には安定して試合に出られる状態を目指しています。簡単ではないですが、プロでやらせてもらっている以上、当然だと思っています」
神奈川県出身の佐藤は、176cm・72kgのポイントガード。中学時代は地元・大道中学校と横浜BCユースでプレーし、『Jr.ウインターカップ2022-23』準優勝に貢献。
東山高校進学後は1年次から主力として活躍し、『SoftBank ウインターカップ2025』では決勝進出、ベスト5を受賞した。
今後の進路が注目される中、今シーズンは特別指定選手として横浜BCに加入。さらに『第19回スラムダンク奨学生』にも選出され、今夏の渡米を予定している。
ホームで刻んだ最初の一歩。
佐藤凪は、人気だけでなく実力でも注目を集める存在だ。
横浜ビー・コルセアーズという舞台で、その可能性がどう広がっていくのか。期待は大きい。
その経験は、確かに次のステージへとつながっている。


