
第101回天皇杯 ファイナルラウンドは1月10日、国立代々木競技場 第一体育館でセミファイナルが行われ、宇都宮ブレックスはシーホース三河に53―71で敗戦。5年ぶり4度目の決勝進出はならなかった。それでも、会場を埋め尽くした黄色の声援が示す通り、宇都宮の存在感と人気は際立っていた。
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宇都宮
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53 | 17 | 1st | 19 | 71 |
三河
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| 8 | 2nd | 17 | ||||
| 23 | 3rd | 17 | ||||
| 5 | 4th | 18 |
試合後、比江島慎は結果を受け止めながら、冷静にコート上で起きていた現象を言葉にした。
シュートの感覚、相手のプレッシャー、そして試合の流れを左右した集中力と遂行力。個人の責任にも踏み込みつつ、チームとして向き合うべき課題を明確に語ったその言葉には、次へ進むための視点が詰まっていた。
比江島は、試合を振り返り「最後はやっぱり集中力」と語った。
良い形でシュートを打てていた場面はあったものの、試合を通して確率が上がらず、「アリーナにうまくアジャストできなかった部分もあった」と率直に受け止めた。相手のプレッシャーの強さも要因の一つとしながら、「その中で決めきれないと、チームとしてなかなか波に乗れない」と課題を挙げる。一方で、「今回の経験を糧にしていきたい」と前を向いた。
また、大会レギュレーションや自身のファウルトラブルが試合展開に影響した点については、「プランが狂ってしまったのは自分の責任」と明確に言及。アイザック・フォトゥを十分に活かしきれなかったことにも触れ、「もっと長くコートに立たせてあげられていたら、結果は変わっていたかもしれない」と悔しさをにじませた。
コンビネーション面については、ギャビン・エドワーズ 、竹内公輔、星川開聖らとの連携が十分に練習できていない状況だったことを認めつつも、「それでも勝ってきている。言い訳にはならない」と自らに矢印を向けた。
さらに、相手の速い展開への対応については、「前からのプレッシャーや3ポイントへの対応、その後のリバウンドを取られてしまうと、こういう展開になる」と分析。以前からの課題であることを強調し、「引き続きチームとして取り組んでいきたい」と締めくくった。


そうした中で、コート上での一つひとつのマッチアップも、この試合の緊張感を象徴していた。特に石井講祐との攻防は、互いの意地とエネルギーが正面からぶつかる場面となっていた。
J:マッチアップした石井選手との激しいやりとり、戦いがあって、比江島選手を抑えようというエネルギーを感じました。どういうふうに感じてプレーされていましたか。
比江島慎
「そこは、やっぱり千葉ジェッツの時代から何回も対戦している仲なので。駆け引きはやっぱり上手いですし、そこでタフに来られる部分もある。その中で、フィジカルなところでは少し苦しんだ部分はありました」
J:ここからまた色んな対戦がありますが、激しくくる選手たちに今後はどういうふうに対応していきますか。
比江島慎
「長いレギュラーシーズンで、バイウィークもあったりして大変ですけど、チームが一丸となってやっていくので。もっとレギュラーシーズンやプレーオフでもアジャストできると思いますし、若手もどんどん成長しています。
優勝するには、やっぱり(核となる)メンバーが変わっていない中で、若手が成長していければチーム力のアップデートはできると思うので。そこを意識しながらやっていきたいと思います」
結果は悔しさとして残った。しかし、何が足りなかったのか、どこを積み上げていくべきなのかは明確になった。
若手の成長、変わらぬ核、そしてアップデートの余地。この敗戦は、宇都宮ブレックスにとって「立ち止まる理由」ではなく、「前へ進む材料」だった。

