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【ワールドカップ2027アジア予選Window2】馬場雄大が語る、ヒョンジュンとの攻防と「日本のトーンセットはディフェンスから」ディフェンスの思考(後編)

【ワールドカップ2027アジア予選Window2】馬場雄大が語る、ヒョンジュンとの攻防と「日本のトーンセットはディフェンスから」ディフェンスの思考(後編)

男子日本代表は3月1日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window2」で韓国代表と対戦。激しいシーソーゲームの末、4クォーターで逆転し、78-72で勝利した。

まずWindow2 GAME1。
2/26 中国戦 @沖縄サントリーアリーナ
日本は80-87で中国に敗れた。

この敗戦によって、課題と修正がはっきりとした。その中で馬場は存在感を存分に見せていた。

この日本 vs 韓国戦で注目されたのが、日本を代表するディフェンダー馬場雄大と、韓国代表のエース イ ヒョンジュン のマッチアップだった。長崎ヴェルカではチームメイトでもある2人が、日韓戦という舞台で激しいマッチアップを繰り広げた。

試合前に、Jbasketが馬場雄大に聞いた。

J:サイズのある選手が激しいディフェンスから一気に速いオフェンスへつなげる流れは、日本に新しいものをもたらしていると感じます。その中で、どんなことがチームに伝わっていると思いますか。

馬場雄大
「僕はゲームのトーンをセットすることに関して、オフェンスではないと思っていて。やっぱり、この強度の高いディフェンスからいいオフェンスが展開できて、いい流れに持っていけると思うので。
やっぱり僕のディフェンス、本当に一番最初にボールを守って、あの強度の高いディフェンスをするというところで、その力はすごく伝染すると思うんです。
そこに関して、強度の高いディフェンスを自分自らすることによって、チームに対していいエネルギーというか、いい流れを引き寄せられると思っているので、そこは自分の役割だと。そこは責任を持ってやっていきたいなというふうに思います。」

J:やっぱり BABA BOOM ですね。チームにも、ファンにもエナジーを吹き込んでくれるプレーですね。

馬場雄大
「やっぱりああいう形が僕の一つの流れをつかむプレーというか、自分のモチベーションを上げてくれるプレーの一つなので、それに関しては積極的に行けるところは行きたいなって思ってます。
ただ、一つ反省点として、ブロックした後にすごく自分でテンションが上がっちゃって、イージーなファウルを3回目してしまったというところで。
常に冷静さを持つという意味では反省点だと思ったので、行くとこは行く、でも冷静になるところは冷静になるという区切りをしっかりつけていきたいなというふうに思います。」

そして韓国戦となる。結果は日本が78–72で韓国に勝利。対峙するエースであり、長崎ヴェルカではチームメイトでもある イ ヒョンジュン についてこう語っていた。

馬場雄大
「彼の得意なシュートやリバウンドの強さを抑えていきたい。得意な部分をしっかり潰すことが重要だと思っています。一緒にプレーしているからこそ分かることもあるので、そうした情報をチームに共有しながら戦いたいです。」

日韓戦において最大の関心事の一つでもあるこの二人の対決。ヒョンジュンは11月のWindow1で中国相手に2連勝の立役者となり、ゲーム1では33得点をマーク。3ポイントを9/14(64.3%)という高確率で成功させ、脅威のシューターとして存在感を示している。

一方、馬場雄大は日本代表のディフェンスを支える存在でありながら、オフェンスでも重要な役割を担う。Window1の台湾戦でも、チームが停滞した場面でバックカットや鋭いカッティングで流れを変えてきた。韓国戦でもコーナーからのカットなどで攻撃の流れを作りながら、相手の要所を抑えるディフェンスで試合のトーンをセットした。

この試合での2人のハイライトの一つとなったのは、3クォーター残り5分36秒。
馬場は自身のシュートが外れた直後、急いで自陣へ戻りイ ヒョンジュンとマッチアップ。相手の動きを読み、身体を張ってコースに入る決死のディフェンスを見せた。しかし主審はこのプレーで笛を吹き、馬場のファウルと判定した。

もう一つは、後半残り5分を切った場面。
2人の対決は会場を大きく沸かせた。

馬場を前にしてヒョンジュンが3ポイントを沈め、韓国が4点リードを奪う。すると馬場もすぐさま3ポイントをやり返し、1点差に詰め寄った。
胸が熱くなるような2人のやり合いに、沖縄サントリーアリーナは大きく沸いた。

試合後に馬場はイ ヒョンジュンのことをこう語った。

バケモンじゃないですか!!
やっぱり国をかけて戦うことで、さらに彼の凄さみたいなものは増した気がします。

技術もそうなんですけど、すごく覚悟というか、国のために戦うぞっていう雰囲気だったり、この姿勢がすごく感じ取れて。もう本当に最初のゲームの最初から、甘い戦いにはならないっていうふうに直感で感じたぐらい、彼の燃えるものみたいなのがすごい伝わってきて。

でも本当に、ここまで対策してあそこまでやってくるっていうところは、彼だからこそ想像できましたし。だからこそ苦しい時間があった中でも、やっぱりそこで相手に流れを持っていかれることなく、本当にチーム一丸となってこの苦しい時間を戦うことができたと思うので。そこは、準備してきた甲斐があったかなと思っています。」

さらに馬場はこの試合への想いも語った。

「正直、絶対に負けたくなかったです。ヴェルカのチームメートでもあり韓国代表のエースでもある彼に負けるということは、僕が守れなかったということですから。あれだけ点を取られて彼のすごさは証明されたと思いますが、勝負としては僕らが勝ったので、意地は見せられたかなと。」

この日の馬場雄大は32分30秒の出場で 6得点・6リバウンド・5アシスト・1ブロック とオールラウンドに貢献。
一方のイ ヒョンジュンは36分31秒の出場で 28得点・11リバウンド のダブルダブルと大暴れし、最後まで日本を苦しめた。

そしてJbasketは馬場に聞いた。

J:18回のリードチェンジ、8度の同点と最後まで緊張感のある試合でした。コーナーからのカッティングなど、馬場選手を起点に流れが生まれる場面も多かったように見えました。あの場面ではどんな意識でプレーしていましたか。

J:まずはこの試合、勝てて良かったですね。

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ちなみに、日本代表にとってFIBA公式戦での韓国戦勝利は1997年以来、実に29年ぶりの快挙。歴史的な一戦を長崎コンビが盛り上げたのは間違いない。

馬場の貢献度は非常に高い。齋藤拓実、渡邊雄太、富永啓生、西田優大らの得意なプレーをしっかりと受け取り、次のプレーへとつないでいく。走り出しの速さ、カッティングの鋭さ、そのタイミング。馬場の動きが、日本代表の攻撃の流れを作っている。

Window1、2を通して馬場は、ディフェンスで激しくプレッシャーをかけ、走り、カットし、スペースがあれば3ポイントを打つ。
勢い余ってファウルを取られる場面もあったが、馬場は自らの役割をしっかりと遂行した。日本代表の強度は、こうしたプレーから生まれている。

試合後、お互いをリスペクトする2人。
試合中はコートで激しくぶつかり合った2人だが、試合終了後には互いを讃え合った。

しかしコートを離れるその瞬間、イ ヒョンジュンは胸元からユニフォームを切り裂き、悔しさをあらわにした。それほどまでに、この日韓戦は互いのプライドをぶつけ合う激しい一戦だった。国を背負って戦うとは、それほどまでに計り知れない強い思いが込められているということだ。

Jbasket視点
馬場の思考とは何か。
こういうことなのかもしれない。

ゲームのトーンはオフェンスではなく、ディフェンスから作ること。
その強度をチームに伝染させ、流れを生み出すことだ。ボールを守り、走り、カットし、味方のプレーを引き出す。その積み重ねが、日本代表の強度になっている。
それが、馬場雄大のバスケットであり、その思考だ。

Bリーグ日本代表男子日本代表
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Jbasketライター

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