
3月11日、第25節。東急ドレッセとどろきアリーナで行われた群馬クレインサンダーズ戦。川崎は76-89で群馬に敗れた。1Qで10-37と大きくリードを許し、試合の流れをつかむことができなかった。
今シーズンここまで10勝32敗、東地区12位と苦しい戦いが続いている。
苦しい戦いが続く川崎は、シーズン途中から指揮を執る勝久ジェフリーHCのもと、チームは残り18試合でどのような姿を見せていくのか。クラブのアイデンティティである「BE BRAVE」をどうコートで体現していくのか。試合後、勝久HCに話を聞いた。
J:残り18試合ですが、その中でコーチの目指す完成形のバスケット、コーチがこれを見せたいというものを教えてください。
勝久HC
「まず自分たちの一番大きな仕事、使命としては、このクラブの文化をしっかりと構築すること。我々の『BE BRAVE』というアイデンティティをしっかり構築することです。
それがやっぱり今日の1Qでは見れない、感じられない。そういうプレーで勇敢に戦っていると言えるのか。チームのこと、チームワークを一番に優先してプレーしているのか。どこかで自分のことを考えてしまっていないか。チームのためにハードワークしているのか。対戦相手をちゃんとリスペクトしているのか。
そういうところが一つでも欠けると、やっぱり今日の1Qみたいな形になって出てしまう。どこかで逃げてしまっているところがあるんだと思います。
ちゃんとチームにコミットして、このクラブのために、このクラブの未来のためにコミットしてプレーする。その姿を一番皆さんに見せたいです。」
J:試行錯誤されている中で、今コーチが一番悔しいなと思うことがありましたら教えてください。
勝久HC
「我々のゲームを見に来て、『今日、来てよかった』って思ってもらえているのか……。そういう考えが頭をよぎるのが、一番悔しいです。」
勝久HCは目を赤くしながら、
川崎を牽引するヘッドコーチとしての想いを語ってくれた。

勝久ジェフリーHCが挙げた川崎の課題
試合の入りとチームのメンタリティにある。1Qで主導権を握られた要因として、激しさや危機感が足りず、受け身のスタートになったことを指摘。誰がコートに立っても同じ強度で戦う意識が必要だと語った。さらにディフェンスではズレが生まれた際のローテーションが遅く、オフェンスでもスクリーン強度が弱くアドバンテージを作れない場面があったという。相手の弱点を突く判断力も含め、状況判断の質を高めていくことが今後の課題となる。
勝久HCが繰り返したのは“メンタリティ”。
BE BRAVEをどうコートで体現するのか。
それが今の川崎に問われている。
川崎の今と残り18試合へ
昨年の11月に、川崎はチームが低迷していることからネノ・ギンズブルグ前ヘッドコーチとの契約解除を発表し、アシスタントコーチとしてチームを支えてきた勝久ジェフリーが新たにヘッドコーチに就任した。
これまでB1での指揮経験も持つ勝久HCにとって、シーズン途中で託されたこのチームを名門復活に向けてどう導いていくのか注目されてきた。
チームはここからどのような姿を見せていくのか。求められているのは、単なる勝敗だけではない。逆境の中でも戦い続ける姿勢、そしてクラブのアイデンティティである「BE BRAVE」をいかにチーム全体で共有し、コート上で体現していくかだ。
今シーズン、課題の一つとして、流れを変えてしまうターンオーバーがある。そしてディフェンス、守備の形が崩れてしまう場面も見られる。こうした状況を改善するためには、プレーの精度だけでなく、コート上での状況判断の質を高めていくことが不可欠だ。
残りのシーズンにおいて、チーム再構築の時間でもある。勝久HCのもとで川崎がどのようなバスケットを示し、どのように「BE BRAVE」を体現していくのか。その戦い方が問われている。
得点力
平均得点は75.5点でリーグ22位。
Bリーグの平均が80点前後であることを考えると、攻撃力不足は明らかだ。一方でシュート成功率はFG44.4%、3ポイント33.8%といずれもリーグ中位。つまりシュート効率が極端に低いわけではなく、そもそも得点機会の数が少ないことが課題となっている。
リバウンド
平均34.2本はリーグ26位と下位に沈み、セカンドチャンスを作れていない。さらにフリースロー成功率も70.4%で20位。接戦で得点を積み重ねきれない要因にもなっている。
ディフェンス
平均失点は84.1点。75.5点しか取れない中でこの失点では、試合をコントロールするのは難しい。ただしアシストは21.0本でリーグ10位。ボールを動かすチームバスケットの形は残っている。数字が示しているのは崩壊ではなく、リバウンドと守備強度という基盤の部分。そこをどう立て直すかが、川崎の巻き返しの鍵になる。
Jbasket視点
勝久HCが繰り返したのは、クラブのアイデンティティ「BE BRAVE」。
逆境の中でも勇敢に戦う姿をコートで示すこと。それが今、川崎に求められている。
残り18試合。名門クラブ復活へ、その戦いが続く。

怪我から復帰してきた米須玲音が鍵を握る。