クリストファー・ジョーンズが日本に来日
NBAロサンゼルス・レイカーズ ヘッドチームドクター/アメリカ代表 ヘッドチームドクター
『Sports Doctors Network Conference 2025 in TOKYO —最先端スポーツ医療を、すべての人へー』
Sports Doctors Network(以下、SDN)は、世界的なスポーツチームのヘッドドクターや医療・スポーツ・⾷の専⾨家が⼀堂に会した。
最先端スポーツ医療を東京⼤学安⽥講堂にて開催された。オリンピック⾦メダリストの室伏広治⽒や元サッカー⽇本代表の鈴⽊啓太⽒、テニスプレイヤー伊達公⼦⽒、宇宙⾶⾏⼠の⼭崎直⼦⽒、経済学者の成⽥悠輔⽒、フリーアナウンサーの滝川クリステル⽒など、スポーツに限らず、各界を代表するスペシャリストの⽅が登壇し、エリートアスリートケアの⼀般活⽤や宇宙医療の未来、⾷とパフォーマンスなど、多岐にわたるテーマで講演が行われた。
その中で、Dr.ジョーンズは「キャリアを長く保つために、選手とチームドクターが果たすべき役割とは」という議題でスピーチした。
ジョーンズ氏、伊達公⼦⽒、村上由美子氏の3名が講演を行い、ジョーンズ氏は「選手は上手くなることだけでなく、回復と休養にもフォーカスをするべきだと考える。」と選手生命を長く保つ上で、休みの重要性を語り、伊達氏は「睡眠栄養技術のバランスを疲労の蓄積によってコントロールし、体が壊れないように維持し続けることが大事。」と現役時代の経験を踏まえて語りました。また、本公演ではオリンピック⾦メダリストの野村忠宏氏がサプライズ登場。「4連覇を目指す北京オリンピックの前年には、靭帯が切れたまま戦っていた。キャリアの最後というもあり当時はその選択をしたが、ドクターや理学療法士など専門の方のサポートなしでは、到底実現できなかった」と現役時代の怪我にまつわるエピソードとドクターとの裏話を交えながら語った。
クリストファー・ジョーンズ氏
カンファレンス後Jbasketインタビュー🎙️
J:日本のバスケットボールの印象をおしえてください
「この前の夏に日本のバスケットボールに触れる機会が多くありました。私はアメリカ代表のヘッドチームドクターをしているので、オリンピックチームと一緒にパリにいました。そこで日本のチームの試合を何回か見て、とても感銘を受けました。彼らは多くのスピードや決定力、多くのフィジカル・タフネスを持っている。他のチームよりも体格的には小さいですが、それを決定力やフィジカルで補っていて、感銘を受けました。レイカーズの選手の一人がナショナルチームでプレーしているので、私は多くの試合を見て、彼が良い健康状態を保っているか確認していました」。
J:日本で知っている選手はいますか
「もちろん、八村塁はよく知っています。
渡邊雄太のこともよく知るようになりました。彼はオリンピックで素晴らしいパフォーマンスを見せ、とてもいいプレーをしたので、今年実際にNBAで活躍することができました。彼がメンフィス・グリズリーズの登録選手として、いい一年を過ごしたことは知っています。
最近は日本のバスケットボールにより一層関心を持つようになったのでとても楽しいです」。
J:最近日本でもアキレス腱断裂は増えています。アキレス腱断裂を防ぐために、どうしたら良いでしょうか?アドバイスをいただきたいです
「アキレス腱断裂は今バスケ界で注目されています。なぜならNBAで今年アキレス腱断裂の怪我が増えているためです。
特に何名かのスター選手デイミアン・リラード、ジェイソン・テイタム、タイリース・ハリバートンはまさにNBAファイナルでした。
私たちも議論していたことですが、時にこれらの怪我はただの不運で、力を爆発させようと後ろに下がる時に、過度に体が伸びているために裂傷を起こしやすい位置に置かれることがあります。
また、疲労の問題や爆発しようとするときの筋力と筋肉の固有受容感の欠如が原因となることがあります。そしてハリバートンのように、既存の怪我の問題もあります。彼は以前、ケビン・デュラントがふくらはぎの肉離れをした時と同じような筋肉の損傷がありました。
アキレス腱断裂のリスクが高まる可能性があることがわかっているにもかかわらず、このような種類の筋肉損傷を負った選手の一部を試合から引き戻すのは難しい話です。
ですから、コーチやゼネラルマネージャーを含む、すべての関係者と密なコミュニケーションを取り、プレーを続けることでどのようなリスクとメリットがあるのかを全員が理解できるようにすることが非常に重要です。
結局のところ、筋肉の損傷のようなタイプの怪我をした時は、リハビリと動きの質に焦点を当て、過剰に怪我の部分を守りすぎて体が非対称にならないようにして、リスクを高めないようにすることが重要だと思います」。
J:八村塁選手と普段どのような話をしますか?
「彼はとても面白いんです。
昨シーズンに、私がこのカンファレンスのために東京に来ることが決まった時に、東京で何をしたらいいか、どのレストランに行ったらいいかなど彼とたくさん話しました。
また、彼とファッションについてよく冗談を言い合ったりします。彼はいつもおしゃれで、バスケの試合に来る時の彼のおしゃれな服装について私たちは時々笑ったりします。でも、NBAの選手はみんなそうなんですけどね。個々に自分を表現し、自分自身のブランドを作る手段なんです。私は塁と働くことを楽しんでいます」。
J:体のケアや健康についてはどんな話をしますか?
「もちろん健康についての話もします。
どのバスケ選手もあるように、彼の体にも消耗があります。なので、彼個人のプログラムをしっかりと遂行できるように私たちは集中的に努力しています。
ご存じの通り、塁にとって健康にいい方法がチームの他の選手にとっても必ずしもいいとは限りません。なぜなら選手の体型や特定の弱点、特定の強みに応じて、私たちは各選手に合わせた非常に特別なプログラムを作成します。
そのため、消耗の程度や身体のどこに問題があるかに基づいて彼のためにさまざまなことに焦点をあてるようにしています」。
J:特に睡眠や怪我の面で、レブロン・ジェームズが最高のパフォーマンスを発揮できるようにどのようにサポートしていますか?
「レブロン・ジェームズは彼の体にとって何が最適かを本当に理解する20年の経験を持っています。私にとっては、8〜9年ほど彼と一緒に仕事してきましたが、彼が自分に合っていると知っていることに関して、私は彼から多くのヒントを得てきました。そして選手としての彼から私たちは多くのことを学べると思います。
彼が回復とトレーニングのために行っている具体的な活動が、彼のキャリアをこれほど長く、持続的なものにするのにどのように役立ったかということです。
ですから、医師の立場から、休息と回復に関して、選手の寿命とキャリアを延ばすことに役立つ新しいテクノロジーについてアドバイスするために、私はいると思っています。でも、私は彼や彼のチームに提供できるものと同じくらい、彼から多くのことを学んでいると感じます」。
J:日本のバスケファンにメッセージをお願いします
「日本のバスケットボールに慣れ親しむことができ、本当に嬉しいです。私は日本の代表チームで最も評価されている選手の一人をケアするという素晴らしい経験をしました。本当に楽しい時間を過ごせました。
東京に来るのは今回が初めてです。ここにいる間にこの国の文化やスポーツの特有な文化について学ぶことを楽しみにしています」。