Bリーグ

【Bリーグ】タイトな展開の中で宇都宮が強さを示してA千葉を圧倒したGAME1/高島紳司「自分がやらなければ」ジーコHCも高評価

【Bリーグ】タイトな展開の中で宇都宮が強さを示してA千葉を圧倒したGAME1/高島紳司「自分がやらなければ」ジーコHCも高評価

千葉ポートアリーナの会場の半分は黄色に染まり、
序盤から応援合戦となるほどの熱気に包まれた。

宇都宮ブレックスは、国内リーグと並行してEASLを戦うタイトなスケジュールの中で、この一戦を迎えた。移動を伴う国際試合を経て、コンディション面での難しさや疲労が残っていても不思議ではない状況。それでも宇都宮は、GAME1の立ち上がりから高い強度を保ち、チームとしてのリズムと規律を取り戻した姿をコート上で示した。前線からのディフェンス、全員が準備された状態で入るローテーション、そして要所で崩れない遂行力。「厳しい状況だからこそ出る強さ」を、千葉ポートアリーナで証明する一戦となった。

第15節|12月20日 GAME1
千葉ポートアリーナ(5,507人)
アルティーリ千葉 82-96 宇都宮ブレックス
1Q: 17-21
2Q: 23-37
3Q: 19-19
4Q: 23-19

〈宇都宮〉
#42 アイザック・フォトゥ|21得点・6リバウンド
#6 比江島慎|18得点・6アシスト
#9 遠藤祐亮|12得点(3P 4/5)
#25 D.J.ニュービル|11得点・6アシスト・5リバウンド
#34 グラント・ジェレット|11得点
#12 高島紳司|10得点・3アシスト・3リバウンド

〈A千葉〉
#3 黒川虎徹|16得点・10アシスト
#7 デレク・パードン|20得点・7リバウンド
#15 オルフェミ・オルジョビ|12得点
#10 トレイ・ポーター|10得点

〈前半〉
立ち上がりから主導権を握ったのは宇都宮。高島が前線から強度の高いディフェンスを仕掛け、相手のミスを誘発。そこから比江島、ニュービル、フォトゥが立て続けにシュートを沈め、流れを引き寄せた。
追いかけるA千葉は、黒川の鋭いドライブと的確なアシストで食らいつく。しかし、3ポイントシュートが決まり始めた宇都宮が第2クォーターで一気に突き放し、前半を18点差で終えた。

〈後半〉
後半に入るとA千葉が本来の強みである速いトランジションを発揮。黒川が果敢にアタックを仕掛け、連続得点で流れを引き戻しにかかる。ディフェンス面でも宇都宮のミスを誘い、追い上げムードが高まる場面も見られた。
しかし、今試合3ポイントシュートを4本沈めた遠藤が要所で得点を重ね、再び突き放す。序盤の失点が最後まで響き、A千葉は終わってみれば力の差を見せつけられる形となったGAME1だった。

試合後コメント

ジーコ・コロネルHC(宇都宮)
総括
「相手のペースが速い中の試合ではありましたが、自分たちのリズムで戦うことが出来ました。入り方は高いエナジーで臨むことが出来ましたし、毎回このように戦えることを大事にして、明日の試合も勝ちたいと思っています」

J:ソウルでのSKナイツとの試合を踏まえて、今回の入り方で何か意識したことはありますか。

ジーコHC
「相手は速い展開を得意とするチームなので、主力選手はもちろん、控え選手もいつでも準備して戦うことを試合前に話しました」

J:若手選手の成長をどのように見ていますか。

ジーコHC
「星川選手に関しては、彼はまだまだ成長段階ですが、とても未来のある選手だと思います。元々35分くらいの出場時間を持っている選手ですが、今は少ない出場時間の中でも役割を理解しています。
小川選手は怪我から復帰してまだ完全ではありませんが、徐々にゲームに慣れて、良い状態になるように自分を磨いていると思います。
高島選手はリーグトップクラスのディフェンダーです。オフェンス面でさらに磨きを上げることで、どんどん良い選手になっていく。日本代表選手になることは時間の問題だと思っています。」

 

高島紳司(宇都宮)
総括
「最初から強度高く戦えたと思います。直前の韓国での試合や三遠戦で負けてしまったので、そこをしっかり修正して準備しました。途中から出た選手も含めて、全員が高い集中力で戦えたと思います」

J:ジーコHCは高島選手のディフェンスをトップクラスと評価し、オフェンス面にさらに磨きをかければ代表選出も見えてくると話していました。

高島
「自分の役割としては、出だしからペースを上げること。それを最後まで持続してやり切ることだと思っています。今日はその点はうまくいったと感じています。ただ、シュートの安定感はまだ足りないので修正が必要です。とはいえ、打ち続けなければ改善もないので、そのあたりはコーチ陣と話し合いながら取り組んでいきたいです。」

J:スタメン出場が続く中で、意識の変化はありますか。

高島
「意識自体はあまり変えないようにしていますが、トーンセットができていないときは、自分の役割に対する責任を強く感じます。昨シーズンまでは遠藤さんがその役割を担ってくれていましたので、難しさというか、『自分がやらなければ』という気持ちはあります。」

J:前線から常にプレッシャーをかけるディフェンスについて

高島
「1対1で負けてはいけないというのはもちろんですし、簡単にやられてしまっては自分がコートに立つ意味がなくなってしまいます。スティールを狙うというよりは、相手のリズムを崩すことを大事にしています。
控えには遠藤さんもいますし、後ろには心強い仲間がいるので、思い切って戦える環境だと思っています。」

 

黒川虎徹(A千葉)
総括
「前半は相手のやりたいようにやられてしまったところがあります。後半は修正できた部分もありますが、ミスも多く出てしまったので、明日は切り替えて挑みたいと思っています。」

J:トップレベルで試合を行う中で感じたことや、同じポジションで意識している選手はいますか。

黒川
「ポイントガードは全員意識しています。どの相手でも自分がやれるところを証明したいですし、自分が通用しないとチームも勝てませんから、負けたくないという気持ちで戦っています。」

 

宇都宮はこの勝利で19勝5敗。
首位を走る千葉ジェッツ(20勝4敗)を1ゲーム差で追走し、東地区首位争いはますますヒートアップしている。前線からの強度、全員で共有されたトーンセット、そして勝負どころで揺るがない遂行力。

宇都宮はGAME1を通して「何を大切にするチームなのか」を明確に示した。個の爆発に頼るのではなく、40分間を通じて強度と規律を落とさない。その積み重ねが、結果としてA千葉を押し切る力になった。

一方で、この敗戦をどう受け止め、どう修正するか。
A千葉にとってGAME2は、単なる1敗のリカバリーではなく、チームの引き出しと対応力がシーズン中盤から後半に向けて試される一戦となる。

この2連戦は、東地区の主導権、そしてシーズン後半へ向かう流れを占う重要な分岐点。GAME2で何が変わり、何が変わらないのか。今後の両チームを大きく左右することになりそうだ。

 

文:小玉慶二郎
カメラ:竹内遥

 

Bリーグ
Jbasket

Jbasketライター

-バスケットボール 専門メディア

twitter : @jbasket_web
Instagram : @ jbasket_web