
公益財団法人 日本バスケットボール協会(JBA)は2月3日(火)、都内にて記者会見を実施し、男子日本代表の強化方針および今後の体制について発表した。
あわせて、男子日本代表ヘッドコーチを務めてきた トム・ホーバス 氏との契約が、現契約期間満了をもって終了したことが報告された。
会見には、JBA会長の島田慎二、強化委員長の伊藤拓摩が出席。今後の代表強化の方向性と、新体制について説明が行われた。

新体制コーチングスタッフ
桶谷大ヘッドコーチ
国内リーグにおいて豊富な指導経験を持ち、2005年以降、大分、琉球、岩手、大阪、仙台など複数クラブでヘッドコーチを歴任。
琉球ゴールデンキングスでは2008-2012年に続き、2021年から再びヘッドコーチとして指揮を執っている。
ライアン・リッチマン アシスタントコーチ
NBAワシントン・ウィザーズで約10年間、ビデオコーディネーター、育成担当、戦術・分析担当、アシスタントコーチを歴任。
Gリーグのキャピタルシティ・ゴーゴーではヘッドコーチを務め、現在はシーホース三河のヘッドコーチを務めている。
吉本泰輔アシスタントコーチ
NBAシカゴ・ブルズ、デンバー・ナゲッツ、ミネソタ・ティンバーウルブズでビデオコーディネーター、育成コーチを歴任。
ニューヨーク・ニックスではNBAレギュラーシーズン日本人初のアシスタントコーチに就任。
NBAサマーリーグでは日本人初のヘッドコーチとして4年連続で指揮を執り、現在はデンバー・ナゲッツ傘下Gリーグのグランドラピッズ・ゴールドでアシスタントコーチを務めている。
島田慎二会長 コメント
契約終了の背景と決断のタイミング
島田会長は、トム・ホーバス氏が男女日本代表ヘッドコーチとして残した功績に深い敬意と感謝を示したうえで、契約終了に至った背景を説明した。
ホーバス氏が体格に劣る日本人選手でも世界と戦えることを示し、「ジャパンスタイル」を確立したこと、選手から厚い信頼を集めた統率力と「Believe」を体現する姿勢、そして日本バスケットボール界の発展に大きく貢献した存在であったことを強調した。
その上で、パリオリンピック後にロサンゼルス五輪を見据えて続投を決定したものの、代表ダイレクター制導入など体制変更を進める中で、12年先を見据えた長期的強化方針を策定。2025年1月初旬にその方針をホーバス氏へ説明したが、双方の考えに相違があったという。
実績と信念を持つホーバス氏に対し方針修正を求めることは、コーチとしての本質に変革を迫るものであり、リスペクトを欠く可能性があるとの判断から、JBA側より契約解消を提案。1月30日に合意し、31日をもって契約終了となった。
また決断のタイミングについては、
今後も重要な国際試合が続く中で、新体制で一試合でも多く経験を積み、
ケミストリーや一体感を高めることが最善と判断したと説明した。
伊藤拓摩強化委員長 コメント要旨
日本代表強化の思想と中長期ビジョン
伊藤強化委員長は、日本代表強化を
「競技力向上」「人材育成」「普及活動」の3本柱で進める考えを示した。
競技力向上については、自国基準ではなく世界基準で強化を行い、世界の強豪国以上のスピードで進化する必要があると説明。
また、選手に限らず、コーチ、トレーナー、アナリスト、レフェリーなど専門人材を世界基準で育成していく方針を示した。
代表強化はオリンピック3大会を見据えた12年計画で進められ、
LA2028と並行してブリスベン2032世代を育成し、2036年大会に向けてはアンダーカテゴリーから将来A代表に到達する視点で選考を行うという。
また、現在の日本代表のキーコンセプトとして、
「最強の布陣」×「最高の一体感」を掲げ、選手・スタッフを含めた最高水準の環境と代表ブランドの構築を目指すと述べた。
チーム作りにおいては、AIやデータ、映像分析を活用したホリスティック(包括的)なアプローチを重視。
次期ヘッドコーチおよびスタッフには、専門家集団をまとめるマネジメント力と、限られた期間でのチーム構築力、試合中の判断力が求められるとした。
振り返って
トム・ホーバス氏は、「大変残念ではあるが、代表チームのヘッドコーチとしての旅がここで終わりを迎えた」と報告。
10年間にわたり男女両代表を支えてきたファンへの感謝を述べ、
東京オリンピック銀メダル、沖縄開催ワールドカップでの指揮、パリオリンピック出場権獲得を誇るべき成果として挙げた。
Jbasketとして
Jbasketとしてこの10年間を振り返ると、日本代表は「結果」だけでなく、
「世界と戦う姿勢」を確実に手にしてきたと感じている。その土台を築いた時間と挑戦は、これからの日本代表にも確かに受け継がれていく。
またJbasketは、これまで数多くのインタビューの機会を通じて、ホーバス氏の言葉を伝えてきた。
常に誠実に、日本バスケットボールと向き合い続けてくれたことに、改めて心からの感謝を表したい。
