今シーズン長崎から生まれ育った地仙台である仙台89ERSに移籍した荒谷裕秀が期待されている。仙台は現在、7勝21敗と東地区最下位で厳しいシーズンをたたかっている。仙台は昨シーズンから選手7名が入れ替わっている。チームでは、「GRIND」というチームスローガンを掲げており粘り強く戦っている。接戦のゲームを勝ちきれずに歯痒い展開が続いている中で、荒谷が長崎でのプレータイムが減少していることから、シーズン中ではあったが仙台は荒谷を獲得した。
荒谷は仙台市出身で、東北高校在学時にウインターカップに出場して、白鷗大学時代には星野ともプレーをし、落合HCの指導のもと白鷗大学を牽引した。そんな荒谷には得点能力、ゲームメイク力、強い気持ちが期待される。そこでアウェー川崎戦の後に荒谷選手にいくつか聞くことができた。
Jbasketインタビュー
J:仙台に移籍して現在までプレーして、仙台でどのようにプレーを取り組んでいるのか教えてください
「そうですね、自分は今週コンディションで難しい状況もあったので、まず試合に出れたこと、コンディションを持ってこれたのはすごい良かったのかなって思ってます。
やっぱり役割が長崎にいた時とは全然変わってるので、そこにアジャストするっていう部分では、前節ぐらいから少しずつ良くなってるのかなと思ってて、そこはここ2週間ぐらい手応えがある部分です」。
J:荒谷選手の役割をもう少し教えてもらえますか
「そのプレー面の部分で言うと、ボールプッシュをできたら自分がするのはもちろん、チャンスがあったら全然していきたいところなんですけど、 やっぱりしっかりボールを運んでくれるガードが仙台にはいるので、そこにフォーカスするっていうより、トランジションに持っていく、走ってパスを受けて、速い展開に持って行ったり、あとは自分の強みはやっぱりサイズがある程度あって、リバウンドを取ってそのままボールを運べる時なので、止まった時はしっかりボールを運んでくれるガードに任せてるんですけど、リバウンドの中でトランジションを出せるチャンスっていうのは、やっぱりリバウンド取ったままプッシュできるっていうのは自分の強みだと思っています。
そこが長崎戦ぐらいからチームとして、自分とコーチでミーティングした上で、そこが自分の強みっていうのも話もして、それが体現できたのが前節で、今節も少しその意識が出せたので、そこは自分の強みだし、 チームから求められてる役割なので、もっと出していけたらいいなっていう風に思っています」。
J:強いハートでプレーする荒谷選手はシーズン途中で移籍という大きなことがあって、ここからどんなシーズンにしようかと思っていますか
「やっぱり地元出身で、地元のチームでプレーできるっていうのは、 誰しもが経験できるものではないと思ってて、いつか仙台でプレーしたいっていう気持ちはもうずっと大学の時からあったので、それがこういうタイミングで自分にそのチャンスが巡ってきたので、もちろん気持ちだったりとか、そういう面もそうなんですけど、こういう貴重な機会をいただけたっていうことで、なんて言うんですかね、、やっぱり地元の選手がこうやって地元のチームで活躍するっていうのはファンだったり、 ミニバスだったりとか、そういう子供たちにとってもすごい大きなことだし、なりたいって思いやすい選手と感じると思うんですね。自分もやっぱり、社長のたけさん(志村雄彦)を見て育ってるんで、 やっぱりそういう風になりたいって思ってもらえる選手を目指してプレーしたいなと思っています」。
J:具体的な目標設定はされていますか
「目標設定は特にしてないんですけど、ブレックスでは優勝も経験しているので、絶対自分の中で周りに還元できる経験っていうのは多いと思うので、 そういう部分をこの地元のチームに還元して、CSに出れるようにと思ってます。CSに出たいなって」。
J:チームにはもう溶け込んでる感じがしましたが
「そうですね(笑顔)、割と元々仲いい選手が多かったっていうのもあって。途中で移籍してきてどうのこうのみたいな、気まずさっていうのはなく最初からプレーさせてもらってます」。
J:ここかは89ERSと荒谷選手のどんなところを見てほしいと思っていますか
「やっぱり”GRIND”っていう仙台が昔から大事にしてるチームスローガンがあるので、泥臭く頑張る部分だったり、リバウンドだったりっていうのを、今年とか関係なくナイナーズがずっと大事にしてるものなので、そこはやっぱり注目していただきたいです。
間違ったことは自分たちは今シーズンしてなかったと思うので、あと1歩届かなかったりというゲームがすごい多かったので、ここから集中力だったり、まだまだ改善できる部分なので、勝ててないと自分たちのバスケットが信じられなくなって、チームがバラバラになっていくと思うんですけど、 ここ何試合かで勝率も少しずつ上向いてきて、自分たちが間違ってなかったんだっていう自信は持ててるので、 そういう自信をこれから1つずつ積み上げていきたいです。チームも個人的にも成功体験じゃないですけど、やってきたことが実って勝利を勝ち取れるっていうのが今のチームにすごい大事なのかなって思います。チームとして1つずつ積み上げていければ、今後自ずと結果がついてくるんじゃないかなっていう風に思ってます」。
仙台89ERSのスローガン「GRIND」
クラブカルチャーの根本にある最も大切な言葉として長年大切にしてきた「Grind」(グラインド)。もともと(豆などを)挽くや、細かく砕くという意味が、転じて「コツコツ」や「骨を折って何かに打ち込む」「一生懸命に何かをする」という意味も持つ。どんな苦しい状況であろうとも、歩みを止めることなく、辛いことも、退屈なことも、苦しいことも、全て粘り強く泥臭く乗り越えてやってやろう!という想いが込められている。
気持ちが伝わってくるプレーを見せる荒谷は、2020-21シーズンに宇都宮ブレックスの特別指定選手としてBリーグデビューして、優勝も経験した。そして宇都宮から長崎へ移籍した昨シーズンは、リーグ戦で48試合に出場、自己最多の1試合平均6.2得点 2.2Reb 2.6AST をマークしてチームに貢献したが、移籍2年目の今シーズンは出場機会が減っていた。仙台でこれまでの経験をチームに還元して、ここから仙台のバスケットをどう変えて、勝利をもたらせてくれるか注目していきたい。
#11/ SF/ 189cm/ 1998年12月5日生まれ 26歳/ 宮城県仙台市出身
出身校
東北高校
白鷗大学
2020-23 宇都宮ブレックス
2023-24/11 長崎ヴェルカ
2024/11- 仙台89ERS