
アルバルク東京は12月21日(日)、TOYOTA ARENA TOKYOでレバンガ北海道と対戦。最後の最後まで戦い抜き、84-80で再逆転勝利を収め、ホームで北海道相手に2連勝を飾った。
序盤はA東京が主導権を握る展開。第4クォーターには北海道が一度は逆転に成功するも、終盤に再びギアを上げたA東京が突き放した。富永啓生が存在感を示せば、安藤周人と小酒部泰暉がすぐさま入れ返す。意地と遂行力が真正面からぶつかり合う、濃度の高いGAME2となった。
試合の核となった選手たちに、試合後その思いを聞いた。



富永啓生(A東京)
J: タフな試合が続いています。難しかったところ、またここは譲れないところを教えてください。
「まずは本当に、絶対に負けないという気持ちです。そこは毎試合、プライドを持ってやっています。
タフな状況でマークが厳しくなることもありますが、その中でも今までやってきたことをしっかり出せば、誰にも負けない自信があります。そのプライドを持ってやっているだけかなと思います」
J: 北海道はスモールラインナップで戦っていました。ボールムーブや自身がフリーを作ることについては。
「個人で振り切る部分もそうですし、チームとしての部分も大事です。
新しいチームで、新しい選手も多い中、難しさはありますが、うまくいっている試合では自然とそういった部分も良くなっています。
リズムに乗れない時はボールが停滞してタフなオフェンスになるので、そこはチームとしての改善点だと思います」
この試合を振り返り、富永はこう続けた。
「今シーズンは競り勝ってきた試合が多かったので、競り負けは初めてに近い感覚です。
終盤に簡単に失点してしまったところは、しっかり修正しないといけません」
それでも、富永は前を向く。
「プライド的に負けたくない気持ちはありますし、やられたらやり返したいです」
敗戦の中でも、北海道の強さは確かに感じられた。



小酒部泰暉(A東京)
苦しい展開でも揺るがないディフェンスと、迷いのない一投。
小酒部泰暉は、勝負どころを託される理由をコートで証明した。
「試合の入りでは比較的いい形で入れて、前半は苦しい中でも点を取りながら、自分たちらしいバスケットはできていたと思います。ただ後半は、相手のアグレッシブなディフェンスに対してミスが出たり、トランジションを出されたりして逆転された部分もありました。
最後は自分たちの3ポイントが入って勝てた、そんな展開だったかなと思います」
富永選手へのディフェンスについて
「3ポイントは絶対にやらせないという想いでした。決められた3ポイントは1本だけで、そこが反省点です。
ドライブはある程度やられてもいいと思っていて、一番のストロングポイントが3ポイントなので、そこを消す意識でした」
J: 最後の3ポイントを決めた瞬間は?
「嬉しかったです。自分のシュートも当たっていなかった中で、決めるべきところで決められてよかったです。
競った展開の中で、それを楽しめているのかなと思います」


安藤周人(A東京)
J: 結果が出ている時、苦しい時で、どのように役割や気持ちを整理していますか。
「今シーズンはチームが信頼して打たせてくれているので、自分は決め切るだけだと思っています。
今日は前半うまく気持ちを乗せられなかったですが、後半にミスをしてしまったからこそ、取り返さないといけないとスイッチが入りました」
「以前なら気持ちが折れていた場面でも、今は必死にやり続けられています。
4Qでチームがバラバラになりかけた場面でも、声をかけてまとめられたことは、自分の成長だと思います」
J: 史上7人目となる3ポイント通算900本達成について。
「正直ホッとしています(笑)。
これは一人で積み上げたものではなく、チームメイトのおかげです。1000本を目指して、これからも積極的に打ち続けたいです」
ロイブルHC(レバンガ北海道)にもJbasketで聞けた。
「自分たちにとって簡単な試合はありません。全試合を決勝だと思って臨む必要があります。課題はシュート確率と安定性です。今日は3ポイントが20%以下でしたが、リズムを安定させる必要があります。」
「富永選手だけでなく、外から打てる選手が複数いるので、全体に対してタフなディフェンスをしながら、ボールを動かしていきたいです。」
富永啓生が攻撃の起点として存在感を放ち、安藤周人が流れを整え、小酒部泰暉が勝負どころを締め切る。それぞれが自らの役割を全うした終盤、アルバルク東京は「何をやるべきか」を迷わなかった。
一度は逆転を許しながらも、再び自分たちのリズムを取り戻せたこと。それは単なる1勝以上に、チームとしての現在地を示す内容だった。
競り合いの中で課題も突きつけられた一方で、誰が、どこで、どう責任を負うのか。
その輪郭が、確かに見え始めている。ホームで積み上げたこの2勝は、完成ではない。だが、次へ進むための確かな手応えでもある。アルバルク東京は、ここからさらに強度を上げていく。