「感慨深い瞬間でした。本来は桶さんの顔なのが自分に変わっていたのですごく嬉しかったです。(ブーイングは)愛情の裏返しだと思ってます」
琉球ゴールデンキングスは第10節名古屋ダイヤモンド戦で沖縄アリーナでのレギュラーシーズン主管試合最多来場者数8,627人を記録した。この試合では今シーズン琉球から名古屋Dに移籍した今村佳太の凱旋試合にもなっていた。この対戦での最大の盛り上がりを見せたのは、今村のGame1でのフリースローでの場面だった。そのフリースローでは愛ある大ブーイングが起こり、それに対して今村がしっかり両腕を上げて応えると最大な盛り上がりを見せた。試合は琉球の2連勝で終わり、名古屋Dは8勝10敗となり中地区5位となった。今シーズン今村は、怪我からスタートして、強豪名古屋Dがなかなか勝利を掴むことができず厳しい今シーズンのスタートとなっていたところに、今村がようやくチームに帰ってきて、京都戦から全開でコートで躍動して勝利に貢献した。今村の移籍についてはシーズン前からも話題になっていた。そして迎えた今シーズンで、遂に琉球戦で移籍後初の沖縄アリーナにアウェーとしてコートに立った。
Game1 琉球 86-68 名古屋D
Game2 琉球 92-82 名古屋D
琉球86 – 68 名古屋D
1Q 23-19
2Q 17-15
3Q 21-18
4Q 25-18
<琉球>
#14 岸本隆一 17得点
#4 ヴィック•ロー 15得点 8Reb
#53 アレックス•カーク 12得点
#45 ジャック•クーリー 10得点 13Reb
<名古屋D>
#43 スコット•エサトン 21得点 10Reb
#30 今村佳太 11得点
Game1は、琉球から今シーズンから名古屋Dに移籍した今村佳太の凱旋試合となる注目のカードとなった。試合は終始琉球がイニシアチブを取って進んでいった。4Q終盤に会場のボルテージが最高潮となるシーンがきた。琉球がリードして、今村がフリースローの場面になる。会場からはこの日1番の特大ブーイングが会場中に響いた。リングの向こう側には、琉球ブースターが物凄い数の今村の似顔絵が掲げられた。今村は1本目のフリースローを決めるとブースターに対して、もっともっと(ブーイングに)とジェスチャーであおった。ブースターはさらにブーイングを大きくして2本目も沈めてみせた。今村とブースターは会話をしているようで、愛情溢れるシーンに感じられた。
愛ある大ブーイングが響く沖縄アリーナ🔥@imimk30 @nagoyadolphins@RyukyuKings
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— B.LEAGUE(Bリーグ) (@B_LEAGUE) December 7, 2024
今村佳太 Game1後🎙️
「全体を通して琉球のやりたいバスケをやられてしまったなと感じています。チームとして自分たちの打ちたいシュートチャンスをなかなか作れなかったので、その部分に関してはクリアにしていかないといけないと思っています。自分たちもCS優勝を目指して闘っているので、チームとしてやりたいバスケットができるよう、今日出た課題にしっかりフォーカスし、明日に向けて修正していきたいと思います。
プロスポーツチームとして勝たないといけない、苦しい時期もあるけれど、勝利に対していかに貪欲になれるかが大切だと思っています。その点に関して、チームを巻き込み、責任を持って挑んでいきたいです。
琉球 92-82 名古屋D
1Q 16-25
2Q 27-16
3Q 25-25
4Q 24-16
<琉球>
#4 ヴィック•ロー 25得点 10Reb
#45 ジャック•クーリー 17得点 12Reb
#53 アレックス•カーク 17得点 15Reb
#34 小野寺祥太 11得点
#18 脇真大 10得点
<名古屋D>
#30 今村佳太 17得点
#32 ルーク•メイ 17得点 12Reb
#45 ザイラン•チータム 14得点
#8 張本天傑 10得点(3P3/3)
名古屋Dはなんとしても負けられないGame2に挑んだが、琉球に敗れて連敗となった。第2戦では、コンディション不良で大黒柱のスコット・エサトンを欠いた中でも序盤は主導権を握った。2Qに追い上げられるが、張本天傑が前半で3本の3ポイントを沈めて気持ちを全面に出す。試合は一進一退となって最終クォーターに進む中で、名古屋Dのターンオーバーが重なり、琉球のポゼッションが続いていき、大事な場面でのインサイドでの差が出てしまう。オフェンスリバウンドが奪い切れず、琉球が流れを掴んでいき、名古屋Dを突き放した。
今村佳太 Game2後🎙️
「チームとしても個人としても、これが今の実力なのかなと思っています。出だしもそうですが、今日はエサトン選手が出られない中だったのでそこをカバーしなくてはいけなかったのですが、やはり要所要所でのリバウンドがトータルも14本相手の方が多いのが現状となっています。自分たちとしては、ポゼッションゲームを勝つことが目標ではあるので、そこは修正をしていかなければならないと思います。まだ試合は続くので、しっかりと気を引き締めていきたいです」。
指揮を執るショーン•デニスHCは、この琉球戦を振り返った。
「琉球さんは常に勝つことが難しいチームですが、我々も出来ることをできるだけやったと思っています。琉球さんはファンの方々のエナジーも凄く、それがチーム力を与えている部分も大きくあり、プレッシャーもありますが、今日はその中でも戦えていたと感じています。
但し、大事な場面でのターンオーバーやフィニッシュが詰め切れない部分が目立ち過ぎました。自分たちのシステムをもっと徹底できたと感じる部分も多くありました。よかった点とすれば、今日はターンオーバーから21点取れたので、比較的我々らしいバスケットはできていたと思います。また、リバウンドもリーグトップのチームに闘えていたと思います。得点に繋げられなかったところもありますが、良い傾向だと思っています。今日の試合はチームでエナジーを取り戻してできたので、このままシュートを決め切るべき所で決め切れるようになればうまくいくと信じています。今日は張本選手も、エサトン選手がいない中よく闘ってくれていたと思いますし、中東選手もキャプテンとして前からリードし、リーダーシップの面で素晴らしかったと思っています。
次戦も間を空けずにアルバルク東京さんが続きますが、しっかりと修正を重ねて挑みたいと思います」。
今村佳太が新たなチャレンジを求めて契約を残してまで名古屋Dに移籍をしている。移籍発表当時はこの移籍にブースターからは否定的な意見も多く見られたが、今回の沖縄アリーナでの試合では、大きな愛あるブーイングや大きな拍手とやはり今村を一番注目していたことが伺える。その今村に今シーズンにかける想い、名古屋Dに移籍した理由を今シーズン入る前にJbasketyインタビューで聞いている。
J:今シーズン名古屋Dへの移籍の理由を教えてください
「名古屋DのショーンHCのバスケットボールスタイルが気になっていました。僕はオーストラリアのバスケットボールが好きでもありショーンさんのバスケットボールにすごく興味があって、ありがたいことに誘って頂いて来たという流れになります。
自分としては、特に日本代表でなかなか選出されなくて、自分として今何が足りないんだろうっていう事を客観的にすごく考えた時に、“速い展開の中でどれだけいい状況判断であったり自分の個性っていうのがどう表現できるか”自分にはまだ足りない部分があるなって思っていました。
前チームの琉球ではアップテンポというよりは、しっかりとしたハーフコートバスケであったり、組み立てるチームでそれが自分のスタイルにも合ってると思うんですけが、やっぱり自分としてワンステップ成長するためには その部分が必要だったんじゃないかなと思って、今移籍を決断しました」。
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【It Roster022】今村佳太 新天地 名古屋Dで始動/今、何がたりないのか“日本代表で選出されて活躍するために”
また試合前には昨シーズンまでともに戦った琉球の選手たちとコートで再会した。共に熱く戦ってリーグ制覇をした仲間との再会は特別だったに違いない。ここから今村はどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか楽しみないなる。名古屋Dの次戦は12月11日に代々木第一体育館でA東京と対戦する。12月4日には天皇杯3次ラウンドで惜敗したA東京にリベンジを期する。