千葉の“勝ち切る力”
群馬の“強さと修正力”
互いのプライドがぶつかり合い、まさにBリーグを象徴とするような最高の一戦となった。
第4節10月18日(土)、LaLaアリーナ東京ベイ。千葉ジェッツが群馬クレインサンダーズとの激闘を制し、開幕6連勝を飾った。最後の0.3秒での逆転劇。ホームを真紅に染めたファンの歓声が、その瞬間を包み込んだ。
🏀 試合結果
第4節 10/18(SAT)
千葉ジェッツ 80–79 群馬クレインサンダーズ
1Q:23–20
2Q:16–21
3Q:21–21
4Q:20–17
<千葉J>
ホグ19得点・ムーニー16得点11リバウンド・渡邊雄太14得点・富樫勇樹10得点
<群馬>
ティーマン15得点・ジョーンズ13得点5アシスト・エドゥ13得点・細川一輝12得点
立ち上がりは千葉が主導権を握る。ホグが積極的にアタックし、ムーニーがインサイドを支配。1Qを23–20でリードした。
しかし2Qに入ると、群馬が流れを奪う。ティーマンがペイントで確実に得点を重ね、ジョーンズと細川が3ポイントを沈め、千葉の守備を広げさせた。前半を39–41、群馬がわずかにリードして折り返す。
後半も互いに譲らぬ攻防。ムーニーがリバウンドから速攻を生み出し、富樫がテンポを上げる。ホグは中外で得点を重ね、チームを鼓舞。一方の群馬もティーマンがインサイドで存在感を示し、ジョーンズの冷静なパスで流れを作る。3Q終了時点で60–62、緊張感が最高潮に達する。
第4Q、ティーマンのジャンパーで群馬がリードを広げたが、千葉は集中を切らさない。ムーニーがリバウンドで攻守を支え、ホグが1対1から得点を重ねる。
そして残り1分11秒、富樫勇樹が放った逆転の3ポイントがネットを揺らす。リーダーの一撃で流れが千葉へと傾いた。
そこからはまさに総力戦。群馬はブラックシアーがインサイドで再び勝ち越すが、千葉は最後まで諦めなかった。残り12秒、スコアは78–79。
富樫がボールをキープし、ムーニーのスクリーンから渡邊雄太に渡りシュートを放つが外れる。富樫がリバウンドに入り、そこからシュートを打つがそれも外れてしまう。だが、そこにホグが飛び込み、渾身のプットバックダンクを叩き込んだのは、残り0.3秒。LaLaアリーナが爆発的な歓声に包まれた。
🎙️ Jbasketインタビュー
🔴 グリーソンHC(千葉J)
J:群馬との対戦でやりづらかったところはありますか?
「相手の戦術よりも、自分たちのやりたいことができていなかった。特に水曜ゲームのブレックス戦の時は、みんなが集中してやるべきことをやった結果だったが、今日は少し抜けてしまった。
GAME2ではしっかりメンタルタフネスと集中力が大事になります。
今日の試合を水曜の試合のように戦っていたら負けていたと思います。細かいところをチームで意識してやりたいと思っています。」
J:6連勝でチームは去年より強くなっていると感じていますか?
「確実に成長していると感じています。でも、ずっと成長していかないといけない。そうでないとチャンピオンのチームにはなれない。
いい試合のあとに気持ちが良くなることもありますが、そこでしっかり締めないといけない。チームでは今、カルチャーを作っていて、お互いに責任を持ち合おうとしています。」
カイル・ミリングHC(群馬)
「本当に今日はいいバスケットができたと思っています。両チームとも40分間戦っていたと思いますし、最初の出だしの5〜6分は千葉のペースでやっていたんですけど、そこからしっかりスローダウンすることができました。
ただ、4Qになってから少しリズムが取れなくなって、あのような展開になってしまいました。」
J:試合後、チームに何を伝えましたか?
「試合後は、あまり選手たちには多くは伝えなかったんですけど、まず今回の試合に関しては、いいゲームができたということ。そして、またビデオを見返して、しっかりやり返そうと伝えました。」
勝負を決めたのは、個ではなく“チームの力”。最後の0.3秒まで全員で信じ、全員で掴んだ勝利だった。千葉ジェッツ、LaLaアリーナで証明した“勝ち切るチーム”としての真価。
一方で、この試合では群馬の強さと完成度も際立った。
組織的なディフェンス、終盤まで崩れない集中力は見事だった。この東地区の好カード、激戦の続くシリーズはまだ終わらない。
10/19(SUN)のGAME2で、群馬がどうまき返してくるのか、注目される。