
開幕10試合 7勝3敗。西地区3位。
数字が語るのは安定ではなく、進化だ。
勝ちながら、強くなっている。
そのプロセスこそ、今の広島ドラゴンフライズの本質だ。そこにあるのは、確かな手応えと、これから始まる成長の物語。
Bリーグ全体で平均得点93.1点と堂々のリーグ1位。
📊 Bリーグ 得点ランキング(2025年10月時点/B.LEAGUE公式データ)
1️⃣ 広島ドラゴンフライズ 93.1点
2️⃣ 長崎ヴェルカ 91.4点
3️⃣ 島根スサノオマジック 86.0点
4️⃣ 千葉ジェッツ 85.6点
5️⃣ 宇都宮ブレックス 84.9点
広島が圧倒的な平均得点でリーグトップ。長崎が続き、島根・千葉・宇都宮と強豪がひしめく中、“攻撃力の広島”がBリーグをリードしている。
その“爆発的オフェンス”は、実はディフェンスを徹底的に重視する姿勢から生まれている。守り切り、リバウンドを奪い、走り出す。その切り替えの速さこそ、朝山正悟HCが今季チームに植えつけた哲学だ。
試合から見えた“後半の強さ”
第6節(10月29日/横浜国際プール)
横浜ビー・コルセアーズ 79–94 広島ドラゴンフライズ
1Q 22–28|2Q 25–21|3Q 14–31|4Q 18–14
前半、広島はインサイドで主導権を握った。
スミスとコーバーンがペイントを制し、相手の呼吸を奪う。
一時11点差を奪いながらも、横浜BCがクラーク、安藤、須藤で追い上げた。
だが、後半、スミスの4Pプレーがチームに火をつけた瞬間、空気が変わった。そこから広島は一気にギアを上げる。エバンス、メイヨ、コーバーン、佐藤涼成ら全員が走り、守り、声を掛け合いながら、詰められても崩れない広島の姿を見せた。
「勝ちながら進化する」
それを体現する40分だった。
スミスの圧倒的な決定力。
エバンスの流れるようなスキル。
タイプの異なる二人が、今季はひとつのリズムを作っている。お互いの存在とパフォーマンスでお互いの負担も軽減する。
個の強さが噛み合う瞬間、広島のオフェンスは止まらない。またビーコル戦で見せたパイナップルヘアもファンからは賞賛の声もあり、話題を提供してくれている。
改めて、二人の数字からわかる。
クリストファー・スミスは平均20.8得点、FG成功率48.4%、3P成功率39.5%、FT成功率91.2%。
安定感のある得点力と勝負強さで、リーグ屈指のクラッチスコアラーとして存在感を放つ。
一方のドウェイン・エバンスは平均17.1得点、FG成功率55.9%、3P成功率34.6%、
リバウンド7.4本、アシスト4.7本と攻守のバランスが際立つ。
彼の万能性がチームの流れを整え、スミスの爆発力を引き出している。
二人の数字には、“勢い”ではなく“完成度”が宿る。スミスのシュートタッチ、エバンスの判断力。
そこに朝山HCが描く「守って走るオフェンス」が重なり、広島は今、Bリーグの中でも最も攻撃的で知的なチームへと進化している。


広島のゴール下には、常にこの男がいる。
ブロック、リバウンド、フィジカル。
その全てで相手を圧倒し、チームを前へ押し上げる。
数字がそれを証明している。
平均16.6得点、フィールドゴール成功率69.2%。
高確率で確実に決め切る“インサイドの信頼”。リバウンドは平均9.7本、アシスト2.5本。
得点だけでなく、リムを守り、ボールを繋ぐ。まさに“ペイントの番人”だ。
コーバーンが支えてくれているから、スミスとエバンスが前線で自由に戦える。そんな時間をしっかりと作れている。ペイントでの存在が、広島の強さを支えている。

今シーズン新たな期待
今季、日本人登録となったメイヨの存在は大きい。外国籍枠を使わずにプレーできることで、戦術の幅は大きく広がった。メイヨの走力、判断力、そしてゲームメイク。
数字からもその価値は明らかだ。
平均11.9得点、3P成功率51.0%、フリースロー成功率75.0%。リバウンド4.5本、アシスト3.5本。
スコアラーでありながらチームを動かすバランサーでもある。精度と判断力、その両方を備えた存在だ。
スミス、エバンス、コーバーンにニックが絡み、守備から攻撃へと切り替えるスピードはリーグ随一だ。

白鴎大学から加入した佐藤涼成。
チームに加わるやいなや、広島の呼吸を変えた。走る、守る、声を出す。そのすべてに、勝ちたいという意志がある。
「前半はやるべきことができていなかった。でもハーフで朝山HCが“やるべきことをやろう”と話して、そこから全員で徹底できた。」
開幕10試合すべてに出場し、平均20分のプレータイムで7.8得点。
フィールドゴール成功率47.5%、3ポイント成功率40.5%、2.6リバウンド、2.9アシストと、白鴎大学時代に見せていた“大学トップクラスのポイントガード”としての実力を、広島でもすでに存分に発揮している。
加入1年目とは思えないハイパフォーマンスだ。
若手ながら自ら課題を言葉にできること。そしてその声にチームが反応すること。
それは“強いチームの証”だ。
彼の姿勢が、広島の未来を変えていく。
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広島の進化を体現する若き力。
朝山HCが強い信頼を寄せる男、三谷桂司郎。
攻守にわたってリズムを支え、試合を変えるプレーを積み重ねている。
開幕10試合で平均5.5得点・2.4リバウンド・0.6アシスト。3P成功率34.3%、平均出場19分で+/−値+8.5。派手ではないが、チームが前進する瞬間には必ず彼がいる。
ルーズボールへの一歩。
相手のパスを読む一瞬。
速攻に走り出すその判断。
それらすべてが、広島の“走る・守る・勝ち切る”を支えている。
三谷桂司郎、若きオールラウンダーは、確実にチームの中心へと歩を進めている。


現役時代から勝負の場を知り尽くした朝山正悟。彼が今季チームに植えつけたのは、徹底の精神だ。
「特別なことはしていない。守って、リバウンドまでやり切る。それを遂行できた。」
この言葉に、チームの全てが詰まっている。
朝山率いる広島のバスケットには、明確な哲学がある。
「守って、走って、支配する」。
リバウンドを取った瞬間、全員が動き出す。そのスピードの中にある“判断”がある。
ただ勝つだけでなく、ファンも魅了する、それが広島ドラゴンフライズの文化になりつつある。
朝山HCは戦術家であり、同時に選手の感情を最も理解する指導者だ。リーグ優勝を何度も経験してきた。もっとも優勝を知るヘッドコーチの一人だ。
コートに流れるその“温度”こそ、広島の力の源だ。
スミス、エバンス、コーバーン。
そしてメイヨ、佐藤、三谷。
さらに山崎、伊藤をはじめ、多くの素晴らしい選手たちがいる。
個の力と組織力がひとつに溶け合い、
チームは完成に近づきながら、なお進化を続けている。
開幕10試合で7勝3敗。
守って、走って、魅せる。
今シーズン制覇のために広島は、
守り切って、リバウンドまでやり切る。
その一歩一歩が、Bリーグを動かしていく。

 
  
  
  
  