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【ウインターカップ|DAY2】男子注目カード 東山が中部第一から逆転勝利/佐藤凪ダブルダブル・中村颯斗30得点「ディフェンスで“バチ止め”するからオフェンスも良くなってくる」

【ウインターカップ|DAY2】男子注目カード
東山が中部第一から逆転勝利/佐藤凪ダブルダブル・中村颯斗30得点「ディフェンスで“バチ止め”するからオフェンスも良くなってくる」

強豪校同士の初戦から、ウインターカップはトップレベルの戦いとなった。東山が中部第一を86–68で撃破。その中心にいたのは、ゲームを支配した司令塔・佐藤凪と、勝負どころで一気に流れを引き寄せた中村颯斗だった。
「絶対に勝つ」。
その想いをチーム全員で共有し、ディフェンスから試合を掌握した東山。
佐藤の冷静な判断と、中村の爆発力が噛み合い、初戦を確かな一歩で乗り越えた。

佐藤凪(東山)が登場 試合後Jbasketインタビュー🎙️強豪校対決を制す|東山 86–68 中部第一「絶対に勝つ」、その想い

ボックススコア

佐藤凪は初戦を振り返り、「戦術的なことよりも、とにかく『自分たちが勝つ』『絶対に勝つ』という気持ちをチーム全員で共有して戦った」と語っている。
自身のパフォーマンスについては満足していないとしながらも、「本当にみんなに助けられて、みんなで勝ち取ったゲームだった」とチームの勝利を強調した。

インターハイや日清トップリーグを通して積み重ねてきた経験についても触れ、「成長した姿を見せられたと思う。ここからあと5試合、しっかり戦い続けたい」と先を見据えた。

課題として挙げたのは、試合中のミスや決定力。
「ワンチャンスを逃してしまうと、この先は掴み取れない。前半後半、ゲームの流れに関係なく、その一瞬を確実に取りにいきたい」と、勝負どころへの強い意識を口にした。

自身の武器であるアシストについては、「得点もアシストも高いクオリティでできることが強み」と明言。
「勝つために何が必要かを判断した結果が、得点とアシストの両立につながっている。これからも冷静な判断を心がけたい」と司令塔としての自覚を語った。

4Qで爆発した中村颯斗については、「皆さんの知らないところで死ぬ気で努力してきた。それが形になった」と最大限の評価。
「今日は颯斗のゲーム。明日は自分が役割を果たして、彼を助けたい」と、チーム力を強調した。

「颯斗のパフォーマンスは想定内。彼はもっとできる選手」と語り、3ポイントについても「入っても入らなくても、必ず武器になる。100パーセント信じてパスを出し続けたい」と信頼を口にした。

試合終盤に自ら出場し、ゲームを締めたことについては、「ポイントガードであり、キャプテンとしての役割」と説明。
「タフだったが、いい形で終われた。いい雰囲気で次の試合に入れる。頭をクリアにして、また別のゲームとして臨みたい」と語った。

J:高さのある相手に対して、東山は大きな選手がいないですが、飛んでリバウンドやルーズボールを取って強化されてきているように感じますが、どうでしたか。

「昨日のスカウティングや、その前の練習から、とにかくルーズボールとリバウンドがキーポイントになるっていうのは、チーム全員で話していました。
それでもまだ合格点は上げられないと思いますし、大澤先生も絶対満足していないと思うので、とにかくディフェンスリバウンド、そこから走るっていうシンプルなことを、もっともっと突き詰めて続けていきたいなと思っています。」

J:大澤先生にファウルについて「凪に関しては、特に1つでも4つでも何としても最後までやってくれると信じている」と聞いて、自身でもファウルコントロールというところはどうでしたか。

「この1年を通して、何回もファウルアウトで出られないゲームを経験してきたので、そのたびに大澤先生には『自分でマネジメントしなさい』と言われてきました。
そこは常に意識していますし、僕がコートに立ち続けることが東山の勝利の絶対条件だと思っているので、どんな状況でも必ず40分間、ブザーが鳴るまでコートに立ち続けて勝たせるというのが、僕の使命だと思っています。」

「絶対に勝つ」想いを胸に、
佐藤凪と東山は次の一戦へ向かう。

 

中村颯斗(東山)Jbasketインタビュー🎙️
30得点(3P6本)
強豪校対決を制す|東山 86–68 中部第一

「ディフェンスで“バチ止め”するからオフェンスも良くなってくる」

勝負どころでボールを託され、流れを一気に引き寄せた。4クォーター、東山を加速させたのは中村颯斗の連続得点だった。
ウインターカップ初戦。強豪・中部第一との一戦で、試合を決定づける爆発力を見せた中村は、得点だけでなく、ディフェンスからチームを押し上げる存在感を示した。

初戦について中村は、ウインターカップ特有の空気もあり、立ち上がりは硬さがあったと振り返った。それでも後半にかけて自分のリズムを掴み、持ち味を発揮できたと手応えを語った。

今大会に向けてはシューティングを徹底的に積み重ね、「自分が決める」という強い意識でプレー。前半は佐藤凪への警戒が強い中で、自身の役割を得点に見出し、チームを助ける選択を続けた。一方で、状況に応じて凪に託す判断も意識していたという。

ディフェンス面では理想通りとはいかなかったとしながらも、接戦になる展開は想定内。インターハイでの悔しさを糧に積み重ねてきた夏以降の取り組みが自信となり、この試合を通して一段階成長できたと実感した。

4クォーターでは「凪くんが組んだハドルで喝が入った」と意識が切り替わり、ディフェンスから流れを掴んだ。初戦突破に安堵しつつも、最後まで気を抜かず、一戦一戦を大切に戦っていく姿勢を強調した。

J:期待に応えるという点ではどうですか

中村颯斗
「この試合で自分の持ち味である3ポイントや得点能力を発揮できたのは本当に良かったですし、勝てたことがまずホッとしています。」

J:うまくいかない時間帯は、どういう意識で臨んでいますか

中村颯斗
「自分がうまくいかない時は、まずディフェンスから入って、コースに入って体を当てたり、いいディフェンスをすることでオフェンスも良くなってくると思うので、ディフェンスで“バチ止め”して、いいオフェンスの流れを作っていくというマインドでやっています。」

 

ディフェンスからリズムを作り、オフェンスへとつなげる。中村颯斗の“バチ止め”の意識は、東山の戦い方そのものだった。
初戦を越え、舞台はさらに厳しさを増す。
それでも中村は、自分の役割を見失わず、次の一戦へ向かう。

強豪校同士の初戦で示したのは、個の力だけではない「勝ち方」だった。
佐藤凪の冷静な判断と覚悟、中村颯斗のディフェンスから流れを変える爆発力。
それぞれが自分の役割を理解し、信じ合い、チームとして戦い切ったからこその勝利だった。
ウインターカップは、ここからが本当の勝負。
東山はこの一勝に満足することなく、「絶対に勝つ」という想いを胸に、次の一戦へと進んでいく。

 

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