
積み重ねた日常が導いた決勝への一歩
大阪薫英女学院、チーム力で京都精華を突破
🗓️12/27(SAT) セミファイナル
京都精華 71-80 大阪薫英女学院
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京都精華
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71 | 18 | 1st | 20 | 80 |
大阪薫英
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| 13 | 2nd | 29 | ||||
| 24 | 3rd | 16 | ||||
| 16 | 4th | 15 |
立ち上がりから大阪薫英女学院が高い強度のディフェンスと速い展開で主導権を握った。京都精華のガード陣にプレッシャーをかけ、相手のリズムを抑制。
アウトサイドとインサイドをバランスよく使ったオフェンスで得点を重ね、後半も集中力を切らさずリードを維持した。追い上げを見せた京都精華を振り切り、チーム一丸の戦いでファイナル進出を決めた。

安藤香織コーチが語るセミファイナルの勝因
ウインターカップ女子セミファイナルで京都精華を下し、決勝進出を決めた大阪薫英女学院。試合後、安藤香織コーチは「ほぼプラン通りだった」と振り返った。
京都精華対策として重視したのは、立ち上がりからのディフェンス。
「吉田選手をディナイし、簡単にボールを戻させないことを意識した」。留学生へのパス後もオールコートでプレッシャーをかけ、前半は得点を許す場面もあったものの、「相手のリズムは崩せた」と手応えを口にした。
今大会に向けては、インターハイでの敗戦を受け、勝ち切れなかった要因であるシュート精度とディフェンス強度を冬の期間で徹底的に強化。
「明日は成長した姿で戦えると思う」と決勝へ視線を向けた。
勝因として挙げたのは、個ではなくチーム全体の力だ。
「出た選手一人一人が役割を全うし、ベンチや応援、スカウティングを続けてくれた3年生も含め、すべての力が結集した勝利だった」。コート外での支えも含めた“総力戦”だったという。
J:高校生で、あれだけ高さのあるチームに対して、トランジション高く、ディフェンス強度を40分間遂行できるように、先生はどういうふうにバスケットを伝えているのでしょうか。
安藤コーチ
「そうですね。普段の生活、普段の練習がそのまま出るということを常日頃からやっているので、高さだけではなく、どんなチームが来ても戦えるように、本当に毎日準備しています。
その日その日の対戦相手に合わせてというより、自分たちの持ち味を出すだけ。
それを365日意識してやっています。
大会に入る前に、大阪人間科学大学の選手とたくさんゲームをして、シチュエーションゲームを重ねる中で、結果を気にして消極的なプレーになったり、明らかに確実なところを選びすぎたりという場面が何度もありました。
その結果、何度も負けてきたので、『結果を気にせず、タイミングよく打つ』『無理ならまたディフェンス』という意識を、メンタルトレーニング的な部分でもやってきました」
「落ちるかもしれないけど、とにかくいいタイミングで打ちなさい」ということだけを、コーチは言い続けたという。
最後に、「正直、目の上の存在だった京都精華に、インターハイや近畿大会ではやられてきましたけど、今日勝ち切れた部分は、これまでの経験がしっかり生きていると思います」と語った。
積み上げてきた日常とチーム力。その真価を、決勝の舞台で示す。

三輪美良々(大阪薫英女学院)|25得点
インサイドワークで存在感を発揮。
強さを見せたペイントアタックと、
体を張ったディフェンスでチームの勝利に大きく貢献した。
「薫英のバスケットを40分間、全員でやり切れれば、勝てるチャンスは絶対にあると思っていました。それができたので嬉しいですが、次の試合があるので油断はできません。絶対に勝ち切らないといけないと思っています。
ファールを重ねて前半は出られず、最後の大会で1年生の今井(優蕾)に任せることには悔しさもありました。でも、しっかり自分の代わりを務めてくれると信じて、思い切って送り出しました。
留学生に対しては、感情的にならせず、ノーファールで守ることを意識して体を当て続けました。嫌がってくれればチャンスになるので、そこを信じて体を張り続けました」
J:速い展開の中で、自分のシュートを決め切るために意識していたことは?
三輪
「高さがあるので、ブロックされたり邪魔されたりすることはあります。それでも外で逃げてしまったら点も取れないし、相手のファールも誘えない。留学生がいても逃げずに攻め切ることは、常に意識していました」
J:メンタル面の成長については?
三輪
「1年生、2年生と後悔ばかりのウインターカップでした。最後の大会になったら、もう自分がやるしかないと思って、とにかくやり切ろうと決めていました」
J:ペイントやミドルでのプレーで意識していることは?
三輪
「フェイクには必ず反応してくるので、ディフェンスを見ながら冷静に判断して、やり切ることを意識しています」
ファイナルに向けて
「インターハイで桜花学園に負けた時の後悔があります。今回は絶対に後悔のないように、40分間やり切って、攻め続けて勝ちたいです」
悔しさも責任も背負いながら、コートで示した覚悟。
大阪薫英女学院、最後の40分へ。
三輪美良々は、すべてを出し切る。
勝敗を分けたのは、特別な一瞬ではなく、積み重ねてきた日常だった。
役割を全うする選手、支え続けたベンチ、コート外で準備を重ねてきたすべての時間。その力が結集したとき、大阪薫英女学院は決勝の舞台へと進んだ。
最後の40分。積み上げてきた“チーム力”の真価が、いま問われる。




