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【ウインターカップ女子セミファイナル|DAY5】京都精華 セミファイナルで惜敗/満生小珀が見せた涙の想い/山本綱義コーチに聞く

【ウインターカップ女子セミファイナル|DAY5】京都精華 セミファイナルで惜敗/満生小珀が見せた涙の想い/山本綱義コーチに聞く

ウインターカップ女子セミファイナル。京都精華は大阪薫英女学院に71-80で敗れ、決勝進出を逃した。
試合序盤から相手の強度に押され、思うようなリズムをつかめない時間が続いた。それでも後半、何度も立ち上がり、食らいつき、最後までコートに立ち続けた選手たちの姿があった。スコア以上に、この一戦が京都精華にもたらしたものは大きい。チームの中心として戦った満生小珀は、試合後、悔しさを隠さず言葉にした。
そして、山本綱義コーチが語ったのは、敗戦の中にある確かな学びと、次につなげるための視点だった。このセミファイナルで京都精華が何を感じ、何を受け取り、そして何を積み上げようとしているのか。
その言葉に耳を傾けたい。

🗓️12/27(SAT) セミファイナル
京都精華 71-80 大阪薫英女学院

京都精華
71 18 1st 20 80
大阪薫英
13 2nd 29
24 3rd 16
16 4th 15

ボックススコア

 

満生小珀(京都精華・2年)に聞く

満生小珀は、2年生ながらチームの中心として存在感を放つ。ジョーダンブランド主催の大会への出場経験を持ち、同世代の中でも際立つ選手で、今大会はベスト4で幕を閉じた。

セミファイナル敗退を振り返った満生小珀は、「前半からリードを許す、これまでにあまりない展開だった」と率直な悔しさを口にした。
ハーフタイムでの指摘を受けて気持ちは切り替えたものの、「もっと前半から入りを良くしなければいけなかった」と試合の入りを課題に挙げる。

チームとしては、日頃の練習への向き合い方が試合に表れたと分析。
「練習での意識の低さがターンオーバーにつながっている」とし、今後はゼロから、指示の徹底と意識の底上げを全員で取り組んでいきたいとした。

また、3年生については「自信を持ってやっていいと声をかけてくれて、ディフェンスでもオフェンスでもチームを引っ張ってくれた存在」と感謝を述べ、先輩たちから多くを学ぶことができたと語った。

J:今の気持ちを教えてください

満生小珀
「今の気持ちを率直に言うと、悔しいです。
前半から、いつも言われているディフェンスの部分やリバウンドが出てこなくて、多分、向こうの方が気持ちが上回っていて負けたなと思います。」

大阪薫英について
「ディフェンスがすごく上手なチームで、そこで焦ってしまった部分がありました。
全員が得点してくるところや、3ポイントも含めて、守り切れず打たされてしまった部分が、この試合を振り返っての反省点です。」

J:足の故障の具合はどうですか

満生小珀
「はい。でも、やっぱりコートに立つ以上、怪我とか関係ないので、自分ができることは……(涙)
自分のターンオーバーだったり、ディフェンスの甘いところが出てしまったので、そこは練習からもっと厳しく、全員で徹底して、またこの舞台に戻ってこられるようにしたいです。」

J:今年1年間で、伸びたところや、もっと強くしたいと感じていることはありますか

満生小珀
「ウインターカップの最初の試合から含めて、チームの合わせがだんだんできるようになったと感じました。これから成長したいことは、ドライブに行った後の決定力をもっと上げることと、ヘルプが来た時のパスのバリエーションを増やしていきたいです。」

個人としては、この大舞台に再び立てたことを「大きな経験」と前向きに受け止める。自身の課題としては、5対5の中で強みを発揮すること、スペースを見ながら周囲を活かすプレー、そしてドライブ後やシュートの決定力向上を挙げ、「またこの舞台に戻ってきたい」と来年への意欲を示した。

京都精華・山本コーチに大会を終えて聞く

山本コーチは、「相手のスリーポイントが決まり、点差が開いたことで焦りが生まれ、バランスを崩してしまった」と試合を振り返った。
吉田選手については、「ガードとして迷いがあった部分もあったが、自ら得点を狙う意識を伝えたことで後半は積極性が出た」と評価。一方で、周囲が消極的になり、オフェンスの間が空いた点を課題に挙げた。「この悔しい経験を次につなげ、チームは必ず良くなる」と前を向いた。

J:ウインターカップという高校生のステージの難しさや魅力は。

山本コーチ
「そうですね。やっぱり最高峰のチームと戦えるということ。3年生にとっては最後の大会という意味も大きいですし、下級生を使っていくことで、いろんな意味で自信につながる大会だと思っています。
昔から、できるだけ下級生も入れながら勝てればいいなという思いで試合をしています。

ただ今回は、むしろ3年生の方がミスをしてしまった印象があって、最後にいい学びを3年生はしたんじゃないかと思います。
この経験を、これからのステージで活かさなきゃいけないと思っています。」

J:長く指導されている先生として、最後にウインターカップの面白さを一つ教えてください。

山本コーチ
「やっぱり醍醐味ですよね。皆さんが息をのんで試合を見てくださって、その中で大きな声援がある。それが選手たちの刺激にもなるし、緊張にもなるし、それを乗り越えれば大きな自信にもなる。『面白い試合を見せよう』とは言っていたんですけど、やっぱりがんじがらめになっていましたね。
まず1桁に縮めて、そこから行く予定だったんですけど、それ以上いかなかったのは力不足だったと反省しています。指導力不足だと思います。」

 

勝敗は、40分間で明確に刻まれた。だが、京都精華にとってこの試合は、ただの敗戦ではない。涙とともに語られた悔しさ、課題を正面から見つめる言葉、そして「またこの舞台に戻ってきたい」という強い意志。
満生小珀の言葉にも、山本コーチの振り返りにも、次への道筋がはっきりと示されていた。ウインターカップは、勝者だけの大会ではない。敗れたチームにも、確かに残るものがある。
この悔しさをどう積み上げていくのか。
京都精華の次の一歩は、すでに始まっている。そしてまた、この舞台で彼女たちが帰ってくる日を、待ちたい。

 

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