
初ワークアウトで見えた現在地と、
その先に描くプロの景色
Bリーグドラフトが、1月29日に開催される。クラブが選手を指名する新たな仕組みは、若手選手のキャリアとリーグの未来をつなぐ重要な一歩だ。
1月13日には、サンロッカーズ渋谷がBリーグドラフト2026の1位指名権獲得を受け、指名候補10選手を集めた『サンロッカーズ渋谷 Pre-Draft-Workout 2026』を開催。ドラフト本番へ向けた評価と準備は、すでに始まっている。
大学在学中・中退、高卒後など、
「今、プロに挑む」決断を下した選手たち。
その覚悟が試される日が、近づいてきた。
Bリーグドラフトに向けたワークアウト。大学トップレベルの選手たちが集い、プロのコーチ陣とスタッフが見守る中で行われたこの場は、単なるトライアウトではない。それぞれが“次のステージ”を見据え、自分の現在地を測るための真剣勝負の場でもあった。
その中にいたのが、赤間賢人。
大学在学中という立場でありながら、プロへの挑戦を選び、ドラフトエントリーを決断したシューターだ。

「滅多にできない経験」
プロの現場で感じた“空気”と“楽しさ”
ワークアウトを終えた赤間が最初に口にしたのは、意外にもシンプルな言葉だった。
「純粋に、楽しかったです」
プロのコーチが指導に入り、細部まで目が行き届く環境。スタッフの人数、進行のスピード、求められる強度、そのすべてが、大学とは明らかに異なる。
「こういった経験って滅多にできないですし、プロのコーチがいるところでワークアウトできたこと自体が、すごくいい経験でした」
初めての招集ということもあり、緊張がなかったわけではない。
「最初は緊張もありました。でも、自分ができることを全うしよう、という気持ちで参加しました」
“評価される場”である以前に、“挑戦できる場”。赤間はこのワークアウトを、そう捉えていた。
大学を離れてプロへ
決断の背景にあった「早く挑戦したい」という思い
赤間はこの日の時点で東海大学に在学中。大学でプレーを続けるという選択肢も、当然あった。それでも彼がプロへの道を選んだ理由は、明確だった。
「大学でやるっていうのもありましたけど、大学から途中でプロに行く選手を見ていると、自分も早く挑戦したいなって思ったんです」
“いつか”ではなく、“今”。
そのタイミングを逃したくなかった。
「そこでドラフトに参加しようと決めました」
インカレ前後という難しい時期。チーム内の関係性への配慮もあり、決断と公表のタイミングは慎重になった。
「インカレ前に出してしまうと、チームに影響が出るかもしれないという話も監督としていて。結果的に決断が遅くなり、コンバインの期限には間に合いませんでした」
それでも、挑戦を先延ばしにすることはなかった。
「シュートと得点力は、通用する」
自分の武器と、まだ足りない部分
Bプレミアという最高峰の舞台に挑むにあたって、赤間は自分を過大評価していない。
「まだまだ足りないところはあると思っています」
その一方で、はっきりと“強み”も口にした。
「シュート力や、得点を取るという部分では、通用するところがあるかなと感じています」
この日のワークアウトでも、その片鱗は随所に見えた。一方で、本人が課題として挙げたのはフィジカル面とディフェンス。
「オフボールのディフェンスやフィジカル、スピードはまだまだ課題です」
現状を正確に把握した上で、それでも前を向く。
「だからこそ、もっと努力して、自分の強みを発揮したいです」
印象に残ったクラブ
渋谷というチームが持つ“系譜”と“色”
クラブへの印象を問われると、赤間は具体的な名前と特徴を挙げた。
「先輩のJJ(ハーパー・ジュニア)さんや、ベンドラメ礼生さんがガードをやっているのと、東海大の先輩方が多いという印象があります」
サンロッカーズ渋谷についての印象は
「ディフェンスがすごくハードなチーム、というイメージもあります」
大学のつながりと、クラブとしてのスタイル。両方を理解した上での言葉だった。
「声がかかったこと自体が嬉しかった」
“注目されている”という実感
ドラフト候補として志望届を提出し、クラブから実際に「練習に来てほしい」と声がかかった時。
「注目してもらえているというのは、素直に嬉しかったです」
一方で、大学の退学手続きはまだ進行中。
「今日の時点では、東海大の赤間という紹介になります」
試験についても、「多分受けずに、手続き中という形です」人生の大きな転換点に立っていることが、言葉の端々から伝わってくる。
トップレベルの中で得た手応え
今回のワークアウトには、全国レベルの選手が集まった。その中で赤間は、自分のプレーをこう振り返る。
「シュートタッチが合わない部分もありましたが、それ以外はある程度できたかなと思います」
特に印象に残ったのは、環境そのもの。
「スタッフの数も多くて、やっていることのレベルが本当に高かったです。こういう舞台でやりたいと、改めて思いました」
また、他選手への評価も忘れなかった。
「日大の新井楽人選手は、自分と同じくらいのサイズで、フィジカルの強さがすごいなと感じました」
「挑戦する自信は、持てた」
すべてが完璧だったわけではない。
それでも、この日の経験は確かな“自信”につながった。
「シュートや得点の部分では、通用したところもありました。それが、今回チャレンジしようと思えた理由でもあります」
大学からプロへ。
安定を手放し、未知に飛び込む選択。
赤間賢人は、自分の現在地を受け止めた上で、前に進むことを選んだ。このワークアウトは、ゴールではない。プロへの道を本気で歩き始めた、その第一歩だった。
Jbasketインタビュー
J:高校(藤枝明誠)から大学へ行っても、あっという間の数年だったと思うんですけど、プロになるにあたって目指しているスタイルと目標を教えてもらっていいですか?
J:不安と期待が入り混じっていると思うんですけども、自分の中で「期待」の方が大きいから決断した、という解釈でいいですか?
赤間賢人は、福岡県出身、2005年6月19日生まれ。189cm/81kgのシューティングガード。
藤枝明誠高校では世代を代表するスコアラーとして頭角を現し、東海大学へ進学。大学では1年次から主力としてプレーし、関東大学バスケットボール新人戦 連覇の中心選手として活躍した。
今季の関東大学バスケットボールリーグ戦では、平均22.36分の出場で13.0得点、0.9アシストを記録。3ポイント成功率41.1%と高精度の外角シュートを武器に、安定した得点力を示している。
赤間賢人は、
「今なら挑める」と信じて、一歩を踏み出した。
プロへの道は、ここからが本番だ。
1月29日、ドラフトという舞台から始まる。
