
横浜ビー・コルセアーズは、前日に大差で敗れた名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのGAME2に臨み、立ち上がりから高い集中力を発揮。インサイドを起点としたオフェンスと粘り強いディフェンスで主導権を握り、80-70で勝利した。
今季リーグ戦通算成績を13勝22敗とし、今季最多来場者数となる4,911名の前で、特別指定選手の佐藤凪がホームデビューを果たした。(別記事にて掲載)
1/31(SAT)
横浜国際プール|GAME1
横浜BC 75-95 名古屋D
スタッツ
2/1(SUN)
横浜国際プール|GAME2
横浜BC 80-70 名古屋D
スタッツ
前日のGAME1で20点差の敗戦を喫した横浜BC。迎えた翌日のGAME2では、同じ相手に対して80-70で勝利を収めた。この連戦は、単なる修正や出来不出来ではなく、指揮官がチームに何を求め、選手たちがそれをどう体現したかを映し出す一戦だった。
前日の敗戦から、どう立て直したのか
立ち上がりから示した修正力
試合序盤、横浜BCはターズースキーを中心にインサイドで存在感を発揮。連続得点で流れをつかみ、開始4分で6点のリードを奪った。ディフェンスではビッグマン陣が身体を張ってペイントエリアを固め、相手に簡単な得点を与えない。アウトサイドシュートで追い上げを受ける場面もあったが、主導権は渡さず、4点リードで1Qを終えた。
2Qは開始早々に同点とされたものの、イングリス、クラークのペイントアタックで再び流れを引き戻す。中盤にミスから一時逆転を許したが、イングリスのプルアップシュートで持ち直すと、安藤誓哉が3ポイントを含む連続得点を挙げ、43-38と6点リードで前半を折り返した。
なお、前半終了間際には特別指定選手として登録された佐藤凪がコートに立ち、ホーム初出場を果たした。
苦しい時間帯を耐え、勝負どころで再加速
3Qはクラーク、須藤の3ポイントでリードを広げたが、その後13点のランを許し逆転を許す展開に。それでもイングリスのミドルシュートを軸に粘り強く食らいつき、終盤に再びリードを奪取。終了間際にはラベナが連続得点を挙げ、61-58と3点リードで最終クォーターへ向かった。
4Qは3Q終盤の勢いをそのままに、立ち上がりから8-0のランで一気に二桁リードを構築。5点差まで詰め寄られる場面もあったが、森井の3ポイントで流れを渡さず、終盤はイングリスがフリースローを確実に沈めて試合を締めくくった。
ラッシ・トゥオビHC
「全員が同じページに立てていた」
GAME1後のコメントでは修正点についてこう語っていた。
「ドルフィンズさんはボールがよく動き、ガードだけでなくビッグマンも動く、非常に機能したオフェンスをしていました」
その上で、敗因については相手ではなく自分たちにあると語る。
「相手云々より、自分たちに問題があったと思います。ターンオーバーの中には、相手の強度ではなく、自分たちで起こしてしまったミスがあり、そこからの失点が多かった。もっとできるはずだという思いから、正直がっかりしています」
短い準備時間の中での修正についても言及した。
「次の試合まで20時間もありませんが、起きたミスを糧にして、同じミスを繰り返さないようにしたいです」
また、安藤誓哉へのディフェンス対応を踏まえ、課題として「判断の速さ」を挙げた。
「トラップやディナイを受ける中で、状況判断をより早くすることが必要です。強度の高い相手に対しては、そこがうまくいきませんでした」
オフェンス全体についても、現状と改善点を整理する。
「このメンバーで無理にペースを上げるのは難しいですが、ボールを持って機能する選手が多いチームです。だからこそ、より適切な判断ができるようにしていきたい」
その言葉通り、GAME2では明らかな変化が見られた。
ラッシHCはチーム全体の共通認識を挙げた。
「今日は全員が同じ方向、同じページに立てていました。昨日はそこが欠けていたことで、オフェンスもディフェンスも混乱する時間帯がありましたが、今日は“どうやるか”まで共有した上で遂行できたと思います」
ゾーンプレスに苦しんだ3Qについても、「判断の速さと正確さが良い流れにつながった」と振り返り、横浜BCが掲げる“コレクティブ・バスケ”の継続に手応えを示した。
そして、
得点力について聞いた。
J:「中と外の連携」について伺います。シュートを決めきるために、今のチームに必要なポイントは何でしょうか。
ラッシHC
「まずは『自信』ですね。自信を持って互いを信頼すること。そして、チームの中で『誰にそのシュートを打たせたいのか』という共通認識を持つことが重要だと思っています。
このチームは特別で、インサイドが非常に強い。イングリスがインサイドで起点となり、そこから外の選手へパスが渡ってスリーポイントを決める。今日の前半にあった、イングリスから安藤へのパスで決まったシーンは、まさに良い例でした。
お互いがボールをシェアし、信頼して打てるようになること。それが、シュートを決めきるために今のチームに必要なポイントだと思います」

森井健太「自信を持って打ち切る」
森井は、3ポイントについて「何年も続けてきたことが、結果として出ている」と語り、「一番意識しているのは自信を持って打ち切ること」と明かした。
また、元チームメイトでNBA シカゴ・ブルズのホーム初登場して3ポイントを決めて勝利に活躍した河村勇輝にも触れ、「舞台は違いますが、自分も横浜で成長し、このチームを活性化させていきたい」と前を向いた。
前日の敗戦から、横浜BCは共通認識と遂行力で立て直した。厳しいシーズンの中で、名古屋Dから挙げたこの1勝は、チームにとって確かな前進となる。

名古屋Dショーン・デニスHCの悔しさと、強豪チームが求める基準
一方、敗れた名古屋Dのショーン・デニスHCは、結果以上に内容への強い悔しさをにじませた。
「相手がやってくることは分かっていた。それでも止められなかった。これは技術の問題ではなく、準備とマインドセットの問題です」
3Qの重要な局面でディフェンスをセットしながらも、リバウンドを奪われた場面。
分かっていながら止められなかったドライブ。
指揮官は、勝敗を分けるのは“準備”と“瞬間(モーメント)での集中”だと強調した。
「知っているかどうかではなく、その瞬間に体現できているか。全員が同じ基準を共有しなければ、上には行けません」

齋藤拓実は、次を見据える
コート上では、司令塔が冷静に現実を受け止めていた。
齋藤拓実は、横浜BCの入りの強さと、自分たちの受け身な姿勢を率直に認める。
「横浜さんが試合の入りから強く入ってきて、僕たちは少し受け身になってしまった。その時間が長く続いてしまったと思います」
勝負どころでのリバウンド、イングリスを自由にさせてしまった点、そして本来のルールであるディフェンスの規律が崩れた場面。
齋藤は敗因を感情ではなく構造として捉え、次に向かうための課題として言語化した。
「規律が崩れたことが、この結果につながったと思います」
指揮官の言葉が映し出した、両チームの”今”
このGAME2は、スコア以上に、両チームの指揮官がチームに求めている「基準」と「考え方」がはっきりと表れた一戦だった。
横浜BCラッシHCが語ったのは、「前日の敗戦からどう立て直したか」だ。
戦術を大きく変えたわけではない。重要だったのは、チーム全員が「何を狙い、どうプレーするか」を同じ認識で共有できていたことだった。
前日の試合では、オフェンスやディフェンスで判断が遅れたり、迷いが見える場面があった。
しかしこのGAME2では、ボールを持った選手だけでなく、周りの選手も含めて、判断が速く、プレーに迷いが少なかった。
ゾーンプレスに苦しんだ時間帯もあったが、ガードとビッグマンが役割を理解し、より早く正しい判断を積み重ねていった。インサイドの強みを活かしながらボールをシェアし続けた姿は、横浜BCが目指すバスケットの形を示していた。

一方で、敗れた名古屋DデニスHCは、より厳しい視点で試合を振り返った。
相手がやってくることは分かっていた。それでも止められなかった。その原因を、戦術や技術ではなく、準備とマインドセットの問題だと断じた。
特に問題として挙げたのは、順位が下のチームとのGAME2で起きやすい気の緩みだ。
良い試合をした翌日に、同じ強度、同じ集中力で試合に入れない。3Q、追いついた直後にリバウンドを奪われた場面は、その象徴だった。
デニスHCが繰り返し語ったのは、「正しいポジショニング」と「瞬間(モーメント)」だ。
相手の特徴を知っているかどうかではなく、その瞬間に正しい位置に立ち、正しい判断ができていたか。
勝敗を分けるのは、その小さな差の積み重ねだという。
試合前日の段階でデニスHCは、勝敗に関わらずチームに対して危機感を口にしていた。水曜日に良い試合をした後だからこそ、相手のスコアリングをどこまで妨害し、点数を抑え切れるか。その強度と集中力に、いくつか気になる点があったという。
バイウィーク明け以降、名古屋Dはスペーシングが大きく改善し、シュート確率も上向いている。その点については「非常にポジティブ」と評価しつつも、デニスHCが問題視していたのは、試合を決定づける局面で相手を押し切る意識だった。
いわゆる「キラー・インスティンクト(相手を仕留める感覚)」が、まだ十分ではない。
勝っていても、流れが来ていても、相手に息をさせないだけのインテンシティと集中力を、試合を通して保ち続けられるかどうか。その課題は、GAME2で表面化する形となった。
実際、集中力が切れたことで本来とは違うローテーションに入ってしまい、オープンな3ポイントを許した場面もあった。デニスHCは、上位チームとの戦いでは、そうした一瞬の隙が確実に突かれると強調する。
勝利してもなお、チーム全体で共有すべき基準がある。それを前日の段階から伝えていたデニスHCの懸念は、GAME2の内容によって、より明確な形で浮かび上がった。
「強豪・名古屋D」から、「優勝チーム名古屋D」へ。
そのために必要なのは、戦術以上に、高い意識、途切れない集中力、そして相手を仕留め切る覚悟を、チーム全員が共通認識として持ち続けることだ。
デニスHCは、その基準を、今日もチームに突きつけ続けている。

後半戦へそれぞれのチームが掲げていくもの
横浜BCは、厳しいシーズンの中で、前日の敗戦から修正し、価値ある1勝をつかんだ。
名古屋Dは、すでにCSの厳しさを知っているチームだからこそ、順位が下の相手への一敗、その「負け方」にも強くこだわる。
この一戦は、
立て直しによって前進した横浜BCと、敗戦の中から基準を再確認する名古屋D、両チームの現在地をはっきりと映し出していた。
厳しいシーズンを戦う中で、横浜BCにとってこの勝利は間違いなく大きな意味を持つ。前日の敗戦を受け、修正し、全員で同じ方向を向いてつかんだ名古屋Dからの1勝。内容と結果の両面で、チームが積み上げてきたものを示す一戦となった。
一方で、名古屋DはすでにCSの舞台で戦う厳しさを知っているチームだ。
だからこそ、順位が下のチームに対する一敗、そしてその「負け方」にも強くこだわる。その厳しさは、自らに課す基準の高さであり、同時に強豪であり続けるための姿勢でもある。
勝った横浜BCにとっては前進となる勝利。
敗れた名古屋Dにとっては、次につなげるための材料。
それぞれの立場が交差したこの一戦は、
シーズン後半、そしてCSを見据えた両チームの”今”を映し出していた。



