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【Bリーグ】齋藤拓実(名古屋D)「常に心がけているのは、いい判断をすること」優勝を見据える司令塔の現在地

【Bリーグ】齋藤拓実(名古屋D)「常に心がけているのは、いい判断をすること」優勝を見据える司令塔の現在地

ぶれない判断、その先へ。
優勝を目指す司令塔の現在地。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、今シーズン明確に「優勝」を見据えている。
その挑戦の中心にいるのが、司令塔・齋藤拓実だ。
日本代表でプレーし、再びB.LEAGUEの舞台へ戻っても、齋藤拓実のバスケットは変わらない。試合の流れを読み、必要な選択を積み重ね、勝利へ向かうための“基準点”であり続けている。
アーロン・ヘンリー、スコット・エサトン、今村佳太。どこからでも攻撃できる名古屋Dの中で、その力を最大化している存在こそ、齋藤拓実だ。

Scene|齋藤拓実の「現在地」

2025-26シーズン、齋藤拓実は
平均11.9得点|5.2アシスト|2.5リバウンド|1.3スティール。
FG成功率42.7%、3P成功率36.5%、FT成功率77.5%を記録している。

全23試合に先発出場し、1試合平均23分台。
限られた時間の中で、名古屋Dのオフェンスを安定して機能させてきた。ボールを長く保持するタイプではない。それでも、試合が揺れそうな瞬間には自然とボールが集まり、流れを変える起点となる。
齋藤拓実は、ボールを支配するのではなく、ゲーム全体を支配するポイントガードへと進化してきた。

そのプレーは、デニスHCが求める
「判断の質」と「再現性」を最も体現している。
ピック&ロール、スペーシング、トランジション。
どの局面でも、正解に近い選択を積み重ねることで、名古屋Dのバスケットに一貫性をもたらしている。

Moments|流れを読み、勝利へ導く“ぶれない判断”

齋藤拓実の真価が最も表れるのは、試合が揺れ始めた瞬間だ。点差が詰まり、会場の空気が変わる中でも、無理に攻めない。一度ボールを下げ、全体を見渡す。
例えば、終盤の競った展開。
相手が強くボールプレッシャーをかけ、得点を急ぎたい空気が漂う場面でも、齋藤は慌てなかった。自ら仕掛けるのではなく、ディフェンスの出方を確認し、ヘルプが一歩寄った瞬間を見逃さずウィークサイドへ展開。そこで生まれたワイドオープンのシュートが決まり、名古屋Dは再び主導権を握った。スペースを見つけ、ペイントにアタックし、フィニッシュかキックアウトかを即座に判断する。その選択を、チーム全体が理解し、遂行する。
「今、何をやるべきか」ではなく、
「今、何をやらないべきか」を選べる強さを持っている。
スコアに直接残らない場面でも、最も成功確率の高い選択を取り続けることが、結果として勝利を引き寄せる。

その判断力は、日本代表での経験に裏打ちされている。
トム・ホーバスHCもその点を高く評価し、FIBAワールドカップ2027アジア地区予選 Window1(対チャイニーズ・タイペイ2連戦)では、スターターとしてゲームコントロールを託した。
代表という緊張感の中で磨かれた感覚は、名古屋Dに戻っても変わらない。
舞台が変わっても、プレーの軸はぶれない。

Jbasket インタビュー|代表から戻った“リアルな今”

日本代表での活動を終え、すぐにBリーグの戦いへ。齋藤拓実にとって、その切り替えは決して簡単なものではなかった。

J:代表からすぐのバイウィーク明けでの試合、体は疲れていましたか。

齋藤
「疲れてましたね。コンディション良く試合に入りたい気持ちはあったんですけど、千葉ジェッツ戦のGAME1で前半に捻挫してしまって。
自分の中では、疲れが溜まっている時に起きやすい感覚もあったので、そこは仕方ない部分もあったかなと思います」

代表とクラブ。その行き来の中で、
“判断”を武器とする齋藤だからこそ、感じる難しさもある。

J:代表活動でも、名古屋Dでやっているディフェンスやローテーションが活きていると話していました。チームに戻ってどう感じていますか。

齋藤
「ドルフィンズと代表のバスケットは似ている部分も多くて、役割的にも普段からやっていることは多いんです。
ただ、久しぶりにチームに戻ると、実際の細かいプレーや判断を整理する時間が少なく感じることもあって。
オフェンスだけじゃなく、ディフェンスも含めて、考えすぎてしまう部分や、ゲームメイクとして十分にできていなかったと感じるところはありました。」

それでも、チーム内には刺激し合える存在がいる。

J:今村佳太選手、佐藤選手といった同世代との関係性について。

齋藤
「95年組の3人は、代表で一緒にやった経験もありますし、今村がBリーグユナイテッドとして海外で戦っていたことも、すごく刺激になりました。
プライベートでは仲がいいですけど、バスケットの話になれば、しっかり意見を言い合える関係です。
良きライバルであり、それがチームにとってプラスになっていると思います。」

Beyond Game|今シーズン目指す優勝、その先へ

デニスHCが求めるのは、個人技よりもチームとしての判断の統一だ。
ピック&ロールの精度、
ボールが止まらない展開、
そしてディフェンスからオフェンスへの素早い切り替え。

状況に応じて最適解を選び続ける、それを齋藤拓実はコートの最前線で体現している。デニスHCのバスケットを体現する存在である一方で、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが頂点へ辿り着くためには、齋藤拓実に、もう一段上の役割が求められる。流れを整え、正解を積み重ねる司令塔から、勝負を決めに行く司令塔へ。

CSの舞台で問われるのは、最適解だけではない。相手の狙いを折る1本、空気を止める1プレー。ファウルをもらい、時間を支配する判断。
「整える」だけでなく、「決め切る」。
その一手をどのタイミングで出せるか。そこに、今シーズンの名古屋Dの優勝がかかっている。

齋藤拓実は、ぶれない。
代表でも、名古屋Dでも、勝利のために選ぶ行動は一貫している。だからこそ、その先が見たい。チームを整える存在から、勝負を決めに行く存在へ。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズが
本当の意味で優勝を掴むために。
齋藤拓実の判断力と覚悟は、
今シーズンもチームの核であり続ける。

AND1では普段みることが出来ない表情をみせてくれた齋藤拓実

Jbasket AND1では、
日本代表での経験、
名古屋Dで担う役割、
そして「優勝するために必要なこと」を、齋藤拓実本人の言葉で深掘りする。

🎥 📸Jbasketインタビュー動画やアザーカット|AND1にて公開
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