
📅 11/5 (TUE)|第8節
🏟 ひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)
SR渋谷 77-74 島根
1Q 11-9
2Q 14-18
3Q 31-18
4Q 21-29
<SR渋谷>
ベンドラメ礼生 19得点5アシスト/グランタム 18得点8リバウンド5アシスト/ホーキンソン 17得点6リバウンド3アシスト/ハーパージュニア 10得点4アシスト
<島根>
ニック・ケイ 24得点15リバウンド4アシスト/岡田侑大18得点3アシスト/飯尾文哉12得点5リバウンド
序盤から激しい攻防、渋谷が3Qで流れを掴む
11月5日、ひがしんアリーナ。
東西の強豪が激突した第8節。サンロッカーズ渋谷が島根スサノオマジックを77-74で下し、連敗を7で止めた。島根の7連勝が途絶えた一方で、アリーナに残ったのは“勝敗を超えた熱”だった。
序盤は互いに守備の強度を高め合い、前半は島根がわずかにリード。
しかし3Q、渋谷が激しいプレッシャーディフェンスからリズムをつかみ、一気に主導権を奪う。島根はケイと岡田を中心に追い上げたが、最後まで集中を切らさなかった渋谷が逃げ切った。
渋谷が取り戻した“ハッスル”
試合は序盤から激しい守備戦。
1Qは11-9、2Qは島根がリズムを掴み29-25で折り返す。
しかし後半、3Qで渋谷が一気に流れを変えた。
前線からのプレッシャー、リバウンドへの執念、そして全員が声を掛け合う。
ベンドラメ礼生がスティールから速攻を導き、グランタムとホーキンソンがリバウンドを支配。そしてハーパー・ジュニアが全身でチームを鼓舞した。
このクォーターだけで31-18。
“渋谷らしさ”が戻った時間だった。



勝利を超えた想い
J:お互い力の入った1Qから、渋谷が3Qで抜けた要因はどんなところでしたか
ハーパージュニア:
「本当にディフェンスの部分で、自分たちらしい守りができたと思います。
何度も相手のやりたいことをやらせなかったし、リバウンドもみんなで取って、それをブレイクにつなげられた。
渋谷らしいバスケットを3Qで見せられたのかなと思います。」
終盤、足をつるアクシデントに見舞われたハーパー。
しかし、彼は再び立ち上がった。
J:足をつった後、再びコートに戻る姿が印象的でした。どんな想いでしたか
ハーパージュニア:
「仙台での2連敗で怪我をして負けた中で、もっとチームに貢献したいと思いました。
“何がなんでもチームの勝利に貢献したい、勝ちたい”という想いがあったので、
足がつった中でもKB(カイル・ベイリーHC)に『ワンプレーでいいから絶対出して』とお願いしました。
KBが自分を信じて出してくれたことに、本当に感謝しています。」
足を引きずりながらも再び躍動する。
彼の気迫にチーム全員が応えた。
この日の勝利は、数字では測れない“信頼の証”だった。
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「世界と戦って学んだことを試合や練習で出さないと意味がないと思っています。
ポイントガードが6人いる中でまた争いがあるので、ここからが勝負だと思っています。」
ハーパーは、勝利への情熱と代表への責任を胸に戦っている。彼の「勝ちたい」は、チームと日本バスケの未来を見据えた言葉だ。



敗戦の中で見せた“支配する力”
敗れた島根の中心にいたのは岡田侑大。
18得点を記録しながら、試合のリズムをつくる司令塔として存在感を放った。
ボールを持つたびに流れが変わる。
テンポを作り、リズムを操り、仲間を動かす。まさに“静かに支配する男”だった。
J:“試合をつくる”ところと“得点をする”ところ、今日その2つがはっきり出ていました。どんなことを意識して臨んでいましたか?
岡田:
「やっぱりハードショーで出てくるチームに対しては、自分は結構コントロールしやすいんですけど、なかなかドロップされるってことがこの3〜4シーズンなかったので、逆にやりにくさというか、いつでもシュートを打ててしまうので、そのパスを散らすというところを今日はできなかったのが結構悔しいです。
今日は点を取りに行くところははっきりしていたと思うんですけど、ゲームをつくるという面では、まだターンオーバーもありますし、ボールの散らし方としても、今日は最悪のゲームだったのかなと思っています。」
岡田は、試合のリズムを読む達人だ。
ピックの角度を見極め、相手のヘルプの出方を一瞬で判断する。
必要ならパスのタイミングをわずかに遅らせ、仲間の動きを整える。チームが乱れかけた瞬間でも、彼がボールを持つと空気が落ち着く。そういうセットや流れがチームに出来上がっている。
J:スタッツが良くても、納得がいかないときはどんな時ですか
岡田:
「やっぱり自分たちが勝っているゲームというのはアシスト数が多いですし、そういうところで自分が最初のきっかけになれている時は、多少シュートが外れていてもフラストレーションはたまりにくいんです。
でも、そのきっかけになれていない、プラス悪いディシジョンをしてしまっている時は、今日みたいにどれだけステップバックの3ポイントを決めても納得いかないです。」
「勝つために何が足りなかったかを考えるのが、自分の仕事です。」
岡田は常に“どうすればチームが良くなるか”を考える。
冷静に、論理的に、そして誠実に。
島根の敗戦の中に見えたのは、彼が次の勝利へ導くための光だった。



Jbasket視点
Beyond Game 戦いの先にあるもの
ハーパー・ジュニアは、最後まで諦めない闘志でチームを動かした。足をつりながらも3Q終盤に再びコートへ戻り、岡田のパスラインを切るように飛び込んだスティール狙い。その一瞬のプレーが流れを変えた。
一方、岡田侑大は冷静な判断で試合を支配した。
3Qの苦しい時間帯、プレッシャーを受けながらも軸を崩さず、ローポストへ正確に通したパス、コーナーへのキックアウト。そのすべてが“理”に裏付けされた技術だった。
ハーパーの“熱”と岡田の“冷静さ”。
異なるエネルギーが交錯し勝者と敗者を分けたのは、わずか3点。この試合はまさに、“Beyond Game”の名にふさわしい一戦だった。