NBAから帰国して2シーズン目。
今期も千葉ジェッツのユニフォームをまとい、渡邊雄太が再び立ち上がる。昨季、ケガに苦しみながらもチームを勝利へ導き、その存在が持つ“リアルな説得力”を見せつけた。そして今期。さらに磨かれたメンタルと技術で、チームの核へと進化している。
開幕7連勝。
3ポイント6本を沈めた群馬戦の試合では、LaLaアリーナの空気が一瞬止まり、放物線が静かにゴールへ吸い込まれていった。圧倒的な存在感とパフォーマンスでチームを牽引する。渡邊雄太のプレーには、余裕でも派手さでもない“緊張感の美”がある。
「勝つことを、当たり前にする。」その想いが、今期の千葉を支えている。
渡邊は人気や評価のためにプレーしているわけではない。「自分が信じるバスケットを見せる」ために戦い、そうプレーで伝えてくれている。
NBAやBリーグのように常に注目される世界で、“見られる人”ではなく“自らを見せる人”それが渡邊雄太の哲学を一言で表現したフレーズに感じる。
常に見られている。常に期待されている。
それでも、渡邊雄太は一歩も引かない。
「プレッシャーを感じるのは、それだけ求められている証拠。だったら応えるだけ。」
打つべき時に打ち、守るべき時に身体を張る。誰よりも声を出し、誰よりも静かに試合を支配する。その強さは“戦う覚悟”の結晶だ。NBAのローテーションの中で、限られた時間に結果を求められた経験。あのプレッシャーの下で生き抜いた男だからこそ、いまのBリーグでどんな重圧も恐れない。
若手がミスをしても怒らない。
「気にするな。もう一度行こう。」
その一瞬でチームの空気が変わる。
渡邊雄太という“静かな火”が、千葉を燃やしている。
千葉には、勝つカルチャーが出来上がっている。だが渡邊が持ち込んだのは、“勝ち方の哲学”。練習でも試合でも、彼は細部にこだわりを持つ。スクリーンの角度、パスのタイミング、守備の位置。1つのズレを放置しない。
「少しの遅れが、勝負を分ける。」
その姿勢がチーム全体のリズムを変えていく。
普段は吠えない。だが、ここぞ言う時は。ファンブースターに今ここで盛り上がろうと吠えて、鼓舞する姿を見せてくれて、チームがひとつにまとまる。
富樫勇樹との共闘。
言葉はいらない。
視線とリズムだけで通じ合う、そんな風に感じさせてくれる。
富樫のドライブが切り裂き、渡邊のポップアウトから放たれる3ポイント。
音もなく沈む瞬間、アリーナ全体が息を呑む。
「勇樹がテンポを作ってくれる。
自分はその流れの中で自由に動くだけ。」
二人が持つリズムと信頼が、千葉の攻撃をパワーアップしていく。
それはチームを超えて、
“日本バスケのシンクロ”を象徴している。
「日本代表で勝つことが、日本バスケを次のステージへ押し上げる。」
その言葉を実現するために、彼は戦い続けている。そして今期も、再びその舞台が迫っている。
2025年、ワールドカップ予選。
負けられない戦いがこれからまた始まる。
国のプライドを懸けた時間が、また、もうすぐ始まる。
「一つひとつの試合に重みがある。
その中でどれだけチームを高められるか。」
ベテランと若い世代とともに歩む新たな日本代表。
その中心で渡邊は、戦い方を示す。結果を恐れず、挑戦を恐れず。
勝つために、その答えを知る男が、また日本を導く。
渡邊雄太は、ただ帰ってきたわけじゃない。夢の続きを、この国で見ている。
地方の体育館でボールを追う子どもたち。画面越しに彼を見上げる高校生たち。
そのすべての夢が、彼の中に重なっている。
「この国からもっと多くの選手が世界へ出ていく。そのきっかけになれたら、それが一番の喜びです。」
LaLaアリーナで響く歓声の中、彼は静かに拳を握る。
その瞳の奥に宿るのは、“FROM JAPAN TO THE WORLD”というブレない信念。
渡邊雄太選手のJbasketインタビュー、そして河村勇輝選手についても聞けた。
Jbasket and1にて公開中

今期も、渡邊雄太は挑み続ける。
それは、チームを超え、リーグを超え、
日本バスケの未来を照らす、ひとつの光だ。
Jbasketは追い続ける。
渡邊雄太のプレーには、静かな中に確かな希望がある。結果ではなく“信念”で
チームを動かすその姿勢が、日本バスケの未来を押し広げている。