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【男子日本代表】富樫勇樹が語る“日本らしさ”を取りもどず「ベーシックに戻ってシンプルに戦う、日本がオリンピックを目指すならなんとしても2連勝を掴み取る」台湾戦へ向けて

【男子日本代表】富樫勇樹が語る“日本らしさ”を取りもどず「ベーシックに戻ってシンプルに戦う、日本がオリンピックを目指すならなんとしても2連勝を掴み取る」台湾戦へ向けて

バスケットボール男子日本代表は、2027年ワールドカップ出場をかけたアジア地区予選Window1に臨む。初戦となる台湾戦は11月28日、ジーライオンアリーナ神戸で開催される。8月のアジアカップではベスト8入りを逃し、その悔しさを胸に再出発するチーム。17日からの合宿には、富樫勇樹、渡邊雄太、馬場雄大ら経験豊富なメンバーに加え、新たに安藤誓哉、斎藤拓実とBリーグを代表するポイントガード陣も集結した。

公開練習後の会見で、ホーバスHCは「パリ五輪後は、いいこともあったけど、あまり日本らしいバスケットは続かなかった。これからうちの旅が始まります。旅というより、私の頭の中では“ミッション”です。本当にもう遊びとかない。みんなそういう考えです。やるべきことを全員が理解しています」と緊迫感も漂う雰囲気。今回の予選で、ポイントガードに求めることについて「ポイントガードはペイントアタックができることが必要。この間のアジアカップではペイントアタックが少なかった。経験があることはすごく大事。誓哉と齋藤はすごい経験があるじゃないですか。2人のそこがすごく大きいと思います。アジアカップでは色々試したけれど、今回は時間がないから、オフェンスも少なくなるけど、細かくしつこくやりたい。」と予選に向けて課題と見据える勝利へ向けて力強く語った。

今回招集された20名のうち、安藤誓哉(181cm/33歳/横浜BC)富樫勇樹(167cm/32歳/千葉J)齋藤拓実(172cm/30歳/名古屋D)ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(181cm/22歳/SR渋谷)湧川颯斗(197cm/21歳/三遠)瀬川琉久(185cm/19歳/千葉J)とポイントガードは6名が候補として招集された。そして、このチームの中心に常にいる富樫勇樹だ。ミックスゾーンに富樫がくると周りに数多くの記者たちが集まる。この夏も急遽、アジア・カップへ本番前に呼ばれた。ホーバスHCの全ての大会を経験している富樫が、その意図を最も体現する存在として丁寧に言葉を紡いだ。

「シンプルに戻る」日本が取り戻すべき“らしさ”

Q:日本らしいバスケットを取り戻すために、何が大事になりますか?

「トムさんも言ってましたが、やっぱりちょっとベーシックに戻ると、アジアカップも含め、複雑なことを少しやりすぎてた感覚はあって、実際それがね、日本のやりたい事というか、それまでの日本の良さっていうのを少し消してしまった部分はあると思うので。この短い時間で、また予選を戦わなければいけないので、シンプルにやってくという話でした。そして新しい選手、誓哉だったり、拓実だったり、あとニックだったりといますけど、そういう意味では自分たちの、その選手それぞれの強さ、強みっていうのは発揮しやすくなるのかなと思います」。

スピード、判断の速さ、チームとしての連動。ホーバスジャパンが世界で戦ってきた“日本らしさ”を再構築するにはポイントガードが鍵になる。

台湾戦へ向けて富樫が担う“決めきる”責任

J:ポイントガードが多く集められたなかで富樫選手の役割的なことは今回トムさんと話はありましたか

「まあ、変わらないですけど、でもこの前のアジアカップ見てても、相手の帰化の選手かな、あんまりペイントから出ることないと思うので、その辺はガード陣をピック&ロール使って。そういう意味で、アジアカップっていうのは結構スイッチしてきたり、アグレッシブに、ビッグマンも出てくるチームが多かったので、より自分たちのやりたいことっていうのはできると思うので、ちゃんと最後決めきれるかっていう事で、本当に、チームとしてもそうですけども、ほんと個人的にね、決めなきゃいけないなっていう気持ちはすごくあります」。“決める責任”を担う責任感が伝わる。

海外組不在のウィンドウで求められる“2勝”へ向けて
韓国、中国、台湾、この3つを見れば、台湾は1番重要にはなってくる戦い

Q:台湾の印象とこの予選グループに関して「台湾はずっと何度も対戦してきてますし、ガードの選手と同い年で、ずっと学生時代から戦ってきてるので。僕が代表入りだした時は、かなり黄金世代だったみたいで、強かった時期で、ここ数年は、台湾も育成だったり少し時間かかってるイメージでしたけど。この夏のアジアカップ見ていて、ガードの選手に2、30点平気で取ってくれる選手何人かいますし、滋賀の游艾喆選手を見てもそうですけど、ちょっとストリートっぽいというか、リズムの違う、アグレッシブな選手が多いイメージなので、そこはチームとしてはスカウティングをしっかりしなきゃいけないかなと思います」。

「韓国、中国、台湾、この3つを見れば、台湾は1番重要にはなってきますけど。もし日本が目指してるとこがオリンピックっていうことであれば、台湾もですが、中国も韓国もそういう意味では倒さなければいけない相手だと思うので、このシーズン中は海外組が来れないので、なんとしてでもね、この2試合を取って、次に進めるというか、繋げることが、今いるこの選手の役割だと思うので、自分たちの力を発揮して、しっかり2勝して戻ってこれるようにしたいなと思います」と、グループ初戦の台湾との戦いたいの重要性を語る。

 シューティングを終えた富永と富樫📸

Q:富永啓生をどう活かしていくか

「僕は一緒に出てる時は、常に彼がどこにいるかっていうのを把握しながらやっているので。アジアカップではね、かなり重要な役割で、最後のレバノン戦はそこもボール持たせないようにしてきて、リズムが狂った部分はあるので、それに対する対策はチームとしてやっていかなきゃいけないかなと思います。」

NBAから日本のBリーグ千葉ジェッツに所属してリーグ中の代表活動が初となる渡邊雄太と、今シーズンからレバンガ北海道に所属した富永の活躍に期待がかかる。

今回は渡邊雄太選手がキャプテンということで「代表でいつ雄太がキャプテンしてたかは知らないですけど、常にね、何かあればね、常に話す選手ではあったので、はい。でも、雄太はどうなんすかね。多分、初めてこのシーズン中にウィンドウに出るね、大変さっていうのは、今多分実感してると(笑)やっとね、今までね、僕たちが頑張ったところを、世界大会だけど、のこのことやってきて(笑)なんかね、色々と指示出してましたけど、その大変さっていうのをまずしっかり分かってもらった上で、こうしっかりね、チームとしてっていうか、勝つために一緒にね、やっていければいいなと思っています」と、富樫勇樹の周りに集まる記者たちからも笑顔が見られるコメントがでる。

 

前回の沖縄ワールドカップとは違うことなど含めて
この予選がどんなに大事になるのか

「実際、僕が東京オリンピック前の中国か、4連敗した時のと同じ状況ではあるので、始まりとしてはちょっとその危機感っていうのを選手がしっかり持ってやるっていうのは大事ではあるかなと。ほんとに、台湾戦で連敗スタートしてしまうとほんとに大変なので。はい。その辺はしっかり、気を引き締めてやっていかなければいけないし、その準備はできています」と語った。

まずは予選のスタートでつまずくわけにはいかない。

「東京五輪前、中国相手に4連敗した時と似ている状況。最初に危機感を持って戦わないといけない。連敗スタートすると本当に厳しい。その準備はできています」

再出発の場となる台湾戦。
富樫勇樹を軸に、日本は再び“日本らしさ”を取り戻しに向かう。

『FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選』Window1 直前合宿招集メンバー20名

安藤 誓哉(PG/181cm/33歳/横浜ビー・コルセアーズ)
富樫 勇樹(PG/167cm/32歳/千葉ジェッツ)
原 修太(SG/187cm/31歳/千葉ジェッツ)
渡邊 雄太(SF/206cm/31歳/千葉ジェッツ)
ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/29歳/サンロッカーズ渋谷)
齋藤 拓実(PG/172cm/30歳/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
馬場 雄大(SF/196cm/29歳/長崎ヴェルカ)
ニック・メイヨ(C/PF/206cm/28歳/広島ドラゴンフライズ)
吉井 裕鷹(SF/196cm/27歳/三遠ネオフェニックス)
川真田 紘也(C/204cm/27歳/長崎ヴェルカ)
渡邉 飛勇(PF/207cm/26歳/信州ブレイブウォリアーズ)
西田 優大(SG/190cm/26歳/シーホース三河)
井上 宗一郎(PF/201cm/26歳/仙台89ERS)
高島 紳司(SG/191cm/25歳/宇都宮ブレックス)
富永 啓生(SG/188cm/24歳/レバンガ北海道)
狩野 富成(C/206cm/24歳/サンロッカーズ渋谷)
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/181cm/22歳/サンロッカーズ渋谷)
金近 廉(SF/197cm/22歳/千葉ジェッツ)
湧川 颯斗(PG/197cm/21歳/三遠ネオフェニックス)
瀬川 琉久(PG/185cm/19歳/千葉ジェッツ)

ポジション別構成

(メンバーによってポジションが変動します)
【ポイントガード(PG)】
安藤 誓哉(181cm/33歳/横浜BC)
富樫 勇樹(167cm/32歳/千葉J)
齋藤 拓実(172cm/30歳/名古屋D)
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(181cm/22歳/SR渋谷)
湧川 颯斗(197cm/21歳/三遠)
瀬川 琉久(185cm/19歳/千葉J)

経験豊富な富樫・安藤・齋藤に加え、若手のハーパージュニア、湧川・瀬川らも選出。世代を超えた布陣で、プレーメイクの幅を広げる。

【シューティングガード(SG)】
原 修太(187cm/31歳/千葉J)
西田 優大(190cm/26歳/三河)
高島 紳司(191cm/25歳/宇都宮)
富永 啓生(188cm/24歳/北海道)

富永を中心に、シューター・ディフェンダータイプが揃う。特に3ポイントの成功率が勝敗を左右するポイントとなる。ディフェンスも強度高いメンバー構成となった。

【スモールフォワード(SF)】
渡邊 雄太(206cm/31歳/千葉J)
馬場 雄大(196cm/29歳/長崎V)
吉井 裕鷹(196cm/27歳/三遠)
金近 廉(197cm/22歳/千葉J)

渡邊&馬場の両エースに、オールラウンダーの吉井、金近が続く構成。
ディフェンス強度とトランジションで主導権を握る。

【パワーフォワード(PF)】
ジョシュ・ホーキンソン(208cm/29歳/SR渋谷)
渡邉 飛勇(207cm/26歳/信州)
井上 宗一郎(201cm/26歳/仙台)

帰化選手ホーキンソンがインサイドの中心。
スペーシングとリバウンドでチームを支える。渡邉と井上にも期待。

【センター(C)】
ニック・メイヨ(206cm/28歳/広島)
川真田 紘也(204cm/27歳/長崎)
狩野 富成(206cm/24歳/SR渋谷)

メイヨや川真田、狩野ら、Bリーグで存在感を示すビッグマンが集結。
将来的な帰化やローテーションの候補としても期待される。

 

🗓 大会概要
【大会名】FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選 Window 1
・11月28日(金)19:05 TIPOFF/GLION ARENA KOBE
・12月1日(月)20:00(日本時間)/新荘体育館(新北市)
📺 放送:BS日テレ/BS朝日
📡 配信:DAZN・TVer・ABEMA

《ホーム 大会概要》
【対戦】男子日本代表チーム(22位) vs 男子チャイニーズ・タイペイ代表チーム(67位)※カッコ内はFIBAランキング(2025年9月15日現在)
【日程】2025年11月28日(金) TIPOFF 19:05
【会場】GLION ARENA KOBE(〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町2番1号 )
https://www.totteikobe.jp/access/

【大会特設サイト】https://fibaworldcup2027-asianqualifiers.japanbasketball.jp/

【テレビ放送】2025年11月28日(金) 18:58~ BS日テレにて生放送
【配信放送】DAZN・TVerでライブ配信

《アウェー 大会概要》
【対戦】男子日本代表チーム(22位) vs 男子チャイニーズ・タイペイ代表チーム
【日程】2025年12月1日(月) TIPOFF 20:00 (日本時間)
【会場】新荘体育館(新北市)
【テレビ放送】2025年12月1日(月) 19:54~ BS朝日にて生放送
【配信放送】ABEMA・DAZN・TVerでライブ配信

FIBA大会公式サイト: https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-basketball-world-cup-2027-asian-qualifiers

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