
FIBAワールドカップ2027 アジア地区予選 Window1。日本代表はアウェー・新荘体育館で粘るチャイニーズ・タイペイを 80-73 で下し、ホーム&アウェーの2試合を連勝で突破した。タフな環境、タフなバスケット、そして会場全体の熱。あらゆる要素が試される中で、日本は強度と速さをしっかりと保って勝ち切り、2027年へ向けて力強い一歩で前に進んだ。
12/1(MON) @ 新荘体育館
日本 80-73 チャイニーズ・タイペイ
1Q 23-10
2Q 22-12
3Q 20-20
4Q 25-22
《日本》
西田優大 18得点(3P3本)6リバウンド 4アシスト
渡邊雄太 14得点 9リバウンド
ジョシュ・ホーキンソン 13得点(3P3本)11リバウンド
齋藤拓実 8得点 5リバウンド 4アシスト
富樫勇樹 8得点

今回ホーバスHCが掲げたテーマ「NO LAG」。
これががしっかりと体現された試合となった。ホーバスHCがWindow1で掲げたキーワードは迷わず、遅れず、止まらず。24秒の中で判断と実行をどこまで研ぎ澄ませるか。
ガード陣のテンポ、ウイングのフィジカル、そしてホーキンソンを中心に据えたインサイドの強度が、アウェーの地で如実に表れた。
GAME2
前半はホームの雰囲気も最高のタイペイが勢い持ってゲームに入るが、原修太のディフェンスや、西田優大のスリーポイントから勢いをもたらし、じわじわと日本が主導権を握るり、原と西田のディフェンスも相手エースを抑えこみ前半36 – 42逆転をして折り返す。3Qに入ると齋藤のダブルクラッチでペイントで得点を重なるが、終盤に相手の勢いに押されて57-57同点に追いつかれる展開。
しかし、勝負の4Q、日本はしっかりと落ち着きを払っていた。最も緊張が走る時間帯で、富樫勇樹が連続得点を沈めて流れを日本に戻し、西田優大がコンボガードとしてプレー、しっかりコントロールして主導権を再び奪い返して、流れを一気に引き寄せて勝利を手繰り寄せた。
試合を通して、キャプテン渡邊雄太を中心に、齋藤拓実のトーンセット、安藤誓哉の揺さぶり、西田優大の空気を変える一撃、馬場雄大と原修太の強度あるディフェンス、そしてホーキンソンの40分フル出場。全員が役割を全うし、日本らしい強度の維持によっての勝利をアウェーで掴み取った。日本はホーム&アウェーの2試合を連勝で終え、Window1を完勝で締めくくった。
選手たちが見せた 役割を果たす強さ
このWindow1で日本代表に求められたのは、どんな状況でも勝ち切る力。勝つことのみだった。アウェーの難しさを真正面から受け止めながらも、日本は自分たちのスタイルと強度を貫き、価値ある2連勝を手にした。
チームの軸となったのは、渡邊雄太キャプテンの存在だ。攻守のリズムを生み、精神的支柱として揺るがぬ軸を作った。ビッグマンとのマッチアップでも冷静に対応し、1対1の強さからしっかり得点できる力を見せて、リバウンドで主導権を握る姿はまさに日本の柱だ。
そこに今回2試合スターターで日本を牽引した齋藤拓実が前へ押し続けて、巧さと速さでタイペイを撹乱し、オフェンスの源流を作り出した。守備でも相手ガードへしっかりとディフェンスして試合全体のリズムをコントロールした。
安藤誓哉は硬直する時間帯で試合の呼吸を整え、アタックとパス、持ち前のエネルギーを見せて流れを日本へと引き寄せた。
西田優大は圧巻なパフォーマンスを魅せた。アウェー特有の圧の中でもブレず、3ポイント、ドライブ、ペイントアタック、走る姿勢、ボールをプッシュしてコントロールと、そのすべてが相手の勢いを断ち切る空気を変えるプレーが日本を支えた。
馬場雄大と原修太は、勝利のベースとなる徹底したディフェンスでタイペイを封じてくれた。
そこから日本の温度を作った。ローテ・ヘルプ・戻り・ルーズボール、何よりもフィジカル強いディフェンスでエントリーから流れを切るという一つひとつの積み重ねが、相手を自由にさせない時間帯を作り、日本の守備の強度を引き上げてくれた。
そして、ホーキンソン。
40分間立ち続け、リバウンド、3ポイント、ペイントでの強さ、スクリーンからフィニッシュと遂行した。どの局面でも安定をもたらし、日本の呼吸の中心として揺るがぬ存在感を示した。
その中で、試合を決めたのは4Qの最も重たい時間帯で、魅せてくれたのは富樫勇樹。
ホーバスHCは富樫なら切り裂いてくれると絶対の信頼をもって送り出した。富樫は期待に応えて連続得点を沈め、日本に勝利の道筋を作った。
クラッチ力、判断力、気持ちの強さ、そのすべてが凝縮されたあの数分間が、この試合の勝敗を決定づけた。
Window1の2連勝は、積み上げた強度と各選手の徹底した役割遂行による日本絶対勝利への想いだった。誰よりも負けられない戦いをしていたのだ。






トム・ホーバスHC試合後🎙️
「苦しい時間帯で立て直したチームを誇りに思う」
アウェーの熱気と相手の攻勢の中で崩れなかったチームを称賛。4Q同点で富樫を起用した判断、西田の成長、渡邊の存在感、ホーキンソンのリバウンドを高く評価した。
「タフな環境で勝てたことを嬉しく思う。素晴らしいスタート」と総括した。
富樫勇樹試合後🎙️
「タフな試合だった。それでも全員で勝ち切れた。
勝利を収められたことを嬉しく思います。」
西田優大のステップアップに「西田が非常に大きくステップアップした」「台湾に来てタフな試合になることは分かっていました。私たちは辛抱強く、全員が準備を怠らなかった」と語り、チーム全体が勝利に向けて集中していたことを強調した。
Window1を2連勝で突破し、次は沖縄へ
ホームの神戸、アウェーの台湾。空気が異なる2試合を、同じ強度でやり切った日本代表。この先、アジア予選はさらに険しさを増す。2月のWindow2では沖縄で韓国、中国と対戦する。日本は確実に、力強く前へと進み始めた。
ここから、2027年への長い戦いが本格的に動き出す。

#1齋藤拓実(PG/172cm/30歳/名古屋D)
#2富樫勇樹(PG/167cm/32歳/千葉J)
#3安藤誓哉(PG/181cm/33歳/横浜)
#12渡邊雄太(SF/206cm/31歳/千葉J)
#18馬場雄大(SF/196cm/29歳/長崎)
#19西田優大(SG/190cm/26歳/三河)
#24ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/29歳/SR渋谷)
#30富永啓生(SG/188cm/24歳/北海道)
#31原修太(SG/187cm/31歳/千葉J)
#34渡邉 飛勇(PF/207cm/26歳/信州)
#91吉井裕鷹(SF/196cm/27歳/三遠)
#99川真田紘也(C/204cm/27歳/長崎)
