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TANZA代表 井手将翔氏が創るバスケットクリニックへの想い/“バスケットをやって良かった” そこを伝えたい

TANZA代表 井手将翔氏が創るバスケットクリニックへの想い

バスケットにコミットできるように、好きになってもらうというファーストステップとして僕らは活動しています。

〈成功体験と自己肯定感〉

「小さな成功体験の積み重ねを大切にしてほしい。そして、自信を持った子ども達が世の中に増え、バスケットを取り入れることにより、たとえ失敗をしても、自ら考える力と心を一緒にはぐくんでいく場所を作りたい」。

「その土壌を少しずつ拡大していきたい。その為にも一緒に志しある仲間も必要。そしてセカンドキャリアとして、またバスケットに関わる仕事が一緒にできたら。バスケを心から好きな人が生き生きと仕事を楽しんでほしい」。

「ここTANZAは技術よりも子ども達の想いを優先する場所として、チャレンジして、成功したときの子ども達の笑顔をみれること。その、ひとつの成功体験が子ども達への力となること」。

このテーマとなる想いを軸として多様的なニーズに応えられるバスケットクリニックのTANZA。取材へ行くと幅広い年齢の子ども達が参加していた。真剣な眼差しで、その時間のなかで、たくさんの笑顔がみられたのが印象的だった。TANZA代表である井手将翔氏は幼少期から療養のためバスケットを始め、高校で現役を終える。その後、プロバスケ選手と交流を経て、やはり大好きなバスケをライフワークの中心に置くことを決意したという。すぐさま行動を起こし2023年7月よりバスケ教室Tanzaを開講する。熱量高きクリニックへの想い、そして子供たちファーストを考えた求人についても聞いた。

TANZAクリニック(教室)に対しての想い

“バスケットをやって良かった”
そこを伝えたい

J:クリニックを始めたきっかけを教えてください

「2つあります。1つ目は、ほんとにバスケが大好きで、ずっと仕事にしたいなと思っていて、仕事といってもBリーグ、コーチ業、あるいはバスケ関連のメーカーに勤めるという中で、自分が何をやりたいのか、正直わからなかった。でも、漠然とバスケを仕事にしたいっていう気持ちがありました。
2つ目は、その中でもやっぱり子供たちにより成長してほしいなっていうのがあって、私は『嫌われる勇気』というアドラー心理学の本が大好きで、その本の中に、 自立した子供を育てるということが、今後の世の中のキーワードになるようなことを読み取ったんですね。この自立した子供たちが世の中に増えた時に、もっと多様性もたくさん生まれると思っていて、AIが発達して経済的にも裕福になる国と、そうではない国と、雇用を失ってしまう人と、自分で雇用を作れる人と、その格差がすごい広がるような気がして、混沌な世の中になったとしても、自信を持った子たちがたくさんいれば、きっとそれを明るく切り拓ける世の中なるって。バスケットはそういうことにすごい適してると思っています。その想いでバスケット教室を始めました。

J:日頃は具体的にどんな活動をされていますか

「はい。バスケをやったことがない人たち、あるいはバスケをもう少しやりたい子供たち。主に初心者から経験者まで週1回を目安に練習を行っています。まずバスケットのルールを覚えるだったり、技術を伸ばす、それからバスケを通して自己成長をしていくことを大切にした教室としてやっています。現在、割合で言うと、8対2というか、9対1で初心者の子たち、1は中学生を教えてるんですけど、基本は小学生の子たちです。

J:その子たちに具体的にどのよう接して、どんなことを伝えていますか

「自分で自分を承認できる子たちを育てたいなって思っていて、僕らの時代は、ギリギリ体罰が残ってるような時代で、1つミスしたら交代って言うコーチも多かったり、僕は自分で自分を承認できる子たちを増やしたいなと、そのためには成功体験をたくさんする。それは、どんな小さなことでも、いい。ドリブル1回が2回にできたことも立派な成功体験だと思うし、そういった成功体験を自分たちで承認できて、それをさらに新しいステージに持っていくことができれば、自立だったり、自分で考えてバスケを楽しむ子たちが増えるんじゃないかなと思っています。なので、僕はそういうことを子供たちに伝えるようにしています」。

J:バスケット教室を通して一番伝えたいことは、バスケットの楽しさが自立に繋がる大きな力になっていくということですか

「バスケを通して小さな成功体験を積み上げて、自立した子たちを世の中に輩出するっていうのが僕らのミッションだと思っています」。

J:教室にくる親御さんとはどんな話をされていますか

「僕らの教室では親御さんの当番がないっていうところも来ていただいている理由の1つかなと思っていて、親御さまの負担がなく、送迎や当番がないので、リアルに話す機会もあります。例えば、「今日の練習で試合をやった時にエースにすごく守られちゃって、 家に帰って泣きじゃくっているんですけど、どうしたらいいですか」など。親御さんからアフターのそういったお声も結構いただいたりしています。そういう時は電話で30分ぐらい、コーチングじゃないですけど、次どうするかってなど。一緒にやったり話したり。子供へ過剰に干渉してしまうっていう悩みもいただいたりもします。そういう時は、まず優しく見守るっていうことと、僕ら大人ができることは環境を用意することだと思っています。というお話をさせていただいたりしてます。
ほんとに親御さまの悩みとかもいただきながら、一緒に成長できればなと、実際にそういう話をLINEだったりとかSNSでさせていただきながら交流しています」。

J:どういうことからバスケのみならず寄り添う形でやろうと思ったのですか

「1つは僕もそうですけど、現役の時は試合に出たいとか、全国大会出たいとか、上を目指して頑張ってる人たちもいるけど、プロになれるプレイヤーは一握りです。だけど、プロになることだけがバスケじゃないよっていうことは伝えたくて、その先にある社会人になった時にバスケで培った子供は必ずそのまなびが活きてくると思ってるんです。例えばコミュニケーション能力とか、調整をする力だったり、あるいはさっき言ったような成功体験を積み上げる。要は量をたくさんやってそこから質に落とす力とか、目標に向かって努力する姿だったり、目標から逆算してプロセスを作る。そういうスキルが必ず社会に役立つと思っているんです。僕はプロになれない人たちをたくさん見てきた。僕もそうですけど、例えばコミュニケーション能力、調整をする力や、成功体験を積み上げるなど、要は量をたくさんやってそこから質に落とす力だったりとか、目標に向かって努力する姿だったり。目標から逆算してこうプロセスを作って、そういうスキルが必ず社会に役立つと思っています。僕はプロになれない人たちをたくさん見てきた。僕もそうですけど、バスケをやって今の自分があると思ってる人たちがたくさんいるので、“バスケットをやって良かった”そこを伝えたいと思ってやっています」。

J:スタートした時期や今はどれくらいの規模でやっていますか

「そうですね、1年前ですね。2023年の7月から始めさせていただいて、今は150人ぐらいになりました。メインは今、千葉で県で市川市と浦安市と千葉市です。今後は多くの親御様からこういうエリアでもやってほしいっていうお声いただいてるので、全国に広げられたらなとは思っています。低学年の子がすごく多いなという印象で、2年生、3年生が1番多いです。東京含めて規模も大きくしていきたいと思っています」。

 

バスケットを仕事として

子供がすき、バスケが大好きっていう人たちと一緒に仕事ができたら

J:クリニックを仕事として、一緒の志しがあるコーチやいい仲間も必要ですね。

「そうですね、2つ必要な条件があると思っていて、1つはバスケが大好き。そして、バスケを人生の中心に置きたいなっていう人と仕事がしたいなと思っています」。

「もう1つは子供が大好き。 僕らは子供の成長を見据えてやってるので、子供の成長に寄り添えるような人を求めています。正直、技量は本当にそこまで求めないです。 肩書きやプロでの実績など必要ではなく、たとえば部活をちゃんとやってきて、部活で青春してきた上で、それでもバスケが大好きっていう人たちと一緒に仕事ができたらなって思います(笑顔)」。

J:教室はどんなスケジュールですか?試合や大会にでるとか、具体的なアクションを教えてください

「僕らはミニバスと部活に繋げることを意識してます。要はバスケが好きな子を増やして、よりバスケに熱中できるようなところに行ってもらいたいなと思っているので、試合に出るわけでもないですし、何か勝ち負けの世界の中で目標があるわけではないので、ミニバスだったり、部活のように、もっとバスケにコミットできるように、好きになってもらうというファーストステップとして僕らは活動しています。そこが目標ですね」。

 

バスケット教室へきてる子どもたちへ

「楽しい」から「できた」、「こんなことができたらもっと良いかも」仲間たちと一緒に成長する

J:教室に来ている子たちに柱として伝えていることは

「まず1つは、考える癖をつけようっていうことをずっと伝えています。トライアンドエラーを意識して欲しいこと。あとは礼儀の部分ですね。挨拶だったり、そういう日本人としての文化はしっかり守っていこうと。試合始まる前の礼儀を結構やり直したり、そういうところはしっかりやっていきたいです。あとは、風通しのいい空間は絶対必要だなと思っています。失敗しても笑われない環境を作ることが僕らの仕事です」。

J:参加する回数や時間帯、プレー面ではどの基準からなどは。

「ほんとに無理なく通えるというところが1番大事だなと思っています。バスケに興味を持ってくれることが素晴らしいことだと思っているので、その中で1番歩み出しやすい1歩を踏み出してほしいです。例えば家の近くに教室があるからそこに行ってみよう、この曜日だったらピアノ教室と両立ができるから土曜日に行こうとか。など、通いやすい時間帯に教室 に来てくれると嬉しいなと思ってます。火曜日だけ中学生の子を教えているんですけど、もちろん技術を伸ばしたい子は来てもらってますし、多様的なニーズに応えられるように頑張ろうと思ってます」。

J:この教室の強みを教えてください

「やっぱり基礎基本から丁寧に教えてほしいっていう方にぜひ見てほしいなって思っていて、素晴らしいミニバスさんも多いんですけど、 やっぱり人数が多すぎたりとか、あるいは高学年の子が多いところだと優先順位などあったり、なかなか基礎基本を教わらないまま部活に行く子が多いのかなと思ってるので、もし基礎基本をじっくりゆっくりやってみたいという子がいれば、ぜひTANZAを見てほしいなって思います」。

   

J:この教室からどんな子たちが出てきたりしたらいいですか、また想いを最後に教えてください

「総じて人生振り返った時にバスケをやってよかったなって言ってくれたらすごい嬉しいなと思います。社会的にも自己成長を通していろんな活躍をしてほしいですし、またバスケで上を目指すのは素晴らしいと思うんです。
どんな結果であったり、報われても報われなくてもバスケやってよかったなって思えてくれたら嬉しいですね。それがうちの教室だけじゃなくて、他のミニバスさんでも全部そうですけど、バスケやってよかったって、後悔してしない子が増えてくれると嬉しいなって思います。

僕は本当にバスケを通じて人生を作ってきたと思っています。 今こうやって良くしてくださってる方だったり、ご縁がある方は本当にバスケを通じてきましたし、 社会で営業やってきたりしていたんですけども、コミュニケーション能力や人間関係を作る力はバスケを通じて培ってきたものなので、バスケをやってる子たち、あるいはバスケに興味を持ってる子たちは素晴らしい決断、選択だなって思ってます。人生通してやってよかったなって思えるものをまず1歩このTANZAで踏み出してほしいなって思ってます。

バスケ大好きなんですよね。もうそれに尽きるんですけど、見てても熱くなれるし、面白いし、プレイヤーとしてやってもいろんな人間関係に繋がってくるし、接触がある分ハードになるけど、 やっぱりいろんな汗をかいて、いろんな感情を出して、いろんな人間関係が作れる。本当にバスケっていうものは素晴らしいなって思っています。バスケをやりたい人たちにバスケをやれる環境を用意できのがすごくワクワクします」。

 

井手将翔

東京都大田区出身。
幼少期から喘息を患っており、療養のためバスケをスタート。高校で現役を終えた後、様々なプロバスケ選手と交流を経て、バスケットをライフワークの中心に置くことを決意。2023年7月よりバスケ教室Tanzaを開講。

 

TANZA公式サイト

バスケットボール教室TANZA
Tanzaはただのバスケ教室ではなく、子どもたちの自立を支援することをメインとし、 「楽しい」から「できた」、「こんなことができたらもっと良いかも」という風な子どもたちの感情に寄り添いながら仲間たちと一緒に成長する場を提供します。

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