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【男子日本代表】日本代表候補のPG陣を徹底解剖! 安藤・齋藤・富樫の強み、それぞれの「らしさ」が導く勝利への方程式

【男子日本代表】日本代表候補のPG陣を徹底解剖! 安藤・齋藤・富樫の強み、それぞれの「らしさ」が導く勝利への方程式

男子日本代表は、2027年ワールドカップ出場をかけたアジア地区予選Window1に臨む。初戦となるチャイニーズ・タイペイ戦は11月28日、ジーライオンアリーナ神戸で開催される。8月のアジアカップではベスト8入りを逃し、その悔しさを胸に再出発する代表チーム。17日からの合宿には、Bリーグ屈指のポイントガードが新たに2人、安藤誓哉(横浜BC)と齋藤拓実(名古屋D)が久しぶりの日本代表としてトレーニングセンターで汗を流す。

NBA挑戦中の河村勇輝が不在の状況で、チームの司令塔としての役割を担うのは誰か。特に、新たに加わった安藤誓哉と齋藤拓実、そして代表の絶対的支柱である富樫勇樹の3選手は、それぞれ独自の強みと”らしさ”を持っている。

対戦するチャイニーズ・タイペイは、夏のアジアカップ2025ではベスト8に残った。

チャイニーズ・タイペイは、日本が敗れたイランと競り合い、準々決勝で75対78と惜敗して5位となった。

この大会に出場していて活躍していたNCAAでプレーしているヒルトン兄弟たちはこの予選では不在となるが、Bリーグでも活躍しているアグレッシブな游 艾喆(滋賀)含めアジアリーグで得点源のガード選手達は要注意だ。

1位: オーストラリア
2位: 中国
3位: イラン
4位: ニュージーランド
5位: チャイニーズ・タイペイ
日本代表は準々決勝進出決定戦でレバノン代表に敗れ最終順位は日本は9位

富樫勇樹が語る”日本らしさ”を取り戻す為に「ベーシックに戻ってシンプルに戦う。日本がオリンピックを目指すなら、なんとしても2連勝を掴み取ることが大事、まずは予選のスタートでつまずくわけにはいかない。東京五輪前に、中国相手に4連敗した時と似ている状況。最初に危機感を持って戦わないといけない。連敗スタートすると本当に厳しい。」と危機感という言葉を出す富樫。予選の難しさを理解しているからこそ、語る表情に余裕はない。


勝利への鍵を握る3人のPGに焦点を当てそのプレースタイルを徹底解剖

#3 安藤誓哉(PG/181cm/33歳/横浜ビー・コルセアーズ)
超攻撃型PGの系譜「自分らしさを変えないことダイナミックに躍動したい、縮こまったようなプレーはしたくない」

安藤は、自らアグレッシブに得点を奪いにいく「超攻撃型ポイントガード」として知られる。久しぶりの代表ではあるが、前回の予選でも日本代表を牽引して国際舞台での経験も豊富だ。勝負どころで頼りになる存在。
プレースタイル:ピック&ロールを軸に常にフィニッシュを狙うアグレッシブな得点意識。自らディフェンスを崩し最善のパスを選択するゲームコントロールの巧みさ。
強み:高いシュート力と多彩なドライブ。経験の豊富さとリーダーシップ、献身的なプレーと強いメンタルでチームを支える。

安藤は「自分らしさを変えないこと」の重要性を強調した。
「もちろんチームに必要なことをしっかりやっていきたい。その中で、自分らしくプレーすることが大事。」と遂に安藤誓哉が帰ってきた。短い準備期間で始まった日本代表の合宿。ホーバスHCのスタイルに瞬時に対応しなければいけない状況の中で、安藤誓哉は「自分らしさを変えないこと」の重要性を強調した。「もちろんチームに必要なことをしっかりやっていきたい。その中で、自分らしくプレーすることが大事。ボールを持つ時間は長くなると思います」と意気込みを語る。

安藤のアグレッシブさと個の打開力が欠かせない。安藤自身が最も意識しているのはスペーシング。ジョシュ・ホーキンソンらインサイド陣との距離感、どこからクリエイトを始めるか、短期間でも徹底してコミュニケーションを取り、形を整えている。「ディフェンスを含めると自分以外に9人がいる中で、時間がない中でもどうしたら良いのか、しっかり話していく必要がある」そして最後に、自分の武器を隠さず言い切った。「ダイナミックに躍動したい。縮こまったようなプレーはしたくない」迷いのない安藤誓哉の通常運転=攻めの姿勢。それこそが、Window1で日本の流れを変え、勝利を引き寄せる鍵となる。


#1 齋藤拓実(PG/172cm/30歳/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
クイックネスの申し子「全選手の持ち味を活かすためにコミュニケーションの部分も僕はしっかりとっていく

Bリーグで毎年アシストランキング上位に顔を出す齋藤は、そのスピードと判断力で相手ディフェンスを切り裂く。
プレースタイル:緩急をうまく使い、ビッグマンをかわしながら鋭いドライブからのフローターシュートなど、クイックネスを活かした多彩なアタックは、今シーズンの名古屋での勝利にも直結している。チームシステムの中で「自分らしさ」を発揮する卓越したゲームメイク能力をそのまま日本代表で見せてくれることに期待。
強み:圧倒的なクイックネスと的確な判断力。身長をハンデにしない、攻守における高い遂行能力。得点とアシストの両方を高いレベルで両立させる能力。

斎藤は「ガードだけじゃなくて全選手の持ち味を出すために何が必要だったのか。今回のホーバスHCのミーティングを聞いて、もっとこうした方がいいのかなっていう部分もあったりとか、その辺はこの合宿を通して伸ばせる部分だなっていう風に思ってるから、そういったコミュニケーションの部分も僕はしっかりとっていけたらなと思います」と語る。

#2富樫勇樹 (PG/167cm/32歳/千葉ジェッツ)
日本を牽引してきた絶対的司令塔が“決める責任”を担う

「最後決めきれるかっていう事、本当にチームとしても、個人的にも決めなければいけないという気持ちが大事」

日本代表の顔であり、長年PGとしてチームを牽引してきた絶対的司令塔の風格の富樫。その最大の武器は、体格差を感じさせない卓越したスキルと勝負強さにある。トーンセットして、落ち着きのあるゲームメイクや、クラッチタイムの富樫勇樹をこれまで何度も見てきた。
プレースタイル:ドリブル、シュートのバリエーションが豊富で、予測不可能なアタックと高い得点力。特にここぞの時のアウトサイドからの決定力は一級品。クラッチタイムでの勝負強さはチームの精神的支柱。
強み:NBAレベルの得点パターンとアシスト力を兼ね備える。高いバスケットIQと、ミスの少ない安定したゲームコントロール。強いメンタリティでこれまでキャプテンとしても日本代表チームを鼓舞してきた。

富樫は今回の役割についてこう語る「あまり変わらないですけど、でもこの前のアジアカップ見てても、相手の帰化の選手かな、あんまりペイントから出ることないと思うので、その辺はガード陣をピック&ロール使って。そういう意味で、アジアカップっていうのは結構スイッチしてきたり、アグレッシブに、ビッグマンも出てくるチームが多かったので、より自分たちのやりたいことっていうのはできると思うので、ちゃんと最後決めきれるかっていう事で、本当に、チームとしてもそうですけども、個人的にも、決めなきゃいけないなっていう気持ちはすごくあります」。

富樫の“決める責任”を担う責任感が伝わる。

ホーバスHCは、アジアカップを振り返り「ペイントアタック不足」「足が止まった時間帯」を課題として挙げた。その改善には、アウトサイドとドライブの両方で流れを変えられる選手が必要。今回の代表選考は、河村選手の不在を補い、経験豊富なPG陣による「得点力」と「安定感」を求めたホーバスHCの意図が見えてくる。

求められる役割:経験と得点力

安藤:タフな場面での打開力と得点意識
齋藤:スピードに乗ったトランジションとゲームメイク
富樫:リーダーとしての総合的な安定感と決定力

それぞれの“個のらしさ”が最大限に発揮され、化学反応を起こすことができれば、日本代表は“日本らしさ”を取り戻し「ベーシックに戻ってシンプルに戦い、2連勝を掴み取る」。チャイニーズ・タイペイ戦へ向けてコートでどのようなケミストリーを見せるのか、まずは絶対負けられない、日本ホームで開催されるチャイニーズ・タイペイ戦から目が離せない。

 

FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選』Window1 直前合宿招集メンバー20名

安藤 誓哉(PG/181cm/33歳/横浜ビー・コルセアーズ)
富樫 勇樹(PG/167cm/32歳/千葉ジェッツ)
原 修太(SG/187cm/31歳/千葉ジェッツ)
渡邊 雄太(SF/206cm/31歳/千葉ジェッツ)
ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/29歳/サンロッカーズ渋谷)
齋藤 拓実(PG/172cm/30歳/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
馬場 雄大(SF/196cm/29歳/長崎ヴェルカ)
ニック・メイヨ(C/PF/206cm/28歳/広島ドラゴンフライズ)
吉井 裕鷹(SF/196cm/27歳/三遠ネオフェニックス)
川真田 紘也(C/204cm/27歳/長崎ヴェルカ)
渡邉 飛勇(PF/207cm/26歳/信州ブレイブウォリアーズ)
西田 優大(SG/190cm/26歳/シーホース三河)
井上 宗一郎(PF/201cm/26歳/仙台89ERS)
高島 紳司(SG/191cm/25歳/宇都宮ブレックス)
富永 啓生(SG/188cm/24歳/レバンガ北海道)
狩野 富成(C/206cm/24歳/サンロッカーズ渋谷)
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/181cm/22歳/サンロッカーズ渋谷)
金近 廉(SF/197cm/22歳/千葉ジェッツ)
湧川 颯斗(PG/197cm/21歳/三遠ネオフェニックス)
瀬川 琉久(PG/185cm/19歳/千葉ジェッツ)

ポジション別構成
(メンバーによってポジションが変動します)

【ポイントガード(PG)】
安藤 誓哉(181cm/33歳/横浜BC)
富樫 勇樹(167cm/32歳/千葉J)
齋藤 拓実(172cm/30歳/名古屋D)
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(181cm/22歳/SR渋谷)
湧川 颯斗(197cm/21歳/三遠)
瀬川 琉久(185cm/19歳/千葉J)

経験豊富な富樫・安藤・齋藤に加え、若手のハーパージュニア、湧川・瀬川らも選出。世代を超えた布陣で、プレーメイクの幅を広げる。

【シューティングガード(SG)】
原 修太(187cm/31歳/千葉J)
西田 優大(190cm/26歳/三河)
高島 紳司(191cm/25歳/宇都宮)
富永 啓生(188cm/24歳/北海道)

富永を中心に、シューター・ディフェンダータイプが揃う。特に3ポイントの成功率が勝敗を左右するポイントとなる。ディフェンスも強度高いメンバー構成となった。

【スモールフォワード(SF)】
渡邊 雄太(206cm/31歳/千葉J)
馬場 雄大(196cm/29歳/長崎V)
吉井 裕鷹(196cm/27歳/三遠)
金近 廉(197cm/22歳/千葉J)

渡邊&馬場の両エースに、オールラウンダーの吉井、金近が続く構成。
ディフェンス強度とトランジションで主導権を握る。

【パワーフォワード(PF)】
ジョシュ・ホーキンソン(208cm/29歳/SR渋谷)
渡邉 飛勇(207cm/26歳/信州)
井上 宗一郎(201cm/26歳/仙台)

帰化選手ホーキンソンがインサイドの中心。
スペーシングとリバウンドでチームを支える。渡邉と井上にも期待。

【センター(C)】
ニック・メイヨ(206cm/28歳/広島)
川真田 紘也(204cm/27歳/長崎)
狩野 富成(206cm/24歳/SR渋谷)

メイヨや川真田、狩野ら、Bリーグで存在感を示すビッグマンが集結。
将来的な帰化やローテーションの候補としても期待される。

🗓 大会概要
FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選 Window 1
・11月28日(金)19:05 TIPOFF/GLION ARENA KOBE
・12月1日(月)20:00(日本時間)/新荘体育館(新北市)
📺 放送:BS日テレ/BS朝日
📡 配信:DAZN・TVer・ABEMA

《ホーム 大会概要》
【対戦】男子日本代表チーム(22位) vs 男子チャイニーズ・タイペイ代表チーム(67位)※カッコ内はFIBAランキング(2025年9月15日現在)

【日程】2025年11月28日(金) TIPOFF 19:05
【会場】GLION ARENA KOBE(〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町2番1号 )
https://www.totteikobe.jp/access/
【大会特設サイト】https://fibaworldcup2027-asianqualifiers.japanbasketball.jp/
【テレビ放送】2025年11月28日(金) 18:58~ BS日テレにて生放送
【配信放送】DAZN・TVerでライブ配信

《アウェー 大会概要》
【対戦】男子日本代表チーム(22位) vs 男子チャイニーズ・タイペイ代表チーム
【日程】2025年12月1日(月) TIPOFF 20:00 (日本時間)
【会場】新荘体育館(新北市)
【テレビ放送】2025年12月1日(月) 19:54~ BS朝日にて生放送
【配信放送】ABEMA・DAZN・TVerでライブ配信

FIBA大会公式サイト
https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-basketball-world-cup-2027-asian-qualifiers

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