5月5日(日)B1最終節が各地で行われて、サンロッカーズ渋谷が信州ブレイブウォリアーズとホームで対戦した。試合は82-59で勝利したSR渋谷だったが、試合後に中地区2位のシーホース三河も最終節に三遠に連勝したため、1ゲーム差で中地区3位となりチャンピオンシップ出場権を獲得できなかった。また信州ブレイブウォリアーズは最終節に連敗して来シーズンからのB2降格が決まった。今シーズン通算成績は10勝50敗で、B1の24チーム中、23位の結果となった。試合後に勝久HCの苦しい胸の内を聞くことができた。また、渋谷は今シーズン開幕から怪我人もあって、2勝9敗という厳しいスタートを切ったが、後半チーム力が上がり、渋谷が勝利を重ねて終盤に一気に追い上げを見せて最終試合までわからない試合を見せてくれた。三河との1ゲーム差でCS出場権を逃してしまったが、そのCS出場や今シーズンの戦いをルカHC、ベンドラメ、ホーキンソンが振り返ってくれた。
第36節 最終節
5/5(SUN) Game2
青山学院記念館 4,103人最多人数
SR渋谷 82-59 信州
1Q 21-16
2Q 25-13
3Q 12-14
4Q 24-16
<SR渋谷>
#8 ジョシュ・ホーキンソン 22得点 8Reb
#9 ベンドラメ礼生 14得点 (3P4/6) 4AST
#5 アンソニー・クレモンズ 14得点 4AST
#34 ライアン・ケリー 14得点
試合前から会場の雰囲気は最高の盛り上がりを見せて始まった試合は、渋谷の田中がスリーポイントを決めて幕を開けた。ベンドラメもドライブから得点していくが、信州の熱いブースターの応援が後押ししてスリーポイント決めてリードする。渋谷は激しくくるディフェンスに対応して、落ち着いてボールを動かし、ホーキンソン、ケリーといいリズムで得点し、選手交代もスターターとバックアップでいい流れをつくっていく。信州は、渋谷のディフェンスを中々崩せず、渋谷はホーキンソン、ギブスとインサイドでの強さを見せて得点して2桁得点差に広げる。ここで我慢して踏ん張りたい信州に怒涛のオフェンスを見せて一気に点差を広げてダブルスコアにしてリードする渋谷は、46-29で前半を折り返す。
後半、信州がインサイドとアウトサイドといいリズムで得点して追い上げる。信州の流れをホーキンソンのダイブからの得点も含めて流れを渋谷に引き戻す。そして再び20点差に広げる。信州は広げられた得点をコツコツ返して11点差まで追い上げるが、ホーキンソンのインサイドワークで得点を重ねていく。渋谷のディフェンスとオフェンスが信州の勢いを止めた。渋谷は選手が全員がコートで躍動してブースターは最高に盛り上がり最終戦を勝利した。
ルカ・パヴィチェヴィッチHC
J:CSに向けて、三河vs三遠の結果を見て率直な気持ちを教えてください
「はい。三遠さんは今シーズンずっと地区1位を走ってきて、CSに向けてある程度健康な状態でCSに進まないといけない、そういう風な状況ではあったと思います。ですので、自分もヘッドコーチとして、大野さんに関しては大きな尊敬の念を示します。なぜかと言うと、三遠さんは何年か前まで、大野さんが就任するまでは、このBリーグでも下位を争っていうようなチームをここまで引き上げた。そして今シーズンはバスケットの内容だけ見れば、リーグでトップの内容でバスケットしてたと思います。ですので、もうほんとに接戦となってできれば最後三遠さんが勝って終わるっていうのを期待をしていました。でも、もう、これはこういうものです。
色々なことがあったと思います。 そして必ずホームアドバンテージが絶対あったと思います。もしですね、もうほんとに勝って終わってくれたら、焼肉のディナーに連れて行きたかったなと思ってます(笑顔)」。
J:ローテーションが終盤にスターターとバックアップで作り上げたルカさんの気持ちを教えてください
「はい。もうこれがですね、ずっと今シーズンの出だしからできればよかったですね、、(悔しさを噛み締めた後、笑顔)。
でも、最後は全員が試合に絡むことができた。もっともっといろんな形で試合に絡みながら、試合を進めていければよかったんですけど、特にこの最後のフェーズは、もう絶対に落とせないゲームが続いていた。その中でどうしてもこのローテーションというのも狭めて、 絶対勝ちまで持っていかないといけなかったいう状況だった。もちろん怪我とかあって、ローテーションというのは色々変わってたりありましたけども、やはり狭い中でやっていかないといけなかったっていうのが実際ありました」。
最後に
「みなさん、ありがとうございました。 また来年ですね、是非このサンロッカーズ、そしてバスケットボール界を、皆さん、盛り上げていただきたいと思ってますし、ほんとに今シーズン、1年間ありがとうございました。ありがとうございました」。
ジョシュ・ホーキンソン
J:今シーズンルカさんのバスケットで、後半特に起点となってチームに力を与えていました。終わって、ルカバスケットをどう感じたかを教えてください。
「ルカヘッドコーチのバスケットスタイルはものすごく細かいところまで求めるスタイルです。まずその中で、全選手が共通認識を持って、コーチルカの求めるバスケットレベルまで 引き上げて、全員でやっていくというのは本当に時間がものすごくかかる。そういうシステムだと思ってます。その中で、今シーズン苦労してしまった結果としては、 どこかというと、全員の共通認識だったり、この共通理解っていうのが、どうしても得られなかった。そして、そこにどうしても時間がかかってしまったがために、苦しい最初の出だしを送ってしまったのかなと思います。
そして今シーズンの後半30試合、40試合の中では、 ルカさんのバスケットというのが浸透してきて、みんなが理解して、システムの中でしっかりチームが1つになってバスケットを遂行することができた。そして自分の強みも、選手間でも出しながらバスケットをしっかりできたことが、素晴らしい追い上げが出来てこのような結果で終わることができた理由だと思ってます」。
「今シーズン振り返ると、本当に長いシーズンで、ここまで来るのに苦労したなという振り返りになります。チームとしては、もしかしたら28勝ぐらいで終わるっていうことも全然考えられたんですけども、このチームは諦めることなくやるべきことをしっかりやった結果がこの最終日まで、どうなるかわからないところで僕たちは終わることができたと思います。そこまで頑張ってきたのは、本当に誇りに思いますし、ここまでもう最後争うことができて、いろんなことがありましたけども、1人1人の頑張りがあったっていうことは絶対に言えることだと思います。
学ぶものは本当に多くありました。日本代表のバスケットスタイルとは、正反対と言ってもいいぐらいのスタイルの違いがありますので、そこに関しては頭を使って理解していかないといけないない。毎日頭を使いながら、正しい状況判断をしながら、オフェンスもディフェンスも頑張ってきたからこそ、自分としても成長するものもたくさんありましたし、結果としてこういう風にチームとして成長するつことができました」。
ベンドラメ礼生
J:今シーズン2大リーダー、ルカHCとベンドラメ選手でやってこられて、今日で今シーズンが終わってどんなバスケットでしたか
「やっぱりよくあるのが、あの時勝ってればよかったなとか、あの時の試合がっていうのはあります。シーズン通して、なかなか人数が揃わないっていう試合も多かったし、 シーズン始まった当初は、そんなに噛み合ってなかったっていう時があったんですけど、試合を重ねるごとにチームが成長してるっていう手応えはありました。
バイウィークを挟んでからの練習をすればするだけ、チームとしての成熟度が凄く上がってるっていうのはあったので、 チームとしてすごい成長できたシーズンではあったと思います。
ただ、こうやって最後まで結果が分からないような試合にしてしまったのはやっぱり自分たちだし、 そこはすごい悔しいところではあります。でもいいチームとして成長できた。ただ、そのチャンピオンシップっていうところに手が届かなかったっていうのはすごく悔しいなと思います」。
勝久マイケルHC
J:チームとしては最後の試合になりますが、ミーティングでみんなと話して、何を共有したのかを教えてください
「こういう形で終わりたくなかったし、自分達のバスケットやメンタリティで終わることができなかったのは悔しいです。でも、この6年間チームを作り上げようとしてきて、カルチャーを作るというのは毎日バトルな部分もありました。今シーズン半分以上選手が変わって怪我人も多く、シーズン途中の変化も今までで1番ありました。我々のカルチャーよりは、 新しいメンバーでやらなきゃいけないことが多くて、なおかつ難しいシーズンの途中でチームをプッシュしなきゃいけない状況だったので、みんなには、それぞれが自分に正直になることを伝えてきました。
日々成長という目標を掲げている我々が、 なかなか今シーズンそれを達成できなかったと思っていて、毎日、 特に辛いシーズンの中で、笑顔じゃなかったかもしれないし、毎日辛いこともあったかもしれないですけど、毎日話し続けたことをどこまで自分のものにして、吸収して習慣づけて、毎日続けたから習慣になって、成長に繋がってっていうことができたのか。
あるいは、人間いろんな理由でいろんなことが邪魔になることがあると思いますが、周りに指を指したり、鏡を見なかったり(自分にベクトルを向けなかったり)。最近で言うと、2連勝で少し調子に乗ってしまって、準備段階でのディテールが雑になって、横浜との試合で準備したことができなかったり、昨日に関してもそうです。もちろん成長が0とは一切言わないですが、成長はありましたけど、いろんなことがその邪魔をしたこともあったのが事実です。
勝ち負け、B!、B2カテゴリーもあります。でも、指導者としては 1人1人がここにいたから、自分の人生がより成長できたとかをとにかく望んでいるので、このこの辛い1年がただの辛い1年になるのと、 自分に正直に向き合った時に、どうやったら今後の人生、今後のバスケット人生を成長に繋がるか、 絶対にこういう経験だってみんなのプラスにはなれる、ここから学べる。まだ自分も整理できてない、みんなも整理できてないです。これからそのプロセスを振り返る時にそこだけのお願いっていうような話をさせていただきました」。
「最終節も信州のホームのような応援をしてくださってた信州ブースターに本当に感謝しています。今までのこのチームに対する思いとかが本当に深いです。
(自身の進退について)基本的に来年も続けるという考えでいさせて頂こうと思っています。ほんとに自分にとっても、家族にとっても辛い1年だったので、 1回考えようと、考える時間を置こうとは思っています」。