高田真希のバスケットへの変わらない想い「自分がうまくなりたいと思う気持ち、もっともっと自分自身がバスケットボールを広めていく、そして1番は向上心を持つこと。アジアの頂点に立って日本に帰ってきますので皆さんたくさんの応援をよろしくお願いします」
高田真希といえば、長きに渡って日本のトップレベルで女子日本代表を支える大黒柱だ。リオデジャネイロ五輪、東京五輪、パリ五輪と3大会連続出場して日本を牽引して、東京五輪では出場の全6試合のうち5試合で2桁得点をあげで、銀メダルに導く大活躍をした。
高田は女子バスケットボールの普及の為に、社長業にも力をいれて現在も幅広く活動している。
そして日本代表の招集となれば必ずピークを作って代表で活躍するスーパー選手だ。このアジアカップから日本代表のヘッドコーチが男子アシスタントコーチだったコーリー・ゲインズHCになり、合宿に呼ばれた顔ぶれも一新した。渡嘉敷が復帰、19歳の田中こころ(PG)や今野紀花(SG)など若手も加わり、新生日本でアジアNo. 1を奪回、アジアカップへ挑む。
その前哨戦として、7月3日、4日に三井生命カップ東京大会(有明アリーナ)にてアジアカップへの強化試合としてデンマークとの2連戦を行った。
7/3(木) GAME1 日本🇯🇵 65-65 🇩🇰デンマーク
7/4(金) GAME2 日本🇯🇵 89-55 🇩🇰デンマーク
新しいチームメンバーで合宿を重ねてきて、田中こころや今野紀花など新戦力としてスターターで起用した。GAME1では、ターンオーバーや、ミスはあってもチャレンジを大切にして新しい戦術へアジャストしてきた。GAME2では、日本がやりたかったゲームプランを遂行できた。インサイドでは、渡嘉敷来夢が日本代表に復帰したりと、大きさと速さを発揮できるようにチームを仕上げている。その中で中心となって、日本チームを支えているのが高田真希だ。
新しいチーム故に、まだまだ波がある。高田が常に発言してきた、もっと上手くなっていきたいと話してきた通り、昨日よりも今日と、ステップアップすることを信条としていることがチームに浸透して若手とベテランが力を合わせて、しっかりと修正して成長を見せた。この2試合を通じて高田真希にチームや自身の成長や想いについて聞くことができた。
前日公開練習後でのインタビュー
J:毎回、代表で必ずピークを持ってきてることが尋常じゃないと思うんですけど、モチベーションや準備を教えてください
「ありがとうございます(笑顔)。やっぱり自分がうまくなりたいっていう気持ちがありますし、もっともっと成長したいなって思えていることが、1つのモチベーションになってるかなと思います。また、自分だけではなく、応援してくれる人もたくさん増えてきてるので、そういった意味では、その方々へもっとプレーを見たいなって思ってもらえるのも自分のモチベーションになってます。やっぱりもっともっと自分自身がバスケットボールを広めていきたいなっていう思いもあるし、いろんな思いがある中で、今年1番大きな事、新しいヘッドコーチになったこと。コーリー(ゲインズHC)からいろんなことを学べるっていうのは、現役でやってる時にはなかなかないことだし、いろんなコーチから指導を受けるというのは、自分自身も新たな発見があったり、もっとうまくなるなって感じて、いろんな刺激をもらってます。1番は向上心を持つこと、持ってることかなと思います」。
J:渡嘉敷選手や若手選手とどんなチームを作っていってますか
「本当にみんながモチベーションが高く、エネルギーを持ってやっているので、そういった意味ではこのアジアで1番を獲ることもそうですし、世界と戦っていくっていう、みんながそういった意識を持ってるからこそエネルギーが高いと思うので、自分自身もすごくやってて楽しいなっていうのは感じてます」。
チームの状態について
「自分たちが仕掛けた時に、相手がどう対応してくるか分かんないこと、その対応の仕方は1つではないので、こうなったらこう、こうなったらこう、1つずつ解決していくと、時間もかかりますし、その時の判断であったりだとかが重要になってくるかなと思うので、そのためにはやっぱ数をこなさないといけない。コミュニケーションを取ったり、先に声を出したりと、まずベーシックなところを理解しないと、そこはとっさに声が出なかったりとかするので、理解度で言うとまだまだ足りてない部分は大きいのかなって感じるので、そこをしっかりベテラン陣が補えるように率先してやっていきたいなと思います」。
しっかり遂行することによって本戦での戦いは
「オーストラリアや中国にもしっかりと勝てますし、その後のワールドカップにも繋がってくると思ってるので、いかにどこまで完成度を高めていくかは重要だと思うので、それが今やってる段階で試せるっていうのはすごくいい機会かなと思います」。
GAME1を終えて
J:ディフェンスで、相手の高さもあってローテーションが難しかった中で、高田選手はカバリングや色んなところに目を配っていだと感じられました
「そうですね。相手のスクリーンに対してこう守るとか、ポストに入った時こう守るとか、たくさん自分たちの守り方があるんですけど、それはまだ正直練習の中でやり込めてないっていうのがあって、選手が迷ってしまったりだとか、こういう時はこうするっていうのがまだ理解できてなくて、やっぱりこういう試合になった時に、それがとっさに体が反応しないことも起きてしまいました。1人が理解していないと、他の人たちもローテーションや連携が取れなくなってしまうので、その辺はみんながやろうともしてることは頭に入ってるんですけど、それがまだこう、とっさに体に再現できてないっていうのが、まだやり込めてない部分なのかなっていうのは思います」。
J:ツインタワーもあり、このメンバーはファンもみんなワクワクしてます。ここからの高田選手の理想のスタイルを教えてください
「高さがあるとはいえ、海外に行くとそんなに高さも関係ないと思うので、そういった意味ではどちらかというと、この機動力をしっかり活かしたようなオフェンスをしていきたいなと思うので、自分も代表だと5番を長くやってた部分もあるので、そういった意味ではしっかりドライブしてアタックする意識、3ポイントだけではなく、ドライブしてアタックするっていうのは意識として入れていかないといけないなって感じました」。
また、リバウンドについて
「高さがある人に対してしっかりまずボックスアウトをすることが大事。ペイントにアタックされてしまうと、どうしてもリングに近い位置までオフェンスが入ってきてしまうので、いかにその前に止めてタフショットを打たせて、リバウンドを取ってブレイクへと形を作らないと今日みたいな展開になるかなと思います」。
J:この試合のプレータイムは20分ほどですが、もっとあった方がいいのか、この時間がいいのかどうですか
「長くなる分には問題ないと思うので、そういった意味では信頼をもらってるのかなと感じますけど、やっぱりもっともっと結果を自分は出さないといけないなって感じるので、そういう意味ではコートに立ち続けることで自分はリズムを掴みやすいので、もっともっとプレータイムをもらえるように積極的にやっていかなきゃいけないと思っています」。
GAME2を終えて アジアカップ本戦に向けて
J:ディフェンスからのいい流れを作ることができたと思いますが
「チームとしてやっぱ昨日の試合でディフェンスが全然できてなかった、やりきってない部分が正直あったので、自分たちの中でこういう時はこうだよねっていうのが理解できて今日臨めたので、そういった部分が昨日とは違うかなっていう風には思ってます。
J:昨日よりも今日成長することを大切にしている高田選手は、チームとどういうことを共有してますか
「やっぱりポジティブにやっていくことが1番だと思っているので、もちろん修正しなければいけないところがたくさんあるので、それぞれの課題だと思いますし、やっぱり成長していく中ではミスは当然起きるものなので、そこをなるべく気にしないように次々と声をかけていくことが自分ができることかなと思ってます。
そうしていきながらしっかりリーダーシップを取って、まずは自分自身がしっかり得点に絡んだりとか、しっかりディフェンスでプレッシャーをかけたり、リバウンドを取るところをやっていけば、みんなももずっとやってくれるかなと、そういう風にしっかり先頭に立ってチームの成長を支えていきたいなと思います」。
「ここから、もうとにかく練習の中でどれだけ意識してできるかっていうところと、自分たちが今までやってきたことを少しずつ整理して、選手同士の中でしっかりとコミュニケーション、こういう時はこうだよねっていう部分と、オフェンスで決められた動き、フォーメーション、ナンバーコールを使うとしても、そこから相手がこうしてきたらからこうっていうオプションがまだまだできてない部分があるので、それはもっともっとやり込まないといけないと思ってます。それが出来てくれば、相手もアジャストが難しくなりますし、簡単に抑えることができないので、自分たちのスムーズな動きに繋がっていくと思います」。
J:そのリーダーシップを取っていく上で、スタッツを出さないといけない選手もいたりする中で、どんなフォローやチームに声をかけていますか
「新体制で、自分自身は新しいヘッドコーチから色んなものを学べるのはすごく楽しいですし、向上心も更にできてるになるかなと思うので、そういったようにみんなが楽しめるようにやっていけたらすごくいいなと。やっぱり自分がやることでみんながついてきてくれると思っているので、もうほんとに自分がただやり続けることですね。
あとは、なかなか波に乗れない選手もいたりするので、そういった選手たちをしっかり自分が声をかけたりだとか、ポジティブな声を出すとか、今日もそうですけど、色んな選手が活躍してくれるように、個性を持った選手たちが多いと思うので、そういった選手たちが、みんながしっかりこうポジティブになれるようにしていくのがすごく重要かなって意識してます」。
2025年7月13日〜20日
開催地:中国・深圳(深圳スポーツセンター)
予選グループフェーズ
グループA 中国(4)、ニュージーランド(26)、韓国(14)、インドネシア(57)
グループB 日本(9)、オーストラリア(2)、フィリピン(44)、レバノン(54)
試合日程(日本時間)
7月13日(日) 14:30 日本 vs レバノン
7月14日(月) 20:30 日本 vs フィリピン
7月15日(火) 17:30 日本 vs オーストラリア
7月18日(金) 準決勝進出決定戦/7-8位決定戦
7月19日(土)準決勝/5位決定戦
7月20日(日)決勝/3位決定戦
コーリー・ゲインズHC
宮田 知己AC
髙田 真希(PF / 185cm /35歳 / デンソー)
渡嘉敷 来夢(C / 193cm / 34歳 / アイシン)
宮澤 夕貴(PF / 183cm / 32歳 / 富士通)
川井 麻衣(PG / 171cm / 29歳 / デンソー)
栗林 未和(C / 188cm / 26歳 / 東京羽田)
馬瓜 ステファニー(SF / 182cm / 26歳 / CASADEMONT ZARAGOZA)
オコエ 桃仁花(PF / 183cm / 26歳 / ENEOS)
今野 紀花(SG / 179cm / 25歳 / デンソー)
星 杏璃(SG / 171cm / 25歳 / ENEOS)
東藤 なな子(SG/PG / 175cm / 24歳 / トヨタ紡織)
薮 未奈海(SF/SG / 178cm / 20歳 /デンソー)
田中 こころ(PG / 172cm / 19歳 / ENEOS)
栗林未和選手、今野紀花選手、田中こころ選手が初選出となる。薮未奈海選手はFIBA公式大会初選出。