B2のプレーオフ セミファイナルの注目カードが5/12.13.14に千葉ポートアリーナにて行われた。
2戦先勝で勝ったチームがB1昇格となるこのカードは注目の対戦となった。
お互いに昨シーズンにB3リーグに参入して、圧倒的な強さを見せてB2に共に昇格した。そして今シーズンは、アルティーリ千葉は東地区で47勝13敗で優勝し、長崎ヴェルカは43勝17敗で西地区2位という素晴らしいパフォーマンスで結果を残して、プレーオフに入った。
そのプレーオフの組み合わせトーナメントでは、組み合わせ上どちらかにしかB1昇格ができなくなり、直接対決での勝者が上がれる事になった。切磋琢磨してやってきたチームはお互いにB1昇格という目標というライバルであり、同志であった。そして今回は長崎が激闘、死闘を制し勝利して先にB1昇格を決めた。
5/12(金)千葉ポートアリーナ
A千葉 91-104 長崎
1Q 18-18
2Q 25-33
3Q 27-28
4Q 21-25
<長崎>
#5 マット・ボンズ 29得点 8Reb
#9 パブロ・アギラール 22得点 12得点
#34 ジェフ・ギブス 13得点
#4 狩俣昌也 11得点 8AST
#1 松本健児リオン 10得点
<A千葉>
#30 イバン・ラベネル 20得点 9Reb
#0 木田貴明 18得点
#21 ブランドン・アシュリー 15得点 9Reb
#6 小林大祐 12得点
#24 大塚裕土 10得点
試合開始2分でA千葉のレオ・ライオンズが、怪我から帰ってきてチームに貢献する大事な試合で負傷してしまい欠場という事態が起きた。それでも、フルタイム並みに、アシュリー、ラベネルがハッスルしたが、ボンズ、ダブルダブルのアギラール、そして起点となった狩俣がゲームをコントロールしてGame1を勝利する。
<試合後コメント>
前田健滋朗 HC(長崎)
「長崎から沢山の方々に来て我々に力を送って頂けて感謝しております。A千葉さんの強みを出された試合でしたけど、なんとかDFで粘る事が出来てOFでは我々のペースで試合後する事が出来ました」
J:40分間インテンシティ高くやり切った事について
「我々のスタイルはハードにアグレッシブにDFする事がクラブとしてのフィロソフィーなので、それは私からも選手にゲームの中で、ここで行こうなど伝えてますが、その前に選手達が理解をしてそういう状態を作れていると思います」
J:ハイスコアになり僅差はどこにあると思われますか
「我々のペースがうちに来る事が大きかったと思います。常にハイペースでやりたいと思っているチームで、その様に出来た事がほんの少しの差に繋がったと思います。次もタフな試合になると思いますので準備したいです」
狩俣昌也 (長崎)
J:今日の試合の決め手はどこに
「特に前半にDFとRebの所の意識が良かったと思う。後半は、課題も残ったので映像を見返してしっかりチームで修正したいです」
J:終わった後にチームに話した内容や声掛けの内容を
「しっかり切り替えてまた明日新しいゲームになるので、また集中して明日を迎えようと話しました」
J:GAME2で気をつけることを
「相手は今日以上のエナジーで来るので、そこで絶対に負けないこと。そしてもう一回コーチ達が準備してきたゲームプランを選手が、今日よりもより良くコートで表現する事が大切だと思います」
アンドレ・レマニス HC(A千葉)
「最初の2分でライオンズが怪我をしてしまったので考えてたプランとは違う形になってしまった。他2人の外国籍選手にかなりの負担がいってしまい、それが試合前と試合中では違うので、起きてしまうとプランの変更、アジャストに難しい所がありました。その中でもシュートも食いしばってやってくれた。それでも104点取られてしまったのでDFで大きく修正していかなければいけない。長崎さんがかなりプレッシャー強くDFしてくるのでどう対応していくか、TOも少なくして、OFリバウンドをしっかり修正していきたいと思ってます。
キープレーヤーが怪我をして勝つ事も、長年コーチをやってきて経験してきているので全員でハードワークして信頼してやっていきたい。」
大崎裕太 (A千葉)
J:アクシデントの中からチームを繋ぎ得点して鼓舞していた事と試合後は皆んなにどんな話をかけてましたか
「注目カードの中、出だしは悪くなかったですけど長崎さんのリズムになって走られてしまいました。相手はプレッシャーがあるので、自分はアタックする事は忘れずに、考えながらシューター陣に気持ちよくシュートを打たせる事も仕事なのでバランスを考えながらやっています。全体的にTOから得点に繋げられてしまってこの点差になってしまいました。
レオのアクシデントがありますがとにかく明日に向けて切り替えて行こうと話し、それは自分にもそうですし、言う事で自分も引き締まるので言いました。誰一人下を向いてなく、全部出し切ってまず次勝ってGame3に繋げられる様にしていきたいです」
5/13(土) 千葉ポートアリーナ
A千葉93-61長崎
1Q 31-11
2Q 18-13
3Q 19-17
4Q 25-13
<A千葉>
#21 ブランドン・アシュリー 22得点 20Reb
#30 イバン・ラベネル 21得点 11Reb
#24 大塚裕土 20得点(3P6/9)
#19 大崎裕太 10得点
<長崎>
#5 マット・ボンズ 18得点
第1戦を落とし、崖っぷちのアルティーリ千葉は地鳴りのように響くホームの大声援が後押しした。そして大塚は20pts、3Pが6本と爆発した。
その後も、元からストロングポイントである強度の高いディフェンスが機能しリズムを掴み、#21 ブランドン・アシュリー(22pts)や#30 イバン・ラベネル(21pts)等が着実にスコアを重ね、A千葉は終始リードを守り、49-24で前半戦を終える。
後半でも、千葉の勢いを止められない。
A千葉ガードの大崎が躍動。巧みなドリブルとターンでディフェンスをかわしドライブイン、鮮やかなレイアップから得点を決め、会場の熱気も最高潮に達する。
A千葉は、後半戦でも44-30と、更に点差を広げ、そのまま第2戦に勝利して第3戦(最終戦)に臨み、B1昇格がとちらかが決まる。
<試合後コメント>
アンドレ・レマニス HC(A千葉)
「今日に関しては負けたら終わりという立場の場だったのですが、その状況というのがプレッシャーだったりストレスになり過ぎてしまうのか、もしくはベストを出し尽くせるような状況になるのか両方ともあり得た試合だった。皆さんも見て頂いたように、素晴らしいハードワークでパフォーマンスを出せていた、その事自体が非常に素晴らしかったと思います。
ただ、明日また勝たなきゃいけないという状況に関しては、昨日と変わらずなので毎試合もちろん違うけど”全てのエナジーと全てのハードワーク”をしっかり出して、いいパフォーマンスして明日の試合に臨みたいと思っています」
大塚裕土 (A千葉)
「負けられない状態で今日を迎えて、ただ昨日終わった時点から今日の試合までに小林選手だったり僕もミーティングで話しました、Game1に負けてもGame2.3で勝ってきた事も僕たちには沢山ありますしそういった事をチームに話したり、レオ・ライオンズ選手からも自分が怪我した事によって、皆んなにエナジーに変えて欲しいとメッセージがありした。
自分達もレギュラーシーズン最高勝率で終わってるという自信もありますし、ポートアリーナで連敗しないっていうのもあります。
それぞれが覚悟をもって今日の試合に挑んで、出だしからその姿勢を見せれたと思います。明日、やるべき事は僕らもそうですし、長崎さんもやるべき事は決まってると思うので
“どっちが気持ちが強いか”
明日はっきり決めて必ず勝ちたいと思います」
前田健滋朗 HC(長崎)
「千葉さんの勝利に対しての気迫で圧倒されてしまったと思ってます。もちろん我々も本当にハードに最後までアグレッシブにプレーをしてたんですけども、それを上回るプレーを千葉さんは表現したと思ってます。でも、今日は今日なので明日Game3しっかりとコーチ陣で対策を練って明日彼らをしっかりと止める準備をする。
あと選手達に話したのは、明日我々がどういったチームかという示す場なので我々のスタイルをしっかり表現すること、そのために先ずは明日に向けて準備しようと話しました」
5/14 (日)
A千葉86-91長崎
1Q 25-24
2Q 20-22
3Q 18-28
4Q 23-17
<長崎>
#5 マット・ボンズ 33得点
#14 高比良寛治 15得点
#34 ジェフ・ギブス 15得点
<A千葉>
#11 杉本慶 24得点 13AST
#30 イバン・ラベネル 23得点 16Reb
#0 木田貴明 19得点
共に1勝1敗で迎えた最終戦、この日の勝者がB1昇格となる、まさに運命の一戦となる。
当然の如く、試合前から普段以上に、会場全体に漂う緊張感と、両チームの勝利への意志を感じる特別なゲームを感じさせる。
序盤、A千葉の大崎の3Pシュートを皮切りに、連続得点で9-0のラン。しかし長崎はギブスを投入して、即座に修正を図る。
両チーム譲らず競り合うが、長崎が押し気味の展開は続き、45-46と長崎が1点リードで前半折り返す。
後半に入って長崎は、この日34得点と爆発したマット・ボンズや”スピード”でチームに勢いをもたらした松本健児リオンの速攻を中心に引き離しにかかる。
A千葉アシュリーが4つ目のパーソナルファウルをとられ苦しい展開となる。ここで長崎アギラールのブザービートとなるスリーポイントで11点差として第3クォーター終了し、第4クォーターに入る。
A千葉は、9点差から、杉本、ラベネルを中心にスコアを重ねて、流れを引き寄せ、遂に逆転する。A千葉がリードの中、この日活躍するギブスが、アンスポーツマンライクファウルを受け、それがディスクオリファイリングフォウルとなり退場…。それを受けA千葉ベンチもホームの観客全体に盛り上がるが、それでも気持ちを切らさず、寧ろ冷静に集中力が増した長崎は、ボンズや高比良が、要所でスリーポイントを決め、一進一退の攻防から再逆転する。最後は長崎が激戦に勝利してB1昇格の切符を掴んだ。
長崎は、B2プレーオフファイナルで佐賀バルーナーズと先だって新アリーナになったSAGAアリーナで戦う。また、A千葉は、3位決定戦に回ることになった。
この3日間のA千葉と長崎の戦いは、後に振り返った時にBリーグでの大事な意味がある戦いになると思われる。試合後全てを出し切った両チームにスタンディングオベーションで讃えて感動的なエンディングになった。
<試合後コメント>
前田健滋朗 HC(長崎)
「本当に3日間千葉さんとは激闘でした。本当に本当に最後の最後まで戦い切った両チームっていうの凄かったと思ってます。
千葉さん本当に素晴らしいクラブで彼らがいたからこそ、我々長崎というのは昨シーズンから成長もしてますしクラブとしても千葉には負けない千葉に絶対勝つんだと常に言い続けてきて切磋琢磨する最高の対戦相手でした。
本当にありがとうございますと伝えたいです。
ライオンズ選手も最後姿を見せてましたけれども本当に彼も非常に残念な形でプレーする事ができなかったので一日も早くコートで彼のプレーが観れるという事を祈っています。」
試合に関しては最後の最後試合に勝つことができた。これも長崎一丸となって勝つことができたと思っています。
我々を取り巻く色んな方々というのが長崎ヴェルカをサポートして頂いてヴェルカの和っていうのは本当に広がっていって強くなってっているという事を強く強く感じています。
最後に今日最高の笑顔というのを見ることができて皆んなで喜び合うことができて本当に嬉しく思います。
ただ長崎ヴェルカとしては、この次もっともっと最高の景色が見れるようにまた、一丸となって一緒にその最高の景色を見に行ければと思います」
アンドレ・レマニスHC(A千葉)
「昇格された長崎さん本当におめでとうございます。素晴らしい3日間の試合ができたと思います。何度もお伝えはしていてるんですけれども本当に長崎さんのプレースタイルに合わせてタレントを集めてきてたりだとか、アリーナも素晴らしい環境を作ったり実際に行ってみた時に感じるんですけれども、ロッカールームが綺麗になってたり、ホワイトボードが綺麗になってたり、そういった事が試合へのリスペクトが表れると自分は感じて、非常によく感じるアリーナだったのでホスピタリティとかそいった事もそうです。
自分達自身が昇格できなかったという事自体はもちろん残念でしたし、本当に勝てたらよかったと思うんですけど、本当にいろんなアップダウンのある試合だったと思います。どんな試合でもどんなチームにおいても、シーズン中に運とかラックというものがあり、我々はラッキーな事もあって相手チームがケガ人のいる中で戦わなきゃいけない試合に関して我々がフルメンバーで戦えたり、ただ逆にそれが我々に関してはプレーオフでアクシデントが起きてしまって3日間ともに外国籍選手2名で戦うことになってしまった。今日見てもらって、わかったとも思うのですけど、かなり疲労が溜まった状態での試合になってしまったと思います。
ただ本当に選手達がハードワークエフォートというのを出していなかったとは全く思わないですし、本当にやるべき事をしっかりと全員がやってくれたと思います。
試合終わった後のロッカールームでの雰囲気を皆さんにも見てもらえればわかると思うんですけど全員がどれだけ、この試合このシーズンにかけていたかということがわかるような、本当に全員非常に残念がっているような姿でしたので、それだけのことをかけてやってきたシーズンだったなと思っています」
大塚裕土(A千葉)
「レオが怪我して、イバンとブランドンが本当にしんどい状況だったんですけど、頑張ってくれましたしアルティーリのブースターの皆さんも3日間来ていただいて感謝してます。最高勝率でレギュラーシーズン終えて最後にアクシデントありましたけれども来シーズンに向けてしっかり明日から
キャプテンとして出来ることをしっかりやっていきたいと思います。
本当に今日来て頂いた方とか、予定を変更して来てくれたり、3日間来ていただいたり、来れなかった方も含めて、会場の雰囲気は一丸となって戦ってくれたこと、本当に感謝を伝えたいと思います。
失敗はないと思ってるんで、、コービーブライアン選手も言ってたように
“失敗というものがそもそもこの世に存在しない”
と言ってるのを僕もこのプレーオフ始まる前に見て、率先して自分が見せていく事がここに来た意味でもありますし、しっかりこれから引っ張っていきたい思ってます」