三遠に戻ってきた津屋が”津屋ってる”を魅せる
昨シーズンまでサンロッカーズ渋谷でプレーしていた津屋は、持ち前のシュート決定力もさることながら、チーム内での競争を戦い抜き相手チームのエースを止めるディフェンダーとしても大きな役割を果たしてきた。まさに“津屋ってる”はディフェンスから見てほしいと1年前にJbasketインタビューで応えてくれていた。そして、今シーズン三遠に復帰してからはそのディフェンスと併せて、この試合では得意の3ポイントをコートに入るや否やいきなり3本を決めて一気に流れを変えた。津屋のこの1年間やっていたことは、これからさらにチームに貢献するだろう。
試合は、昨シーズンの西地区チャンビン名古屋ダイヤモンドドルフィンズと中地区チャンピオンの三遠ネオフェニックスとの対戦、”愛知ダービー”が行われ、昨シーズン地区王者対決は三遠が強さを見せた。名古屋Dに今シーズンから移籍した今村はコンディションにより欠場となった。
10月23日 ドルフィンズアリーナ
名古屋D 72 -98 三遠
1Q 22-30
2Q 19-25
3Q 15-22
4Q 16-21
<三遠>
#2 デイビッド・ヌワバ:16得点 8Reb 3STL 1BLK
#23 デイビッド・ダジンスキー 15得点 6Reb
#10 吉井裕鷹 14得点
#28 津屋一球 12得点(3P4/6)
#1 ヤンテ・メイテン 10得点 7Reb 3AST 3BLK
#5 大浦颯太 10得点 10AST3Reb 2STL
<名古屋D>
#32 ルーク・メイ 26得点 7Reb
#43 スコット・エサトン 21得点 8Reb
#2 齋藤拓実 7得点 6AST
愛知ダービーの大一番、両チームとも今シーズンにかける想いは強く、とんな展開になるか注目された試合は、入りから三遠が流れを掴んで行った。
両チームとも速い展開のバスケットが得意の中、強度高いディフェンスから得点していく三遠がイニシアティブを取っていった。三遠は1Qから津屋が3ポイントを3本大事なところで決めて一気に流れを掴んでいく。名古屋Dも齋藤、ルーク・メイが得点していき、追い上げるが三遠は落ち着いてプレーして名古屋Dを寄せ付けない。
2Qでは、名古屋Dがリードする三遠に2点差まで詰め寄るが、三遠はディフェンスの強度がさらに上がりターンオーバーもしっかり取り、ファウルトラブルもあって、ヌワバ、メイテンが中心となり三遠が一気に畳み込んでいき55-41として前半を折り返す。
後半に入って流れを掴みたい名古屋Dだったが、三遠のディフェンスでリズムを掴めず、逆にリードが広がっていった。名古屋Dは齋藤、ルーク・メイを起点に立て直していくが、三遠の佐々木、ヌワバの速い展開から得点していき、みるみるうちに点差が広がっていき、三遠は大浦のコントロールも効き、湧川もミスもあったがそれを取り返す得点もあげて20点差にする。さらにダジンスキーも巧さを見せ1Qで炸裂した津屋も3ポイント、吉井もプレータイム多くなりしっかりチームを牽引してを決め、最大リードは33点にまで広げた。
そのリードを4Qもしっかり守り抜き98-72という、愛知ダービーは大差で三遠が名古屋Dから勝利を得た。
次戦の10/26.27は、三遠はホームに戻って茨城と対戦。名古屋Dはホームにて三河と愛知ダービーを戦う。
大野 篤史HC(三遠)
「ゲームプランをしっかりとコートの中で遂行してくれた良いゲームでした」。
相手のスリーポイントの成功率を10%台に抑えていますが、改めてディフェンスのできをどのように評価されますか?
「前半は少し自分たちの遂行力のところでミスコミュニケーションがありましたが、後半はしっかりとコミュニケーションを取ることができました。自分たちがやられたくないシュートをしっかりと止めることができたと思います」。
オフェンス面では、第1Qからスリーポイントでの得点も多く、その後も二桁得点を積み上げていましたがいかがでしたか?
「チェンジングディフェンスでしっかり対応できていました。個人で打開する局面も少なかったので、チームとしてオフェンスを構築できたと思います。チームメイトのために自分が何をすべきかを、コートにいるプレーヤーがしっかりと理解してスペーシングやスクリーン、ロール等を行い、自分たちがやりたいオフェンスやストロングポイントを発揮できるところををみんなで共有して遂行できました」。
津屋一球(三遠)
「前節に続き、第1Qの出だしから良いスタートを切ることができたので、自分のシュートやディフェンスも良いプレーを出すことができました。チームとしてどんな点差になっても、ディフェンスのインテンシティ等やることは変わらないので、そこを継続したことが結果に繋がったと思います」。
前半の連続スリーポイント3本を含め、今日は4本のスリーを決め切りました。自身で振り返ってみていかがですか?
「自分のタイミングだと思って打ちました。あそこで打たない方が自分じゃないと思うので、これからも思い切って打っていきたいと思います」。
「どの相手でもやることは変わらず、自分たちのディフェンスとリバウンドを最後まで遂行し、持ち味であるアーリーオフェンスに繋げて、ペースを落とさずフェニックスらしいバスケットを貫きたいと思います」。
ショーン・デニスHC(名古屋D)
「三遠さんは、素晴らしい試合をしたと思います。フィジカルで我々がやりたいことを、全くやらせてもらえなかったし我々がプライドを持っている色々なバスケットの面で相手の方が今日の試合は上手でした。我々がプライドを持っているポゼッションポイント(ターンオーバー、セカンドチャンス)の点数が41対10、31点差で負けています。試合のテーマとしてペイントエリア内でのフィジカルバトルを勝たなければいけないという話しもしたのですが、全くできませんでした。
リバウンドも48対34で負けているところは、許せるところではありません。一番大事な事は、ここから学ぶことです。三遠がスタンダードを見せてくれましたが、我々もそのスタンダードまであげていき改善していきたいと思います」。
中東 泰斗(名古屋D)
「似たようなチームスタイルの対戦ということで、どちらが長く我慢できるかというところが勝負の肝だという事を思って勝負に臨みました。しかし、自分たちの方が遂行力が低く、相手の方が最後まで自分たちのバスケットをやったと思います。そこの完成度というか、決定力の違いでこのような結果になったと思います」。