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【EASL】A東京悔しい初戦黒星スタート/ブロンコス日本人選手•猪狩渉「トップレベルでプレーできるんだよっていうところを見せたい」

【EASL】A東京悔しい初戦黒星スタート/ブロンコス日本人選手•猪狩渉「トップレベルでプレーできるんだよっていうところを見せたい」

アジア7カ国・地域のトップ12クラブが東アジアの頂点を競う「東アジアスーパーリーグ(EASL)」が10月8日に開幕。優勝賞金は150万ドル(約2億2500万円)。日本からはアルバルク東京、宇都宮ブレックス、琉球ゴールデンキングスの3クラブが参戦。開幕戦は京王アリーナ東京でアルバルク東京がモンゴルのザック・ブロンコスを迎え撃った。

2025年10月8日(EASL 2025-26開幕戦)
京王アリーナ東京
アルバルク東京 🇯🇵 69–84 🇲🇳 ザック・ブロンコス
1Q 25-28
2Q 24-18
3Q 10-16
4Q 10-22

試合は序盤からブロンコスが3ポイントと速攻で主導権を握るも、A東京はフォスターの積極的なアタックとスティーブ・ザックのリバウンドで食らいつく。第2Qにはフォスターの3Pで同点、小酒部泰暉の3Pで逆転し、大倉颯太がテンポよくゲームを組み立て流れを引き寄せた。前半を49-46とリードして折り返すが、後半はシュートが落ち始め、相手のフィジカルな守備とトランジションに苦戦。終盤にジョンソン(25得点11リバウンド)とミラー(22得点6アシスト)に押し切られ、最終スコア69-84で敗戦。

フォスターが20得点、ザックが10得点9リバウンド。大倉と小酒部も攻守で存在感を示したが、主力不在の影響もあり、EASL初戦は黒星スタートとなった。

怪我人続出のA東京はここからの奮起に期待。次節は10月22日、台湾でニュータイペイ・キングスと対戦。東アジアの頂点を目指す戦いは、まだ始まったばかりだ。

 

そしてA東京の相手・ブロンコスには、日本人プレーヤーの姿があった。先月、青森ワッツから移籍した猪狩渉だ。チームの勝利に貢献した猪狩に胸の内を聞けた。

猪狩渉(🇲🇳ザック・ブロンコス)
(いがり・わたる/1996年生まれ)

福島県出身のポイントガード。能代工業からスラムダンク奨学生として米・IMGアカデミーへ留学し、帰国後はB2福島でプロ入り。その後、米独立リーグを経て仙台、青森でプレー。青森では選手兼通訳・ACとして多役を担った。2025年9月に青森を退団し、モンゴルのザック・ブロンコスへ移籍。日本人として数少ない海外挑戦組として注目され、EASLでは司令塔としてチームを支える存在として期待されている。

Jbasketインタビュー

「僕はこれまでB2でしかプレーしてこなくて、日本のトップレベル・アルバルク東京さんと試合をできるのは、今後の人生で一度あるかないかのチャンスだと思っていました。シュートは決められなかったんですけど、出ている時間帯のプラスマイナスがプラス1。ポイントガードとしてのゲームコントロールは、ある程度手応えを掴めたと思っています。」

J:短い時間でのチームとのプレー、モンゴルのバスケットや移籍を決めた理由を教えてください。

猪狩:
「日本とモンゴルのバスケットの違いというより、コーチが世界的にもトップレベルで、戦術のコンセプト自体はそこまで変わらないと感じています。ただ、リーグのレギュレーションがBリーグ初年度に近く、外国籍のオンザコートルールが1.2.1.2という形。インサイドの選手は比較的プレータイムを得やすく、ビッグマンのレベルも高い。リーグ全体の競争力はとても強いと思います。」

J:今シーズン、モンゴルリーグでどんなプレーヤーを目指していますか。

猪狩:
「これまでずっとB2で10年やってきて、20歳でプロ入りしてから出場機会は多くありませんでした。ガベージタイムやDNP、ベンチが多かったプロ人生の中で、29歳という年齢を迎え、自分がどれだけプレーできるかを証明したい。僕を見てきた人たちにも“猪狩渉はこのトップレベルで戦えるんだ”と感じてもらいたいです。数字ではなく、出ている時間帯のチームの動きや存在感で勝負する。それが僕のガードとしての理想であり、完成形を見せたいと思っています。」

異国の地で、再び自分を試す舞台を選んだ男。小さな体で世界に挑み続けるその背中が、東アジアのバスケットに新しい風を吹かせている。

 

 

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Jbasketライター

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