中村は、2025年群馬クレインサンダーズに移籍した。移籍にあたっては様々な憶測や注目が集まったが、本人にとってはキャリアをさらに飛躍させる新たな挑戦の舞台となる。
攻守にわたって独特なリズムでペイントに切り込み、得点力もありアグレッシブなガードとして知られる中村は、今年Bリーグ選抜に選出され、アメリカのサマーリーグチームや日本でのGリーグ・ユナイテッドとの国際試合で堂々とプレーした。
世界基準のフィジカルとスピードを体感し、自身の強みと課題を再認識した。特にGリーグとの一戦では、果敢なドライブやディフェンスで存在感を放ち、観客を沸かせた。
新天地・群馬では、ミリングHC、辻直人や藤井祐眞ら経験豊富な選手とともに、勝負どころでの決定力やリーダーシップが期待される。
そして視線の先には、日の丸がある。もちろん以前にも日本代表に選出されていて、アジアカップ予選で出場経験を積んできた中村は、「再び日本代表として世界で戦いたい」という強い想いを胸に、日々挑んでいる。
J: NBLやサマーリーグで参加チーム、今回Gリーグ選抜と戦って振り返って感じることや変わったことはありますか。
中村:
「Bリーグユナイテッドで経験できたのは、僕自身、今日の試合に関しては、その試合があったおかげでというか、その経験があったからこそ今日落ち着いてプレーできたかなと思いますし、そういった気持ちの持ちようというか、このオフシーズンですけど、本当にいい経験ができたと思ってるので、そういった意味では、今日の試合もその経験が生かせていて、結果としては負けてしまったんですけど、チームとして本当にこれからを見据えていいゲームができたかなっていうのは思います。」
J: スターターでコールされてブースターの盛り上がりは、いよいよって感じましたか。
中村:
「もうシーズン始まってるんですけども、でも本当にレギュラーシーズンかのような雰囲気でした。その雰囲気の中でやれるっていうのは本当に僕自身幸せなことだなって思うので、本当にこれからのシーズン、レギュラーシーズンが非常に楽しみです。」
J: オフは休みなくやってこられたと思いますが、この試合含めてどんなステップができましたか。
中村:
「一番はやはりメンタルの部分です。戦っていく上で必ず必要となるスキルだと思うので、そういった気持ちは、このオフ過ごしてきた中で本当にたくさんのことを経験できました。もちろん自分がうまくいかなかったことも多かったんですけど、その経験が本当にこういう試合で生かせてるなっていうのは思ったので、この期間というか、今シーズンの試合に向けて非常にいい準備ができてるなっていうのは思ってます。」
J: 日本人ガードはますます競争激化していく中で、日の丸🇯🇵を期待しているファンも多いです。どんな想いで今シーズンを迎えますか。
中村:
「このリーグ全体的にガードの選手は、本当にどのチームもトップレベルの選手が多いので、その中で僕の色というか、中村拓人っていうカラーを出していくことが、よりチームにとっても、僕自身にとっても成長に繋がるかなっていうのは思ってます。もちろんその日本代表っていうところは僕自身も目指している場所でもありますし、今選ばれてる選手もいます。その中でいかに自分のカラーを出して貪欲に成長するためにっていうことを常に考えてやっていくことが大事で、今シーズンは優勝を狙えるチームでもあると思うので、そこを僕が引っ張っていけたらなって思います。」
中村拓人は2001年3月3日生まれ、愛知県出身24歳。身長184cm・体重79kgのガードで、大東文化大学では関東大学リーグやインカレで得点力とスピードを武器に台頭し、主力としてチームをけん引した。
2020-21シーズンにレバンガ北海道の特別指定選手としてキャリアをスタート。翌2021-22シーズンは広島ドラゴンフライズの特別指定選手を経て、2022-25シーズンまで広島でプレー。持ち前の粘り強いディフェンスと果敢なドライブでチームに力を与え、2023-24シーズンにはクラブ悲願のBリーグチャンピオンシップ初制覇に大きく貢献した。常に安定感のあるプレーでチームに貢献してきた。
また、日本代表にも選出され、FIBAアジアカップ2025予選に出場。国際舞台での経験を積み、さらなる成長への糧としている。2025年からは群馬クレインサンダーズへ移籍し、攻守両面のエナジーを武器に優勝を狙うチームに新たな推進力をもたらすと同時に、再び日の丸を背負い世界で戦うことを目標に挑戦を続ける。