Bリーグ

【スペシャルインタビュー】佐古賢一(三河チームディレクター) ミスターバスケットボールが今の活動と日本の未来10代に伝えてきてること&日本バスケットの未来を語る

【スペシャルインタビュー】佐古賢一(三河チームディレクター) ミスターバスケットボールが今の活動と日本の未来10代に伝えてきてること&日本バスケットの未来を語る

佐古賢一とは
アジアNo.1と称され続けたポイントガード
日本代表のエースとして活躍
天皇杯12回優勝
リーグ9回優勝
個人賞多数

Bリーグでは
広島ドラゴンフライズHC
レバンガ北海道HC

日本代表では
日本代表アシスタントコーチ
U19日本代表ヘッドコーチ ワールドカップに出場してそのメンバーを振り返ってくれた。

FIBAではFIBA殿堂入り表彰

 

佐古賢一から出るキーワード
「ナチュラルポジション」

「10代の選手、アンダー世代に伝えてきた
日本代表の自覚と責任」

「イエスマンじゃなくて自分で考える」

「今までの殻を破る」

「中学生と高校生でどんな選手が絶望的に将来性がないのか、何で勝負するのか」

「今のBリーガーにして欲しいこと」

 

Bリーグも佳境に差し掛かってCS出場8チームが決まった。そしてリーグ最終節を迎えることになる。Bリーグ9年目を迎えて各地域でバスケットボールがさらに盛んになり盛り上がりを見せている。
今のバスケットボールの礎を築き、日本バスケットボール界に尽力を今も尽くしている、ミスターバスケットボール佐古賢一氏(三河チームディレクター)に、今シーズンチームディレクターとなっての活動、現在の日本バスケットボールがここから未来にどう繋いでいき、展望を持っているか、アジアNo. 1の選手と言われて、日本代表を牽引して、その後JBAで理事となる経験をして、広島ドラゴンフライズの初代HC、日本代表のアシスタントコーチ、UカテゴリーのHC、レバンガ北海道のHC、そして日本に燦然と一時代を作ったチームに戻りシニアプロデューサー、チームディレクターとなって活躍している。そんな佐古賢一氏にスペシャルJbasketインタビューをさせてもらった。なかなか聞けない考え方やエピソード、想いを聞くことができた。

 

日本バスケット界に革命を起こしてきた
佐古賢一が語る

J:天皇杯ではアイシン後輩の柏木真介選手とでしたね

「過去にね、ああいう記録として残っているおかげで、天皇杯100回大会の記念すべき大会でバスケットLIVEでの解説をさせていただいて、本当に光栄だなと思いました」。
真介(今シーズン引退発表を5/1に発表した柏木真介選手 天皇杯5回優勝) とね、真介は解説が初めてだっていうことだったし、久しぶりにああいう形で会えて、本当に楽しい時間でしたね」。

※アイシンシーホースがリーグの王者として君臨していた頃、同じチームメイトで同じポイントガードで共に優勝をしてきたチームメイトで、日本代表でも共にプレイした先輩・後輩の間柄。

 

J:チームディレクターとしてどういう活動をされてますか

「まずは、このシーホース三河で全体的なことを言うと、第20回アジア競技大会、第5回アジアパラ競技大会のためにホームコートのウィングアリーナ刈谷が改修工事に入って、アリーナを思うように使えないという中で、収容人数2000人くらいのそこが今メインコートとしてやってるというのがが今の状況なんですね。

他チームは4000人、5000人、またそれ以上のアリーナでお客さんを満員にしながらやれるっていう環境の中で、今シーズン我々は我慢の年なのかなと思ってやっています。
要は、チケット収入だとかグッズ販売だとか、いろんな部分でサイズの小さいアリーナでやっていくと。ただ、こういう環境下の中でも、2000人ちょっとの体育館を貸していただいてる刈谷市体育館やいろんなところには感謝しながらもやってます。

2026年に向けて我々が、少しずつ会社規模も大きくしていかなくてはいけないってという部分で、営業のスポンサーを取りに行ったりだとか、こういうところにも尽力しながら今過ごしている状況です。
チームとしても今少しずつステップアップしているような状況なので、今シーズン、昨シーズンのCSクォーターファイナルで負けてしまいましたけど、今シーズンは昨シーズン以上のところを目指してる。

こういう中でね、並行してアリーナを建設する方向で動いてる。今まだ工事が始まってるわけではなくて、前にそこに立っていた建物を1回更地にする作業、こういう部分ではもう本当にアリーナの建設の方もスタートしたなっていう状況で、今の段階では2028年のシーズン、ここにはスタートできる予定ではありますので、ここまでに自分たちのチームがどういう風にステップアップしていけるかっていう、そういうところも編成のメンバーに入りながら、チームに関わってる状況です。

今シーズンの成果と言いますか、こういうものに直結していくってなると、本当、終盤戦、過渡期と言いますか、今が1番、チームも大変ですし、選手もまたプレッシャーもかかってきますし、いろんな意味で、うん、いい時期になってきたなって思いますね。

チームディレクターとは
チームへの1番責任者的なところで今仕事をさせて頂いているんですけど、普通だったらね、GMとかそういう言い方になるんだけど、チームディレクターって、要はなんでも屋さんで(笑顔)、チームに特化しながらというスタイルなんですよね。
シーホース三河は、GMを置かないという方針の元、チームがスタートしてるみたいなので、GMになるのかっていうことになれば、僕は多分ならないんですけどね。

皆さん、プロスポーツの選手との契約だとかいろんなことっていうのは、多分知る必要もないと思いますし、知らないと思うんですけど、色々細かいんですよ。1人の選手と契約を結ぶためにいろんなことを要求されて、いろんなことを自分たちの中で判断しながら、どういうふうに落としどころを見つけていくか。

大体1人の選手の契約にかかるのが3週間から1ヶ月ぐらいかかるんで、今はもうすでに1人ずつこうやりながら、今からまとまって、いろんな選手の契約を全てこう作っていかなきゃいけないですし、もちろんチームのバジェット、予算っていうものがあるので、そういうところでは色々な人の手を借りながら、計算して、足し算して引き算してって、いろんなことをやりながら、その数字をちゃんと予算内に収められるようにやってます。

オファーを出して、またオファーを交渉していくっていう、こういう地道なことを、今は1番忙しい時期なので、主にそれを中心に3月から4月はいっぱいいっぱいになると思いますね」。

 

J:トップ選手として、日本代表として、JBAそして三河と表と裏方とほとんどの人が経験できないことをされてきました

「僕はもう本当に現場で育ってきてるんですよね。選手から引退して、そのまま協会(JBA)の方に1回入って、こういう裏方的な仕事もしましたけど、あのタイミングは、自分の会社を動かしていくっていうものがメインでありながら、お手伝いをしたっていうぐらいだった。なので、本格的に初めて三河のフロントに入ったのは去年からですね。

まず1番最初に思ったのは、見た目が地味な割には、めちゃめちゃ忙しい(笑顔)。
これは本当にフロントに入ってすごいと思いました。

感覚的に感じてるのは、裏で動いてる人数と仕事量、こういうものに本当に感動したと言いますか、、、見えてないところで人が動いてる、そういう部分っていうのは、本当にフロントに入ってみないとわからなかったし、見れなかったところ。
今までどのアリーナに行っても、2階に行くことって1回もなかったんですよね。はい。
もうコートに入っていく、ヘッドコーチの時もそうでしたし、2階から観戦するっていうこともなかなかなかったんで。それが2階どころじゃなく、バックヤードをこれだけ行ったり来たりっていうのはもう本当に新鮮だったでしたね。

そこで動いてる人たちの仕事の熱量と多さですよね、こういうものっていうのはすごい感動しましたね。

今はもうコートにいる時間やっぱりバックヤードにいる時間の方が長くなってるし、なんなら色々な役員さん、スポンサーの方々、こういう人たちとのコミュニケーションだとかの方がメインになってて、チームの選手やヘッドコーチとの時間帯は、むしろ皆さん(ファン)がいるタイミングではほとんど取らない。

どっちかというと選手たちとも練習前後とか、ヘッドコーチとはもちろん時間をしっかり取ってミーティングっていう形で色々行うんで、プライベートで喋ることってあんまりないですよね。
なので、皆さんが観客として見ていただいてるタイミングで、自分がチームの近くにいないじゃないかって思うかもわからないんですけど、むしろ、タイミングは本当にあそこがしっかりメインになるように、自分もあんまり出しゃばらないようにしてるし、なので、そういう意味ではね、どんな仕事してんの?っていうのはみんな思うかもわかんないですけどね、でも忙しくしてます」。

 

J:Bリーグのチームで働きたいと思っている方も増えていると思います

「チームで働きたい、チームに関わった何か仕事に就きたいと思ってる方々は、決して選手たちの近くに行けると思わない方がいいですね。

逆にちゃんと導線をバチっと引いてるし、我々は仕事として入ってるんで、そこは逆に言ったら、選手たちのプロの聖域と我々のプロとしての聖域っていうのはまた違うと思って入ってくるべきですしね。
決してね、ミーハーな気持ちで入ってきてる人はいないと思うんですけど、うちのシーホース三河だと50人ぐらい社員がいて、本当に全ての人間がプロフェッショナルです。
なので、僕が入ってからいろんなことやってますけど、いろんなことに対して、中心的にやってますじゃなくて、いろんなセクションに力を少し貸してあげてる程度で、僕がじゃあ何かをカチっと何か決めてるっていうのはほぼない。
チームで決めてることや編成のことに関しても編成メンバーがいるんで、ちゃんとお金のところで、会社との兼ね合いだとか、会社全体の売り上げに対して我々のバジェットが何パーセントがあるのかとか、こういうことに関しても、スペシャリストが編成メンバーには入ってるんで、俺1人で何かやってることっていうのはないですね。みんなチームです」。

 

J:日本代表のアンダーカテゴリーを見てきてU19ワールドカップでHCされたりとアンダー世代に対してどんな想いですか、またその時の選手たちも今活躍されてますね

この選手たちを見ながら応えてくれた

2019 U19ワールドカップ日本代表12名
当時のプロフィール
#4 元田 大陽 (SG/190cm/東海大学)
#5 米山 ジャバ 偉生 (PF/191cm/専修大学)
#7 木林 優 (PF/203cm/筑波大学)
#8 小川 敦也 (PG/191cm/筑波大学)
#11 ハーパー ローレンス Jr (PG/183cm/東海大学)
#12 浅井 英矢 (C/200cm/筑波大学)
#13 金近 廉 (SF/198cm/東海大学)
#14 岩下 准平 (PG/183cm/福岡大学附属大濠高校)
#15 菅野 ブルース (SF/198cm/仙台大学附属明成高等学校)
#16 山ノ内 勇登 (PF/204cm/リベットアカデミー)
#17 山﨑 一渉(SF/200cm/仙台大学附属明成高等学校)
#18 川島 悠翔 (PF/201cm/福岡大学附属大濠高

 

「まずこの10代、高校生世代って言うんですかね、U16とU18を見ながらでU19のワールドカップに行くことができたんです。

まだね、自分の能力の持ち方だったりだとか、今持ってる潜在能力をどういう風に開花すれば、自分は将来日本代表の選手になって日本のバスケットに貢献していけるかなっていうのは誰もわかってないし、誰も思ってないっていうことを予測できている。

だから、僕がHCやってたんで予測できる。

この選手は将来もナショナルチームに間違いなく入っていってエース級になるなとか、こういうものっていうのをね、ちゃんと見抜いてチャレンジする、何にチャレンジすることが今、彼にとって大事なのかとかっていうものをね、ちゃんと伝えてあげられるってことがすごい大事だと思う。

今、彼らがまさにBリーガーになってね、日本代表にも数名入ってきた感じになった時に、彼らがその時にチャレンジしてたこと。

これはね、多分ね、忘れないと思うんですよね。

しかもU19でワールドカップに行ったメンバーは初めての世界大会だと思うんで、そう考えた時に、あの時に何が通用して、何が通用できなかったのか、特になんですけど、僕が当時U19を連れてった時に、彼らと色々コミュニケーションやミーティングだとかいろんなことやってる中で、

彼らの口から出てくることは通用しないことを知りたがってる。だけど僕は通用するものを見出したかった。

だからここで通用しないものっていうのはネガティブなんですよね。
だけど、通用したもの、世界でも戦えるもの、これはすごいポジティブじゃないですか。これは僕のマインドの中は、彼らにとにかくポジティブにいろんなことをチャレンジすること。

もちろん勝ちに行ってますよ。勝ちに行ってるんですけど、この連れてった12人を均等に使ったんですよ。これはね、全員にチャレンジしてもらいたかったし、全員に均等に経験するべきだと思ってたから。
なので、勝つことよりもっと大事なことがあるっていう体で僕は連れてった。
それがね、U19だったんですよ。

今、その時のメンバーがだんだんと色々な経験をしながら、色々努力もしてきてるし、そういう中でね、もう日本のバスケットに必要とされていく人材の1人になりつつあるってのは、今の彼らを見てて、すごい成長したなって思う。
自分が思ってたちゃんと着地すべきところに今の段階でしてるなっていう感覚。
なので、本当彼らもね、いいバスケットのステップアップの仕方をしてきてると思いますし、むしろ彼らはラッキーだったなと思わなくてはいけない部分っていうのは、

いい人間といいチャンスに巡り会えたなと思います。

これはね、すごい大事なことだなって。どれだけポテンシャルを持ってても、いい人間にで出会わなければ、そのチャレンジしていく、こういう場がなければ、そのポテンシャルっていうものを開花できないと思うんだよね。

なので、今の高校生、中学生も含めてですね、こういうティーンネージのところは、もうとにかくチャレンジしていくっていう、そういうところにちゃんと目を向けて、できないことっていうのは別に気にする必要がなくて、みんな向き不向きがあるし。だけど、最後、日本代表になるのはほんの少しだけっていう。そこにね、ぜひみんなチャレンジしてもらいたいなって。今はね、本当にいい環境だと思います」。

 

J:中学生、高校生のアンダーの選手たちに大切に伝えてきたことや今も思っていることを教えてください

J:Bリーグ前は代々木第一体育館が一杯になる試合が日本バスケット界で起きたら凄いと言われていて、今は現実が夢を越えてきている状況になっています。どう感じたいますか

J:三河ホームでファンブースターをエントランスで迎えているということですね

J:日本全国のバスケットファンへメッセージを

 

上記の質問とフル動画はJbasketAND1にて公開
濃く深く応えてくれました

【スペシャルインタビュー前編】 佐古賢一(三河チームディレクター) ミスターバスケットボールが今の活動と日本の未来10代に伝えてきてること&日本バスケットの未来を語る
有料コンテンツとなります。引き続きお楽しみいただくには、有料会員登録が必要となります。
【スペシャルインタビュー後編】 佐古賢一(三河チームディレクター) ミスターバスケットボールが今の活動と日本の未来10代に伝えてきてること&日本バスケットの未来を語る
有料コンテンツとなります。引き続きお楽しみいただくには、有料会員登録が必要となります。

 

 

 

佐古賢一キャリア

・ミスターバスケットボール
・天皇杯優勝12回
1994年、1996年、1998年,1999年、2001年、2003年、2004年、2005年、2008年、2009年、2010年、2011年

・リーグ優勝9回
1996年、1997年、1998年、1999年、2001年、2003年、2004年、2008年、2009年

・MVP 3回
・ベスト5 9回
・スリーポイント王 2回
・フリースロー王 1回
・アシスト王 2回
・アジアNo.1ガードと称される
・NBA選手らから認められる

・日本代表🇯🇵
20歳で代表入りして以後日本代表を支える
アジア競技会 銅メダル
オリンピック予選
ワールドカップ(世界選手権)31年ぶりに出場
アジア選手権

・小説「ファイブ」佐古賢一ヒストリーが描かれてNHK出版、幻冬舎文庫から出版される。
・マンガ「ファイブ」は小学館「ビッグコミック」で連載され、単行本も出版される。
・ドラマ「ファイブ」NHK総合テレビで放送される。賢一さん役は俳優の岸谷五朗さんが演じる。

・北陸高校
・中央大学
・いすゞ自動車
・アイシン・シーホース
・日本バスケットボール協会理事
・NBA解説
・広島ドラゴンフライズ初代HC
・日本代表🇯🇵AC
・日本代表🇯🇵アンダーカテゴリーHC
・レバンガ北海道HC
・シーホース三河 シニアプロデューサー
・シーホース三河 チームディレクター

・2020年FIBA (世界バスケットボール連盟)が殿堂入りを発表
プレーヤーとして日本人初受賞。
FIBA殿堂9名、NBAフェニックス・サンズで活躍したスティーブ・ナッシュ(前ブルックリン・ネッツHC)など錚々たるメンバーが名を連ねた。

 

 

Bリーグ日本代表日本代表U16
Jbasket

Jbasketライター

-バスケットボール 専門メディア

twitter : @jbasket_web
Instagram : @ jbasket_web