今シーズン群馬クレインサンダーズはミリングHCの指揮と選手の進化によって悲願のCS出場を果たした。対戦相手は三遠ネオフェニックスと2年連続中地区首位の競合とのクォーターファイナルでの対戦となった。
このチームの大事なリーダーとして牽引してきたのが、辻直人キャプテンと今シーズンから群馬に移籍した藤井祐眞だ。この2人は、川崎ブレイブサンダースで共に天皇杯含めて日本一のタイトルを経験して、ポイントガードとシューティングガードとしてお互いリスペクトして活躍してきた。
藤井は今シーズン始まる前に、Jbasketインタビューでこう答えてくれていた。
「チームが苦しい時に助けられるような、ポイントガードとしてコートを支配できるような選手にはなりたいと思っています。最初は周りを活かしてやったり、最初から自分で点を取りに行ったり、試合の中でチームが困った時に自分はいつでもゴール狙える、いつでもいけるんだと、そういう準備をして周りに散らしながら、いい判断ができたらなって思っています」。
また、群馬でプレイについて
J:自身とチームのここを見てもらいたいところを教えてください
「ハッスルプレーですね。やっぱりチームのためにみんなが1つになれればベンチもすごく盛り上がってくれますし、トレイがブロックしてそのルーズボールをなんとか残してトランジション繋げて行ったりすると、会場やベンチの盛り上がりは本当に最高で、空気感や流れが変わるので、みんなが熱くなりますし、そこは本当に1番見てほしいです。プレーでしっかり体現していこうと思うので、そこも本当に見てほしいなって思いますし、自分が盛り上げられるように頑張ってプレーで見せたいなと思っています」と文字通りチームはひとつになった。
今シーズン新たな場所での戦いに優勝を掲げてスタートを切ってコートに一礼した
藤井は、シーズンもそうだが、このCSでの三遠戦に至っては、ゲームコントロール、ここぞという場面での得点、スペースがあれば3ポイントを決め切る藤井の力をコートで発揮して、特にGAME1では三遠にあとわずかのところまで追い込んだ。80-83と3点差でGAME1。落とした藤井はゲーム後に答えてくれた。
J:経験豊かな藤井選手は明日の戦いに向けて、このギリギリの戦いで何が大事になってきますか、またチームとのプレイでの感覚はどうでしたか
「そうですね、チームとして戦えたと思いますし、そういうズレとかはなくできたんじゃないかなっていう風に思います。
ただ、本当に気持ちの部分であったり、タフネスの部分で相手のフィジカルに押し出されて、良くないターンオーバーであったり、そういうところのミスがあったので、
明日もそうですけど、このチャンピオンシップ、負けたらシーズンが終わってしまう、そういう状況の中で戦うので、本当に気持ちと気持ちのぶつかり合いであったり、本当に1つ1つのポゼッションの全部に気持ちが入ったプレーをみんなですると思います。
優勝がかかった試合ですし、もちろん優勝するために今シーズンずっと戦ってきて、今日がほんとにチャンピオンシップの大事な一戦だったので、気持ちは負けないです。今日は出だしで、三遠さんにその気持ちの部分がランを作られてしまったので、逆に明日は僕らがランを作る気持ちで、ぶつかり合って、フィジカルに、タフに40分間戦いたいと思ってます」。
次のGAME2では負けたらCSが終了する試合となるが、ゲーム入りから藤井は全開モードで戦い続けていくが、三遠の勢いを止められず最大22点差をつけられるも、後半に藤井と辻が中心となって、ジョーンズ、ティーマン、ターズスキーとインサイドとアウトサイドから群馬得意のオフェンス力を見せて、3点差にまで詰め寄る。しかしタイムアップで84-93で群馬は三遠に敗れて、今シーズンのCSでの挑戦は終わったが、藤井が見せてくれた最後まで戦う姿勢、そして諦めるという言葉は藤井にはない。試合終了してからの藤井の悔しい表情が今でも鮮明に残っている。
そして、このチームのキャプテンとして
チームを牽引してきたのが辻直人だ。
今シーズン3ポイント成功率では、比江島慎の次に2位という、ベテランになってもハイパフォーマンスを見せる辻。このチームでのCS初出場、そしてCS優勝を掲げてきた。
シーズン始まる前にJbasketインタビューで
こう答えてくれた。
J:今シーズンにかける想いを教えてください
「トータル60試合という考えももちろん大事ですし、目先の試合でどう戦っていけるかというのも大事ですし、最後の60試合が終わって振り返った時に、あの時があってよかったなって思える試合もたくさん作っていきたいなと思います。また僕自身キャプテンとして挑戦する年でもあるので、ベンチでの振る舞いもそうですし、練習とかコートでチームに貢献すること、このチームに大事なのは”犠牲心”が1番大事だと思う ので、そこを体現して今よりもさらに強いクレインサンダーズを作っていきたいし、もう堂々とCSで戦うイメージができているので、まだ成し遂げてないこのクラブの目標や歴史を1つ作っていきたいなと思っています」。
また今シーズンのオールスターでも
お祭り男として、ファンブースターを最高潮への盛り上がりへと連れて行ってくれる、本当に貴重な存在だ。
そして、CSでのクォーターファイナル三遠戦では、2試合とも30分近く出場して、果敢に3ポイントを狙って、大事な場面で決め切る辻の姿にファンブースターは熱い想いになったに違いない。GAME1.2と敗れて、今シーズンのCSを終えた辻は試合後にこう語ってくれた。
りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2024-25
辻直人キャプテン(群馬) クォーターファイナル三遠戦GAME2終了後コメント
「今シーズン、個人的には今までキャリアの中で、1番高いぐらいの水準の確率を決められたっていうのは、結果としては残りましたけど、充実した60試合というか、レギュラーシーズンを終えられたっていうと、そうではなくて、何かしら痛めたりとか、やっぱり苦しい時間っていうのを過ごしてしまったなとは思います。
でもチームとして見た時には、キャプテンを任されて、
自分にできることはな何か、
自分にできるそのキャプテンというか、
リーダーシップというか、
そういうところを模索しながら、このチームにどういうアプローチの仕方がいいのかとか、
色々考えながら過ごしたシーズンであったんですけど、まだまだそのリーダーシップっていうところでは課題を残しつつも、もう少し締めるとこを締めた方がよかったなと、今思えばあるんですけど、チームとして振り返ってみればいいチームになったなと思います。
昨シーズンと比べてにはなるんですけど、自己犠牲を持ったマインドになった選手が多くなって、ほんとうに1つになったチームかなと思います。優勝したいです」。
CSが終わって体や心を休めてもらいたい。それほど今シーズン激しく戦ってきた2人だ。来シーズンに向けてどう動いていくのか、どんな目標や想いを抱いていくのか、また声を聞きたいし、今シーズンおつかれさまでしたと言いたい。