トヨタアリーナ東京を舞台に行われた開幕第2戦。互いに意地と意地がぶつかる接戦の中、最後まで主導権を手放さなかった宇都宮ブレックスが逃げ切り、価値ある2連勝を飾った。
開幕戦 Game2
📅10/5 (SUN)トヨタアリーナ東京 9,395人
A東京 64-66 宇都宮
1Q 18-22
2Q 14-13
3Q 14-18
4Q 18-13
<A東京>
#2 大倉颯太 7得点
#9 安藤周人 7得点・6リバウンド
#11 セバスチャン・サイズ 18得点・9リバウンド
#17 マーカス・フォスター12得点
#75 小酒部泰暉 8得点
<宇都宮>
#6 比江島慎 11得点・3P 3本
#25 DJニュービル 27得点・3P 7本
#33 ギャビン・エドワーズ 3得点・8リバウンド
#42 アイザック・フォトゥ12得点・10リバウンド
前半、前試合ではA東京が宇都宮のピック&ロールに対応するのに遅れたが、1Qも宇都宮のDJ、比江島の3ポイントを許し、宇都宮が主導権を握った。
A東京は安藤・大倉・小酒部の激しいディフェンスで修正し対応。2Qに入ると互いに勢いに乗れない時間が続いたが、じわじわとA東京が3ポイントなどで得点を重ね、宇都宮のリードは3点で前半終了。
後半に入って開始早々、両者ともに攻守で激しい攻防を展開。A東京は速攻をサイズが決め、更には大倉が逆転のシュートを沈める。
対する宇都宮もニュービル、フォトゥ、比江島の連続得点で再逆転し、会場は熱気に包まれた。4QではA東京の小酒部、アイラ、フォスターが果敢に攻め、あと一歩まで追い詰めたが、宇都宮のDJが3本の3ポイントを沈め逃げ切り、開幕2連勝を挙げた。
試合後コメント
ジーコHC(宇都宮)
総括
「まずアルバルク東京さんは怪我人が多い中でアグレッシブに戦ってきたことにとても良いバスケットをしてきたと思います。先ほどロッカールームで選手たちにシュートが入るときは差を広げて勝つことが出来るがシュートが入っていない時、今日でしたら2Qはディフェンスで修正することが出来ました。
私がHCになる前のブレックスは50勝弱の成績を収めたこともあるので、波がなく勝利を継続することを証明するシーズンにしたいです。」
D.J・ニュービル(宇都宮)
総括
「今日の試合は相手が強度を上げた中でもしっかりと勝つことが出来ました。」
J:どのチームもニュービル選手に対してハードにディフェンスを仕掛けてきますが試合前のメンタルの準備や練習、コンディション調整などはどの様にされていますか
ニュービル:
「今までもかなりハードに相手と戦ってきました。練習ではチームメイトに激しくマッチアップしてもらい常に試合をイメージしています。これはとてもチームメイトに感謝しています。メンタルや身体のケアは怠らずに行っていて常に万全のコンディションを維持しています。」
アドマイティスHC(東京)
総括
「負けてしまいましたが、きちんとしたゲームができました。そして選手たちが最後までフィジカル面でも戦い抜くことが出来たことはいい収穫です。現在怪我人が多い苦しい状況ではあります。3Qはミスが続き苦しい時間もありましたが良いメンタリティで戦えましたので今後の試合でも同じように臨んでいきたいと思います。」
J:フロントコートのガード陣が手薄になりゲームメイクが課題と修正が必要だと感じますがその点はいかがでしょうか。
アドマイティスHC:
「バスケットはシンプルなスポーツです。状況判断が大事でディフェンスの動きを読むこと、隙があればレイアップや3ポイントを狙っていきます。ただし状況が悪い中攻めてしまうと相手に流れを持っていかれてしまいます。ポイントガードはコート上のHCですから彼らに委ねています。大事な所はしっかりとゲームプランを遂行することです。そのプランを遂行して負ければ私の責任です。きちんと遂行できなければポイントガードの仕事として責任を感じてほしいところでもあります。」
大倉颯太(A東京)
総括
「Game1では戦う気持ちが足りなく反省がありました。今回はハードに戦っていくことが出来たと思います。」
J:ゲームコントロールの課題等ある中で、この2試合を通して葛藤はありましたか
大倉颯太:
「Game1で苦しい試合をしました。僕自身もっといろいろなことをやらないといけないと思ってしまい正直、昨日の練習でもこの戦術であっているのかなどのクエスチョンがありました。その中でもHCは常にハードにと言っていますので今日はそれを意識して臨みました。結果今日も負けてしまいましたがこれをスタンダードにしつつ今日見えてきたものもありますのでこれを活かしつつコーチの信頼も獲得できればと思います。」
最後まで一瞬の隙も許さない攻防が続いたGame2の激闘を、宇都宮が勝負強さで制した。ニュービルの3ポイントが会場の空気を変え、比江島の冷静な判断が勝利を呼び込む。A東京も大倉を中心に粘り強い戦いを見せ、敗れてなお成長を感じさせた。
Bリーグ10年目の幕開け、トヨタアリーナ東京で繰り広げられた死闘は、日本バスケットの新たな時代を告げた。
📸 文:小玉慶二郎
📷 写真:竹内遥